いい日旅立ち

日常のふとした気づき、温かいエピソードの紹介に努めます。

河野裕子と永田和宏の相聞歌

2019-05-03 22:26:15 | 思い出の詩


河野裕子が早逝したため、
河野裕子と永田和宏の相聞歌は、一方的に永田の歌の中に
読み込まれるようになった。
壮絶な闘病生活を送っていたため、河野が書き、
その歌を家族が口述筆記をしたこともある。
……

この人を殺して吾も死ぬべしと幾たび想ひ幾たび泣きし

河野の余命は、乳癌末期で、あと1年。
本人も医者も、永田も最期をいかに看取るか考えていた。
上の歌にもあるように、永田は、見送る悲しみ、
妻の死後のことまで想像し、悲しみにくれる。
「この人を殺して自分も楽になりたい」という思いは、常にあったろう。

……

生きてゆくとことんまでを生き抜いてそれから先は君に任せる
                          河野裕子
生き抜いてその後を我に負かすとぞ歌いしその後をいま生きており
                          永田和宏   
































短歌日誌①

2019-05-03 21:43:45 | 思い出の詩

短歌を作り始めて1年になる。
いつの間にか、250首詠んでいる。
うまいへたは別として、歌をつくって、心癒されることが多い。
……

赦したし障がいゆえの物言いに 思わず答へて錐でもまるる

涅槃にて睦びあうらむ父母と兄 遠いあの日の哀しみ超へて

たまきはるいのちのさきのたゆたいのむねのなかなるふゆのゆき雲

ひえびえと海の白浜よせる浜 吾妹ありせばなにをか言はん

「あいちゃん」とリアルの人に加ゑるにフェイスブックに「あいちゃん」ひとり



















短歌日誌①

2019-05-03 21:43:45 | 思い出の詩

短歌を作り始めて1年になる。
いつの間にか、250首詠んでいる。
うまいへたは別として、歌をつくって、心癒されることが多い。
……

赦したし障がいゆえの物言いに 思わず答へて錐でもまるる

涅槃にて睦びあうらむ父母と兄 遠いあの日の哀しみ超へて

たまきはるいのちのさきのたゆたいのむねのなかなるふゆのゆき雲

ひえびえと海の白浜よせる浜 吾妹ありせばなにをか言はん

「あいちゃん」とリアルの人に加ゑるにフェイスブックに「あいちゃん」ひとり



















対局日誌74~地域の宝との対局~

2019-05-03 20:12:23 | 思い出の詩


地域の公民館での対局。
相手は、H四段。
Hさんは、93歳、期歴85年。
今でも、バイクで移動される。
地域の有力者で、地元将棋界の宝である。
Hさんに、
「1局指そう」といわれただけで、
ありがたくて、舞い上がってしまうのだ。
それでいて、傲岸なところは、微塵もない。

1局、所望された。
ならば、と、相手得意の矢倉に飛び込む。

こちらは、得意戦法の変形右四間飛車で臨む。
しっかり組まれて、がっぷりよつ。
こちらは、78金、68銀、58金に69玉の形で対応。

34銀、44歩と攻め込んでいる。
相手は、飛車角交換を挑んでくる。
相手の狙いは、飛車角交換のあと、
39飛車で銀をただとりする狙い。
それを避けるため、43銀成と攻め込む。
攻撃が功を奏して、
115手目に飛車を切り、部分的な必至をかけた。
そこから、凄い将棋になった。

グングン攻めてくる相手に、
入玉を果たす。

このあたりから、
Hさんが本気になっているのがわかった。
5分、10分と、長考してから攻めてくる。

結果は、151手で私の勝ち。
帰ってから、最初から151手めまで、すべて並べてみた。
わたしの60年の棋歴のうち、
もっとも優れた名局となった。