ふくろう親父の昔語り

地域の歴史とか、その時々の感想などを、書き続けてみたいと思います。
高知県の東のほうの物語です。

なはりG 地点

2010-05-05 16:18:30 | 昔話
加領郷漁港です。
写真を撮ろうとしたとき、偶然漁船が帰ってきてくれました。
動いているものが一つあると、画面がちょっと変わっていいですね。


 この場所を、なはりG 地点としました。ここはなかなかに歴史のある場所で、主として漁業を中心として生活を営んできた特異な場所でもあります。取材をしていると旧知の女性が、昭和9年の室戸台風の際には越波が激しくて、登録有形文化財に指定されている大西家に逃げ込んだこと等を話してくれました。その昭和9年の室戸台風は記録によると奈半利で死者6人、家屋流失100余、舟の流失73隻となっています。凄い数字です。堤防等の整備が不十分だったのでしょうが、海岸の生活は刺激的なのです。

 この加領郷という場所は、17世紀の当初、山内家が土佐支配を始めたころ、奈半利の人々が舟に乗って、燃料としての保佐を取りに来ていた場所だったのですが、時折魚群を見たことから、網を作り魚を獲りはじめたようで、加漁郷となり、加領郷と変化したらしい。
 この場所は、奈半利の初代の郷浦庄屋、濱田七郎右衛門の子孫濱田喜平次が天和元年(1681)に加領郷に移住し、さらにその子が加領郷浦支配となり、漁業権を獲得して漁業を行った事に始まるとされています。

 かつて日本の遠洋鰹・鮪漁業の先駆的役割を果たしてきた男達の基地です。
 沿岸漁業から遠洋漁業への転進をはたした、勇気ある男達の生活の場であったのです。

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