私は、仏教の深い信仰者、というわけではないが、
高校のクラスメートが僧侶となり、
善き師に恵まれながら、
若くして病気で死んだ。
彼は、115首の短歌集(非売品)を残した。
友人から託されて、その歌集を持っている。
友人から、彼(三田和美君)の作品を広く知ってもらいたい、
という依頼があった。
長い間病に苦しみながら、
道を極めようとした三田和美君の和歌を紹介していく。
……
さわりなき道にてあればさわりすら悦びとなる眼力の中。
慈悲の親たのめばかなふと祈りしは昔のことぞたまはりし身は。
師の言葉に留め置かれしこころをばたどりてぞ読む確かめる味。