座敷童子
学生時代3年一学期までは柔道部に在籍していた。
入学時の一年生の授業は大体3時ごろまでに終わる。
一年生のときは特に予習の必要は感じなかったので授業終了後の、その後は道場に行った。
そして集まっている少ない部員(殆ど1年生だ)同士で準備運動を兼ねた受身の練習から始める。
軽く道場を転がりバタン・バタンと転がり畳から埃が舞い上がる。
道場は120畳はあっただろうか?随分と広かった。
柔道道場の建物は工学部の教室から5~6分離れた近くにある木造の平屋の建物である。入り口を入ると真っ直ぐな幅9尺の中央の廊下で左右に部屋が分かれていて右が柔道場で左がフエンシングの道場(板の間)だった。
仕切りの壁はなくお互い練習中はその練習内容がまる見えだ。
それ故フェンシングの練習で片手を大きく上に上げて右手に細い西洋剣(セイヨウ・ツルギ=我々はそのように呼んでいた)を水平に持って横向きの中腰の姿勢の身体で腕を素早く出し剣を突いたり引いたりして身体を前後にすばやく動く動作は見ていて流石に反射神経は凄いと感心したものだ。
柔道部の練習が厳しくなるのは4時過ぎに主将や上級生が参加してからだ。
主将の「全員止め~!」で乱取りをしているみんなは主将の前に整列する。
主将は参加している部員を見ながら
「よし!これから兎跳び10周!」時には腕立て伏せもある。
「はじめ!」で全員道場の畳の外周りを両手を後ろにして座ったような中腰の姿勢で兎跳びでピョンピョンと跳ねながら道場の周りを回る。
これはキツイ!途中で転ぼうものなら容赦ない言葉が浴びせられる。
「何だ!そのざまは!」
「貴様は5周追加だ!」その内にあちこちで新入部員が転び始める。
それを待っていたかのように
「貴様も5周追加だ!」ついには新入部員全員が15周回ることになる。
流石に15周は辛い・・・。
15周なら20周としたいところだが主将も、そこらは心得ていたようだ。
15周でも最後の5周は膝が諤諤(カクガク)して太ももが痺れた感じがする。
回り終わったら新入生は仰向けにひっくり返りあがった息を整える。
頃合をみて主将から「整列!」と声がかかり数列に並び全員が受身の練習にはいる。
受身の練習が終わると乱取りに入る。
下級生は道場の壁際に座り上級生(2年生以上)の乱取りを見ている。
暫くして上級生から指名(?)された壁際の下級生が段取りに加わる。
我輩など、よく指名されて投げ飛ばされたものだ。
技を仕掛けられた時に無理に逆らわないで素直(?)に投げ飛ばされる所為だろう。
これは怪我をしないためでもある。
組み手の相手が無理な姿勢で技をかけた場合 頑張れば防げるが、相手の力が強く防ぎきれない時は骨折や捻挫をする。
この様なときは自分から相手の力を利用してすっ飛ぶのだ。このほうが安全だ。
然し中には寝技の得意な上級生もいて直ぐに寝技に持ち込まれる。
鼻が悪く臭いに鈍感な我輩と雖(イエド)も、この寝技に入った瞬間の猛烈な体臭?道着?には参ったものだ。
クサイとも言えず、押さえ込みに入られたときは直ぐにギブ・アップしたものだ。
そうすると相手にも分かるのか?1本取られた後でも
「おい!もう一本だ!」と来る。
2~3本取られたところで交代を願う。
低く平べったい我輩の鼻が凄い臭(ニオ)いで詰まりそうになるからだ。
なにせ息ができないくらいだった。
その上 鮭(サケ)ではあるまいし「鼻曲がり」になりそうだった。
道着を洗う時は、そいつの奴は思い切って踏んづけて洗ったものだ。
新入生はみんな同じ思いをしていたようだ。
夜6~7時ころ練習が終わり下級生が道場の掃除と上級生の道着の洗濯をする。
その後 帰路に着く。
以下明日です。
学生時代3年一学期までは柔道部に在籍していた。
入学時の一年生の授業は大体3時ごろまでに終わる。
一年生のときは特に予習の必要は感じなかったので授業終了後の、その後は道場に行った。
そして集まっている少ない部員(殆ど1年生だ)同士で準備運動を兼ねた受身の練習から始める。
軽く道場を転がりバタン・バタンと転がり畳から埃が舞い上がる。
道場は120畳はあっただろうか?随分と広かった。
柔道道場の建物は工学部の教室から5~6分離れた近くにある木造の平屋の建物である。入り口を入ると真っ直ぐな幅9尺の中央の廊下で左右に部屋が分かれていて右が柔道場で左がフエンシングの道場(板の間)だった。
仕切りの壁はなくお互い練習中はその練習内容がまる見えだ。
それ故フェンシングの練習で片手を大きく上に上げて右手に細い西洋剣(セイヨウ・ツルギ=我々はそのように呼んでいた)を水平に持って横向きの中腰の姿勢の身体で腕を素早く出し剣を突いたり引いたりして身体を前後にすばやく動く動作は見ていて流石に反射神経は凄いと感心したものだ。
柔道部の練習が厳しくなるのは4時過ぎに主将や上級生が参加してからだ。
主将の「全員止め~!」で乱取りをしているみんなは主将の前に整列する。
主将は参加している部員を見ながら
「よし!これから兎跳び10周!」時には腕立て伏せもある。
「はじめ!」で全員道場の畳の外周りを両手を後ろにして座ったような中腰の姿勢で兎跳びでピョンピョンと跳ねながら道場の周りを回る。
これはキツイ!途中で転ぼうものなら容赦ない言葉が浴びせられる。
「何だ!そのざまは!」
「貴様は5周追加だ!」その内にあちこちで新入部員が転び始める。
それを待っていたかのように
「貴様も5周追加だ!」ついには新入部員全員が15周回ることになる。
流石に15周は辛い・・・。
15周なら20周としたいところだが主将も、そこらは心得ていたようだ。
15周でも最後の5周は膝が諤諤(カクガク)して太ももが痺れた感じがする。
回り終わったら新入生は仰向けにひっくり返りあがった息を整える。
頃合をみて主将から「整列!」と声がかかり数列に並び全員が受身の練習にはいる。
受身の練習が終わると乱取りに入る。
下級生は道場の壁際に座り上級生(2年生以上)の乱取りを見ている。
暫くして上級生から指名(?)された壁際の下級生が段取りに加わる。
我輩など、よく指名されて投げ飛ばされたものだ。
技を仕掛けられた時に無理に逆らわないで素直(?)に投げ飛ばされる所為だろう。
これは怪我をしないためでもある。
組み手の相手が無理な姿勢で技をかけた場合 頑張れば防げるが、相手の力が強く防ぎきれない時は骨折や捻挫をする。
この様なときは自分から相手の力を利用してすっ飛ぶのだ。このほうが安全だ。
然し中には寝技の得意な上級生もいて直ぐに寝技に持ち込まれる。
鼻が悪く臭いに鈍感な我輩と雖(イエド)も、この寝技に入った瞬間の猛烈な体臭?道着?には参ったものだ。
クサイとも言えず、押さえ込みに入られたときは直ぐにギブ・アップしたものだ。
そうすると相手にも分かるのか?1本取られた後でも
「おい!もう一本だ!」と来る。
2~3本取られたところで交代を願う。
低く平べったい我輩の鼻が凄い臭(ニオ)いで詰まりそうになるからだ。
なにせ息ができないくらいだった。
その上 鮭(サケ)ではあるまいし「鼻曲がり」になりそうだった。
道着を洗う時は、そいつの奴は思い切って踏んづけて洗ったものだ。
新入生はみんな同じ思いをしていたようだ。
夜6~7時ころ練習が終わり下級生が道場の掃除と上級生の道着の洗濯をする。
その後 帰路に着く。
以下明日です。
しごきと喉の渇きは今思い出しても厳しいものでした。
昔も今も大変なのは変わらないんでしょうね。
匂いで一本取られるってのが笑えました。戦わずにして勝つ(笑)でしょうか。
その汗のお陰で体育の成績の「優」が一番星のごとく光っていました。
私はいい格好しいで立ち技ばかりでした。寝技は耳が潰れます。耳が蛸になりますね。寝技に入ると耳が畳と摺れて耳が千切れそうになります。
対外試合では先ず相手の耳を見たものです。蛸耳の相手だったらさっさと投げられました。(笑)
それはそうと、この値上げの時代に「薬」だけ値下がりですか?職人さんのブログを拝見して知りました。職人さんも大変ですね。ボーナス大丈夫ですか?(失礼)