探し物？

本を読みながら、ふと、明日の土曜日は病院に行かなくては？と思い立ち、保険証、診察券、予約表、などをカバンに入れとかなければ！と、何時も、それらを、ぶら下げている場所に取りにテーブルを立って行った。

手にした、保険証入れのビニール・ケースを何気なく開けて、おや？

保険証はあるが明日行く病院の肝心な診察券、予約表が一切入ってない。

はて？どうしたものか？と考えるが、思い当たらない。

先月の診察をして頂いて確かにこのケースに入れた筈だが？入っていない。

我輩が座っているテーブルの椅子の脇に我輩専用の小机が置いてある。

その引き出しを引いて中をガチャ・ガチャと探して見る。

見つからない！何処かに置いたことは確かだ！引き出しは５段ある。

最初に探したのは最上部の引き出しだ。

その下の引き出しをまた探す。

また、その下と探す。と、小さな鍵が見つかった。

電動自転車の鍵である。



電動自転車の鍵


電動自転車を購入した時に渡された２つの鍵のひとつで前に失くしたと思っていた鍵であった。

こんなところに置いていたのか～？と、早速ポケットに入れる。

すると、また、その引き出しの中に定期入れがあった。

何だ？と見ると、その中に数枚のＮＴＴのカードと診察券が入っていた。

まさか、こんな定期入れに？と診察券を見ると、過って沢山行った病院の一つのものである。

ああ　この病院にもお世話になったな～・・・・。

古い診察券を手にして暫し感慨に耽った。

引き出しの中は何時も物を出したり入れたりしている所為か、何時しか入れた（仕舞った？）ことを忘れる。

ハットとして、何故だか無意識のうちに次の下段の引き出しの中をガチャ・ガチャと探す。

キーホルダーがあった。



キーホルダーの中の丸い部分が回転する　（ビルはシカゴのタワー）

このキーホルダーはカミさんのお友達の方からＣＨＩＣＡＧＯに行かれたお土産に戴いたものである。

とても、いい品物で暫く車の鍵と共に使っていたが、我輩はよく持ち物をなくす。
自動車の鍵といえども過去に何度なくしたことか？

今、持ち歩いている鍵は何れもコピーである。

そこで車の鍵から外して仕舞ったのだ。ところが何処に仕舞ったかを忘れていた。

これは、これはと、改めてシッカリとしたところに入れておかねばと、これまたズボンのポケットに入れる。

最下段の引き出しを見る。

なんだか封筒があった。何かが入っていた。中には数枚の写真だ！

ねんりんピックの参加の記念写真だ。

アリャ！これもこんなところに・・・・。

テーブルの上に出して見る。

次から次にとなにやら出てくる。

それをテーブルの上に置く。

カミさんがテーブルの上に置かれた物を見て

「あんた、何をしているの？」

「うん　探し物だ」

「何を探しているの？」

「う～ん　？？？」瞬間、何をしていたか分からない。

我輩の返事など待っていられないらしい？

カミさんは、そう言って台所に行った。

何を探していたのだろう？

テーブルの上の品物を見たが思いださない。

ズボンのポケットが膨らんでいる。

そうだ。

ズボンのポケットに入れたのだ！ポケットから、中のものをテーブルに出す。

先ほどポケットに突っ込んだ鍵やらキーホルダー、やら、イロイロとあった。

中には引き出しを開けて見た瞬間コリャまずいと慌ててポケットに捻じ込んだ手紙？やら、なんやら？かんやら出てくる。

まずいものは早く処分しなければ？？？と、今度は手紙の類を手に持ち、あたりをキョロ・キョロ見回す。

破り捨てれば問題は無いが？なんだかそれも出来ない。

そうだ２階に持っていこう。

そう思いついたところで２階に上がり我輩の専用の箪笥の引き出しの中に秘密の書類は仕舞う。

我輩に若しものことがあればカミさんには

「２階の部屋の中のものは全てそのまま捨てるのだ！」とキツク言ってある。

然し、カミさんのことだ。

調べるかも？でも、アレだけ沢山のものをイチイチ中身を調べていては何年も掛かるだろう。

若しもカミさんの気に入らぬものが見つかっても既にだ・・・・。

その時には我輩はもう、この世にはいないのだから？いいか？

再び階下の居間に降りてテーブルに座るとテーブルの上には沢山の残骸（？）が在る。

なんで？テーブルの上のものを再び引き出しの中に無造作に仕舞う。

ところで一体全体、我輩は何を探していたのだろう？

まあ・・いいか？

我輩は再び読みかけの本を読み始めた。

台所から

「夕飯にするよ～・・・」と何故か物凄い大きなカミさんの声がした。