『「食」に対する安全性への関心が高まる中で、大量の食品を確実に検査できる放射能量測定装置が求められています。現在、食品の放射能量測定は、対象となる食物の細部まで切り取り、サーベイメータで内部の放射能量を測定する前処理※1が必要なため、測定には多大な労力と時間がかかっています。また、抜き取り検査が一般的なため、全数の放射線量測定は、行われていませんでした。
今回発売する『食品放射能測定システム』は、高感度ガンマ線検出器を採用し、食品をダンボールなどの梱包状態のまま、ベルトコンベアに載せ、連続的かつ簡単に測定することができます。
放射性よう素及びセシウムについてもサーベイメータなどの検査方法に比べ、約12秒と短時間で設定した基準値以下であるか判別します。
本製品は、農作物の集配や配送など大量の食品を取り扱う分野に適しており、生産地の集配所や配送センターなどに販売する予定です。』
このシステムのポイントは、下記の3点です。
・段ボール箱にいれた梱包状態でそのまま測定できる。
・ベルトコンベアに乗せて、連続的に測定できる。
・1検体の測定時間がわずか12秒である。
肝心の検出感度ですが、HPには下記のように書いてあります。
肉類11.7kgで放射性セシウム(Cs-134+Cs-137)で140Bq/kgの検出限界値です。これは全数測定の12秒での測定ですが、精密測定で150秒(米類や葉菜類は120秒)では50Bq/kgの検出限界値になります。
精密測定での50Bq/kgの検出限界値ならば、「7/30 厚労省から、牛肉のセシウムのスクリーニング方法が発表になりました!」でご紹介した一次スクリーニングにも使えるかもしれません。
1検体(段ボール)12秒で測定できるとすると、サンプルの移動も含めて1分間に4検体、1時間で240検体(240箱)もさばけます。これでも、市場に出回る食料品のどれくらいを処理できるものか、私には見当もつかないのですが、この機械が1台430万円ということですが、多くの配送センターなどで導入してもらえれば全数検査に向けてかなりの進展が見られると思います。今期500台の売り上げを目標ということなので、値段が高額なこともあり、そんなに数多く売れるものではないのかもしれませんが、こういうものにこそ国が資金援助をして、お金がないけど解体というところに行き届くようにすればいいと思います。
やっぱり、こんなすばらしい技術を日本の会社は持っていたんですね!今日は久しぶりにいいニュースを聞いてうれしい限りです。
2011年12月25日付asahi.comより。
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201112250256.html
汚染米、カリウム濃度影響か 福島県と農水省が中間報告
福島県産のコメから国の暫定基準値(1キロあたり500ベクレル)を超える放射性セシウムが検出された問題で、県と農林水産省は25日、原因分析の中間報告をまとめた。基準超えのコメがとれた水田は、土のカリウム濃度が低かったり、浅い層にセシウムが多かったりといった傾向があった。カリウム肥料の少なさや深く耕せなかったことがコメのセシウム吸収につながった可能性が原因として考えられるとしている。
県などは、土質や栽培方法、水や周辺環境などが複合的にかかわったのが原因とみて、引き続き調べる。また、農水省はこれらの分析結果も参考に、来年度の作付けの基準を検討する。
県などは、基準超えのコメがとれた22カ所と、その周辺の基準以下のコメがとれた9カ所で田の土を採取。農家から与えた肥料の量を聞き取るなどした。
その結果、土の中に含まれるカリウムが少ないほど、コメに含まれるセシウムが多いとの関係がわかった。カリウムはセシウムの吸収を抑える効果があるとされる。基準超えの田のカリウム濃度は100グラムあたり6.7ミリグラムで、福島市の平均の3分の1程度だった。カリウム肥料が少ない分、セシウムを取り込みやすかったとみられる。
また、基準超えの田では、土の深い層に比べ浅い層でセシウムが多かった。地表から5センチまでの層は、5~15センチの層より平均3.6倍高かった。多くは山間部の狭い場所にあり、トラクターなどが入れず深く耕すことが難しかった。このため、イネの根の張り方が浅く、地表近くのセシウムを吸収しやすかった可能性がある。
また、山林をつたってきた沢水を引き込んだ田が多かった。県などは、玄米が育つ夏前後に、山林などからセシウムが流入した可能性があるとみている。
一方、基準超えの田の土に含まれるセシウムは1キロあたり2321~1万1660ベクレルと幅があり、土壌とコメのセシウム濃度に明確な関係はなかったという。(井上亮、木村俊介)
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今から,土壌にカリウム肥料を入れるなど、工夫をしてください。
日本人の主食はお米なのですから、日本で育ったお米を全て食べられるように(安心して買えるように)。