余録:ソ連軍の侵攻後、逃げ惑う満州開拓団の家族たち…
毎日新聞 2015年08月29日 00時10分
ソ連軍の侵攻後、逃げ惑う満州開拓団の家族たち。若い母親はこのままでは助けられないと悟ったのか、地面に赤ん坊を置く。親が去った後、泣き声に気づいた中国人女性が赤ん坊を見つけ、抱き上げる
▲26日に埼玉県所沢市で行われた中国帰国者戦後70周年記念公演会。永住帰国した中国残留孤児や家族らが自ら演じた新作劇「孤児の涙」の一場面だ。70年前、実際にもあっただろう光景に涙を浮かべる観衆もいた
▲1981年から99年まで実施された中国残留孤児の集団訪日調査を覚えている方も多いだろう。肉親捜しのドラマが繰り広げられ、メディアも大きく取り上げた。戦後世代にとっては死や別れが間近にある戦争の現実を知る貴重な機会にもなった
▲その後も調査は続けられ、総計2800人を超える孤児が見つかり、2500人以上が永住帰国したが、近年、その数は急減している。日本語や生活習慣の研修施設として84年に所沢に開設された「中国帰国者定着促進センター」も来年度から廃止される見通しだ
▲新たな課題が高齢化対策だ。「孤児の涙」を演じたメンバーが所属するNPO法人「中国帰国者・日中友好の会」の池田澄江理事長(71)は「私たちは皆70歳以上。将来の介護や住む場所が心配だ」と話す。言葉が壁になり、日本人向けの施設になじめない人も少なくない
▲「中国では日本人といじめられ、日本では言葉ができずに中国人と呼ばれた」。残留孤児からよく聞く言葉だ。国家と戦争に翻弄され、筆舌に尽くしがたいつらい半生を過ごした同胞だ。祖国での安寧な老後を手助けするのは日本社会の責任ではないか。
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つぶやき
満州からの引揚者の悲惨な史実はこれまで随分と本にもされ、語り継がれてきたように思う。私が最初に読んだ本は 藤原てい 著「流れる星は生きている」であった。 以来 さまざまな本に接してきた。日本政府の戦後処理はまだ終わっていないのでは?
ケント・ギルバートさんの韓国史観 : http://shuchi.php.co.jp/voice/detail/2330
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