UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力に目覚めた件 第二章第二十三話part6

2024-11-19 23:47:22 | 日記
 このサルたちは本質的にはその呪いという力に振り回されてしまってるんだろう。多分元はただ、ちょっとしたお守り程度のそんな力しかなかったんだとおもう。
 
 けど怪しげな奴がこれを呪物にしてしまった。けど、実際たった一人の行いでここまでの呪物になるのか? というのも足軽は疑問が残る。けど人の憎しみとかはもしかしたら際限とかないのかもしれない。
 足軽は現代の普通の家庭に生まれて、普通に育ってきた普通の男子なのだ。親だってちゃんとそろってて、かわいがってくれる祖父と祖母もいる。適度な距離間の兄妹に、学校でも目立ちはしないがこれまでいじめられたことなんてなかった。
 そんな普通の男子が野々野足軽だ。だからこそ、実際人の憎しみがどこまで深くて、黒くて、怖いものなのか……確かに最近、愛が変質して暴走したような人を見た。
 でもあれともきっと質が違う。これは悪魔が好むような感情とかじゃないんだろう。呪いという行為。そこにはもちろん悪意とか嫌悪……悔しさや哀しさがあるだろう。
 それは悪魔も好みそうだけど……悪魔ではなく呪物となってる。
 
 最初はそれこそたった一人の呪いだった。けど今やきっとそうじゃない。
 
「きっかけがほしい……えっと触っていい?」
「私に?」
「いや、この……」
 
 足軽は指を指す。それはおばあちゃんではなくてその後ろのサルだ。サルの力を上手く……というか正確には足軽は感じれてない。いや、感じれるが、それほどおおきくおもえない――でもおばあちゃんの言葉を信じるならサルの力は大きくなってるらしい。
 それはあってないと思った。そして一つの可能性を足軽は考える。
 
(今俺が感じてる力はおばあちゃんがあのサルを変身させる為に使った力……なんじゃ?)
 
 でもおばあちゃんの変身の力は時限みたいだから今残ってる力が弱々しいのは、繋がる。つまりはサルは学習して今は自身の力でその変化を維持てるということだ。
 
「大丈夫なの? 足軽この子たちは……」
 
 心配するおばあちゃんの言葉。そんなに信用が? とか思ったけどそうじゃないと足軽は察した。
 
「ああ、大丈夫だよ。呪いは……ほら、俺だって超能力者だし」
「そ、そうね、足軽は空も飛べるものね」
 
 なんか空を飛べる事にとても大きな信頼感を持ってるおばあちゃんである。なんの論理もないが、空飛んでるくらいだから呪いもどうにかなるだろうという理論なのだろうか? けどここで拒絶されても困るので別に足軽も突っ込むことはしない。
 しっかりとサルと触れとその本当の力を感じるのが必要だ。それに……
 
(呪いくらい防いでみせるさ)
 
 そんな意気込みも足軽にはあった。
 

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第二十三話Part5

2024-11-18 19:28:52 | 日記
「びっくりした。だってあんな姿だったなんて。びっくりした。私が触れたとき、この子達の思いが……歴史がはっきりと感じ取れたから。びっくりした、この子達はね……生きることを望んでるわけじゃないってことに……」
 
 静かにゆっくりと、夜のとばりに染みわたるように……そんな風におばあちゃんは言う。生きることを望んてるわけじゃない? じゃあなんでわざわざこんな屈強になってるの? と疑問に思う野々野足軽だ。ただゆっくりとした死を待つのなら、おばあちゃんがいってたスライムのような形態でただあればよかったんじゃないだろうか? そしたら別に誰かに観られたとしてもただ平べったくしてるのであれば、水たまりにでも思われるだけでスルーされるだろう。
 
「違うの……違うのよ足軽」
 
 足軽がゆっくりとした死について考えてるとさらにおばあちゃんは続けて言う。しかもなんか辛そうである。美人が夜の暗がりの中で辛そうな表情をしてると、なんか浮世離れ感がでてくる。それに今のおばあちゃんの格好はただ足軽が出した大きな白い布を羽織った状態。色々と森の奥深くではおかしな格好なのだ。だからなんだか現実味がなく見えてくるというか、端的に言うとその白い布を羽織ってるだけなのも相まって幽霊、みたいに見えたりね。
 それに暗がりに溶け込んでるサルたちは大体その獰猛な目からの光がぎらぎらと主張してるから余計に怖いというか? まるで女幽霊が従える怪物が背後にいるかのようである。
 
「この子達は自分たちでは消えるなんてできないの。この子達の力は、どんどんと強まってるのよ」
「強まってる?」
 
 そんな大きな力は感じないが? と思う野々野足軽だ。けどここで思い出す。力の質の違いというやつだ。風の子の時もあった力の質の違い。それによって感じれなかったりするんだ。なるべく偏見とか偏重とかせずに力を感じたいと野々野足軽だって思ってる。そうしないと危険だからだ。全くと言っていいほどに何も感じない相手が目の前にいたとしても、もしかしたらその存在は足軽とは全く別ベクトルの力だから感じないだけ……というのが起こりえるからだ。
 最近のは普通に力を感じることが出来てた。沢山の覚醒者が出現して、それは余すことなくきっと足軽は感じ取ること出来てる。だからこそ、その質の違いって奴が抜け落ちてたかもしれない。一応学習した違う力の質は既に感じ取れるようになってるが、質の違う力というのは根本的な所から違うから、事前にそれを感じ取れる手段なんてのはほぼないのが困る。ただ広く遠くまでアンテナを広げるしか現状はやりようはないのだ。それで少しでも何かを感じることが出来たなら、運がよかった……程度だ。
 
「そいつらは呪物なんだよね? つまりはそいつらに怨念とかそんなのが集まってきてしまってるって事?」
「そう、かもしれない。私にはよくわからないわ。でも、この子達は終らせたいの。だからこそ、その力を発散できる体を望んだ。私は願ったわ、この子達の願いをかなえてくださいって……そしたら、この子達はこの姿になったの」
 
 なる……ほど? 野々野足軽はおばあちゃんの発言を必死に理解しようと頑張ってる。
 

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 114

2024-11-18 19:22:38 | 日記
 私は鋭い武器を想像します。とりあえず鋭いと言ったらナイフとかです。私は剣とかよりも身近にあったナイフとかの方が鋭くて恐ろしい記憶があるのです。
 
 私の周りからはだいたい刃物……と呼べるものは排除されてましたからね。そんな生活の中で唯一の刃物がナイフとか包丁とかそんなのです。まあ包丁もほぼみたことないです。
 
 じゃあなんでナイフは見たことあるのか? というのは、ナイフは食事中のテーブルで何かをちょっと料理人が仕上げをするときとか、料理を切って広げる時とかには使ってたからです。
 なので鋭いナイフを私は想像して、そして――
 
 「ふっ!!」
 
 ――キィィィィィン! 甲高い音が響く。そして……腕に感じるしびれ。
 
(これじゃあだめですか)
 
 簡単に弾かれてしまいました。あんな硬いものに刃物がとおるなんて……そんな……そんな想像がしにくいのは確かです。私のそんな「ありえない」という部分がポニ子アーマーに迷いをあたえてるかもしれません。
 
(ポニポニ!)
「はい、そうですよね」
 
 私はポニ子ちゃんにそう答えます。ポニ子ちゃんは「頑張って」といってくれてました。そうですよね。ポニ子ちゃんはすでに私の為に色々と頑張ってくれてます。私の意思を汲んでくれて……色々とその体を変化させてくれてる。それがどれだけの負担をかけてるのか、私には全くわかりません。
 嬉しそうにしてくれてますけど、ありがとうの気持ちでいっぱい。私のために頑張ってくれてるポニ子ちゃん。私はそんなポニ子ちゃんを信じます!
 
「もっと、鋭くです!」
 
 私のイメージで刃物を再現したけど、私の世界はとても遅れてた事はわかってます。だから刃物といっても聖剣とかよりきっと切れ味は悪かったでしょう。
 勿論聖剣と同等なんてのはおこがましいでしょう。でも……私は可能な限り薄くしてみました。
 
「はあああああ!!」
 
 勇者様とアイ様の攻撃の合間に改良した刃物を差し込んでみます。けどパキッとあっけなく壊れました。どうやらうすすぎて強度がなかったみたいです。
 
むむむ、難しいですね。どうやらいつの間にか勇者様が聖剣を取り戻してます。きっと腕力では取り返せなかったから、一度収納したのではないでしょうか? 勇者様は聖剣はいつでもどこからでも便利に取り出せると言ってましたから。
 きっとそれを利用したのだと思います。
 
「ごめんなさい勇者様」
 
 私は先にそう謝りました。そしてポニ子ちゃんにお願いします。
 
「私はやっぱり刃物とかよくわかってない。だから、私が最高の一品だと思ってる聖剣を再現してください」
 
 私がそう言うと、重ねた手の先からプニプニとアーマーが蠢いていって、剣の形を再現してくれました。

ある日、超能力に目覚めた件 第二章 第二十三話Part4

2024-11-17 19:33:10 | 日記
「最初は声が聞こえたわ。どこかから聞こえる声」
 
 そんな風におばあちゃんは言う。けどそれを馬鹿にする気は足軽にはない。だって、力があるのならそういう事もありえるだろう。野々野足軽にだって時々どこかからか聞こえる声というのはあるのだ。でもおばあちゃんの場合、そこには因縁というか、縁というか……そんなのがあったみたいだ。
 
「実はね。子供のころもこの声は聞こえてたのよね。いつの間にかその声は聞こえなくなったけど、私が若返ってるとき、その声はまた聞こえてきたの」
 
 なんと……このサルは子供に向かって声を届けてた……という事なんだろうか? それだとやっぱりかなり悪質では? と野々野足軽は思ってきた。だって……だよ? このサルの元は呪物らしいのだ。それもいくつもの人、そしていくつもの村を滅ぼしてきたような凶悪な呪物だ。それ自体は別に望んでそうなったわけじゃないと、おばあちゃんの話で足軽だってわかってる。けど今の発言だとこの呪物は子供を狙ってたらしい。それは悪質だとおもうのだ。
 ただ感性とかが子供の方か鋭いから呪物も共鳴できるとわかってたりするのかも。やっぱり拾われたりしたのは子供が多かったのかもしれない。
 
「怪しいとか思わなかったの?」
「若返ることが出来るのよ? かつてわからなかった友達を救いたいって思うじゃない。声が聞こえるなんて若返ることに比べたら……ね」
 
 そういわれると足軽も「確かに」――と思える。だって若返えってるんだよ? いやおばあちゃんの若返りは「変化」の方が今のところは近いじゃないか? と思ってる足軽だが、そこら変はおばあちゃんは気にしてない。だから単純に若返る力とただどこからか聞こえる声……それを比べたら確かに声なんてそんなに恐怖を感じるようなことはないかもしれない。しかもおばあちゃんは昔にこの声を聴いてたのだ。ならば今なら応えることが出来るかもしれないと思うのも仕方ないと足軽も思う。
 
「それでおばあちゃんはこいつらの元だった呪物を見つけたの?」
「違うわ。この子たちは既に解放されてたもの。変な生物の目撃情報はちらほらあったのよね。でもその形は固定されてなかったわ。私が見つけたときはなんだかゼリーみたいだったわね」
「ゼリー……」
 
 モワモワと想像する足軽。その姿は棒国民的ゲームのスライムのようなそんな姿が思い浮かんだ。
 
「ゼリーみたいなのをこの姿にしたの?」
 
 もっと何かあったんじゃないか? と思わなくもない足軽だ。なぜにサル? もっと可愛らしい生き物なら、森の奥深くに住まなくても……と一瞬思った野々野足軽だが――
 
「そうだったこいつら呪物なのか……」
 
 それを踏まえると、下手に可愛らしい見た目にして人とかかわるとか、人間社会にいるというのはある意味で危険かもしれない。物理的に見た人が逃げていくような見た目なら、このサルたちの力……というかこの場合は「呪い」だろうか? それが発揮されることはないから合理的なのかもしれない。でもそれはおばあちゃんがそこまで考えてやったのか、それともこいつらが自身が望んだのか……それでさらに印象のプラマイが上下することになりそうだと足軽は思う。
 でも……おばあちゃんもサルたちもそんなことを考えるかな? と疑問を持つ足軽でもあった。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)盤上の迷宮航路にご招待 113

2024-11-17 19:27:04 | 日記
 私たちは三人で見事なコンビネーションを披露して攻撃をしました。それに……です。向こうの腕は一つが聖剣を掴んで抑え込むことで使用不可の状態なのですから、私達三人を撃退するのに腕は一本しか使用できないのです。物理的に足りないでしょう。きっとどれかは通る。私はそう思ってました。ですがどうやらあの腕は私の予想以上に強いみたいです。わっかを滑るように移動するそれはアイ様が放った光線を拳圧で押し返しました。そして私と勇者様の攻撃ですけど、どうやら私は眼中にないようです。私への……というかポニ子アーマーへは何も反応しませんでした。
 拳を作って殴りに行ったんですけど、さっき腕を軽く振るっただけで弾かれて粉砕されたから、「その程度」と学習されたみたいです。確かに私の力の出力ではあの腕に有効打を打つのは難しいでしょう。それはその通りです。
 そんなのはわかってる。わかってます! でもそれでもちょっとでも私に構うことでお二人の助けになるのなら!! その気持で諦めません。なので関係なく殴りかかりました。
 
 勇者様はその本領は聖剣とのシンクロであります。でも、勇者様は素手でもとてつもなく強いです。一番近いところにいる勇者様は一番近く……ようは自身の聖剣を掴んでる腕の手……それも指に向かってその肘をおろします。
 
 バキャン!!
 
  とかいう派手な音がきこえました。これは指の一本くらい折れてるでしょう。そう思うだけに十分な音でした。まるで自分自身にも痛覚が作用しそうな……そんな音でした。
 でも……
 
「くっ、どれだけ頑丈なんだ!」
 
 どうやら指を持っていくことはできなかったようです。勇者様もきっと遠慮なんてしてない全力だしたでしょう。なのに……破壊できてない。
 聖剣での攻撃はまだ攻撃が通ってました。でも素手ではさすがの勇者様でもあの腕に攻撃を通すことはできない? それって一体どれほど……少なくとも勇者様の直接的な攻撃でもだめと言うなら私なんて確かにアリンコみたいなものでしょう。事実私の攻撃は全く意に介してないです。
 
 けどここで思います。剣での攻撃は通ってました。もしかして刃物には弱くて、打撃には強い材質なのかもしれません。ポニ子ちゃんアーマーで打撃以外の攻撃ってしたこと無いですけど……このアーマーは変幻自在のハズ。ならば……私はポニ子ちゃんのこの鎧を鋭く研ぎ澄ますことにします。