まずは今日はこのニュースに触れずにはおられませんので、べったりと貼り付けさせていただきます。
テニスに関心がない方、すみません。でもすごいことなんですよ~
本当にこの快挙はすばらしいことです。親愛なるロジャー、おめでとうございます。王座への帰還、待っていました。
斜陽と言われたフェデラーが聖地で示した“正しさ”=ウィンブルドンテニス (1/2)
2012年7月9日(月)
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/tennis/text/201207090007-spnavi.html
フェデラー、世界1位復帰 サンプラスに並ぶ286週
http://sportsnavi.yahoo.co.jp/tennis/headlines/20120709-00000034-kyodo_sp-spo.html
昨夜(8日夜から本日午前2時過ぎまで/中断抜きで)3時間半ほどの熱戦を制し、ロジャー・フェデラーがウインブルドン7回目の王者となりました。
これは首位タイとなる記録であり、またグランドスラム全体としては17勝目となり、自己の持つ記録を更新したことになります。
30歳にしてこの記録は大いに耳目を集めるべきニュースですが、あまり日本では報道されませんね(小さく扱われてはいますが)
しかし、フェデラーもここに至るまで決して平たんな道だったわけではありませんでした。現在では、プレイ中ポーカーフェイスと言われる彼ですが、
自身が語るように「一つ一つの試合の勝ち負けに一喜一憂していた」というのです。
また、彼はかつて非常に短気でした。暴言を吐いたこともありますし、ラケットをへし折ったこともたびたびあります。(ラケットへし折りはごくまれに
最近でも見られたことがありますが、暴言に関してはすっかり落ち着きました。マナーの悪い観客に向かって「Shut up!」と叫ぶことはありますが。)
そんな彼がなぜ情緒が安定し、冷静にプレイに臨めるようになったのか。
それは彼をサポートする体制が徐々に組まれていったことや、彼の経験の蓄積もありますが、私はやはり彼の夫人であるミルカさんの存在なくして
彼の軌跡は語れないと思います。
ミルカさんは、かつてフェデラーと同様にテニスプレイヤーでした。彼女はもう引退していますが、結婚する前おつきあいしている頃からフェデラーの
マネージャーとして陰になり日向になり彼をサポートしてきました。
2009年に二人は結婚し、その夏に双子の御嬢さんが誕生しましたが、それ以降本人が語るようにますます情緒が落ち着いているように見受けられます。
ファンの間ではよく知られた逸話ですが、試合解説のマッケンロー氏がフェデラーを絶賛していた際、ミルカさんはマッケンロー氏の側までやってきて
「あまり彼を誉めると調子に乗るからやめてほしい」と請うたそうです。
なかなかに厳しいマネジメントぶりですが、うまくフェデラーをコントロールしていることが伺われます。
そしてフェデラーはというと、そんな彼女(今は夫人ですが)に絶大の信頼と愛情を寄せており、公式サイトにもたびたびミルカさんが登場したり、また
仲良くツーショットに収まった写真も数多く公開されています。
彼の場合はオンオフ問わず、敏腕で愛情深い優秀なマネージャーがついていることも彼の地位を支える要因となっていると思います。
ましてや今は、かわいい盛りの双子の御嬢さんまでついているので、父親としてもますます力を発揮したいのでしょう。
一所懸命拍手する双子嬢に対し、慈愛あふれる笑みを送っていた姿が昨夜は印象的でした。
一方、準優勝に終わったアンディ・マレーですが、彼も終盤になるまではいいプレイをしていましたし、十分善戦していました。
かつて弱い弱いとそしられていた時よりもはるかに、メンタルコントロールをする力はついてきていたと思います。
その証拠に、何度もサービスゲームをブレイクされそうになっても奪い返していましたし、また逆に第一セットは彼が先取していました。
最終セットでは、疲労と集中力の低下もあり精彩を欠きましたが、彼が弱かったというよりはむしろフェデラーの試合巧者ぶりを誉めるべきでしょう。
センターコートの観客は、ほとんどが地元選手であるマレーの応援客でした。最終セットでのマレーコールは他に類を見ないほどの熱いものでした。
確かにそれはマレーが言うとおり彼の背中を押して勇気づけたかもしれませんが、しかしその反面大きな重圧として彼にのしかかっていたのではないでしょうか?
まして市長や若きプリンセス、そしてエリザベス女王陛下までご観戦となればいやがおうにも負けられないと思ったはずです。
そして周囲からの「相手はもう30歳だ。チャンスはあるぞ」の声。もちろんフェデラーのGS優勝はもう難しいと公言したマレーのコーチもそう言ったでしょう。
しかし期待と自負を抱いた分、彼が押されてゆくほどに必要以上のプレッシャーを感じてしまったのではないかと感じました。
ただ、彼はフェデラーも太鼓判を押すほど良い選手ですし、今回は彼の日ではなかっただけでしょう。マレーにもまだまだ、グランドスラムを制するチャンスは
訪れるものと私も信じています。
テニスだけでなく、あらゆるスポーツにおいてメンタルは非常に大きなウエイトを占めます。技術だけでは語れない、非常に重要な要素です。
フィギュアスケートにおいても、メンタルコーチやアドバイザーを身近につけるという話は珍しくはありません。
一般人においてさえ、そもそも人とは一人では生きられない弱い存在です。
その前提を熟知した上で、いかに自分と対峙しメンタルコントロールするのか。これは技術を磨くことと同じくらい重要と言っても過言ではないと考えます。
身近なコーチや親しい間柄にもうまく自分の不安や不満をコントロールする術をアドバイスしてもらうのが難しいのであれば、場合によってはスポーツドクターや
メンタルクリニックに自ら出向くなり、あるいは自分のために迎え入れるなりすることは、競技人生だけでなくその後の人生をも穏やかに過ごす手がかりと
なるのではないかと思います。
もちろん自らの力で切り開こうとする意欲も大いに重要ですけどね。(これはアスリートも一般人も同様ですが)