ふくろう親父の昔語り

地域の歴史とか、その時々の感想などを、書き続けてみたいと思います。
高知県の東のほうの物語です。

自転車事始

2011-08-12 21:03:40 | 昔話
 明治の時代の話です。
 奈半利川にまだ橋もかかって無うて、川を船で人や荷物を渡しよった頃のことです。
 奈半利の町中で繁華に商売をしよった包国可治(2代目)さんが、なにを思うた
かしらんけんど、自転車を買うてきて乗り始めたがです。みんなあ見たこともない
ような物やったし、乗り物やき、あちこちから見に来て、「おんちゃん。早よう乗らんろうか。」といって、乗るのを待ちゆう人がおったぐらいやった。その年、明治37年の暮、奈半利の片町から北川に行く9尺の郡道が出来たがです。それまでは町中には野根山街道しか広い道が無かったもので、それより広い道が出来て、みんなあが、喜んだそうです。




 「包国のおんちゃん」も、この右の道を自転車で走ったろうと思うね。その当時は当然,自動車はまだ一台も奈半利の町には入ってきてないがです。それからじきに畠中兼次郎さんと言う人も、包国さんに負けられんと思うたか、便利なもんやと思うたか、わからんけんど、自転車を買うてきて乗り始めたらしい。けんど、そのころ自転車はえらい高うて、なかなか買えるもんじゃあナカッタがです。

 ほとんどの人が歩きよったがです。高知へ行くにも普通は弁当を腰に付けて、脚袢にわらじがけ、丸一日かかったらしいがです。女の人や足の遅い人は赤岡で泊まっていったがです。2日もかかって高知へ行きよったがです。

今は、車で1時間30分もあったら着くけんどね。

それに、「広い道」って言うけんど、野根山街道も今行ったら狭い道ながです。

一回、奈半利に来てみたらいかがでしょうか。
高知県の田舎もなかなかいいもんです。

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