歌うように語ろう

観劇や観戦(主にフィギュアスケート)等について語るブログです
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五輪とナショナリズム

2012年08月11日 | スポーツ全般

まずはこのニュースからご紹介しておきましょう。全くモラルやルールをわきまえない国にはあきれますね。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120811-00000580-san-int

サッカー男子3位決定戦後の韓国選手および監督(!)の竹島(他に呼称がありましたっけ!?はて…)に対する領土主張問題で

IOCが調査を始めました。

IOC役員には韓国人もいますので、いろいろ工作したり抵抗することが予想されますが、速やかに処分(しかもなるべく重い)されることを

望みます。

 

それにしても、各競技において異議申し立てや確認のシステムが見られ少しはましな五輪が見られるかと思いきや、全くもって

不手際や誤審が多い残念五輪に終わりそうです。

その最後を締めくくるのが隣国としたらなんともはやですが、いずれにせよ「審判も人間だから云々」「ボランティアだったから以下略」などと

言い訳は通用しません。

五輪は4年に一度(夏と冬それぞれにおいて)しかない、国旗を背負った代替えのない大会です。

本来なら万に一つの間違いがあってもいけないのです。ましてや一国だけ開会式で排除などもってのほか。

後々までそのお粗末さは語り継がれることでしょう。

これが日本だったからあまり騒ぎにならなかったのであって、違う国なら国家元首も巻き込んだ騒ぎになったかもしれません。

 

良きにつけ悪しきにつけ、五輪とは各国それぞれ温度差はあれど、ナショナリズムを最も高揚させるイベントです。

むろん冒頭記載のような五輪憲章違反の行為は許されませんが、参加国や選手の愛国心や自尊心を傷つけるようなことなどないように、

ホスト国にはもっと細心の注意を払い運営してもらいたいものです。

…それにしても、イギリスはもっと紳士的な国かと思っておりましたが、そうでもないようですね。体操やテニスの決勝での観客のマナーの悪さに

従来イギリス好きだった心境が揺らぎかけたことも併せて記しておきたいと思います。

もちろん観客は英国人だけではないことは百も承知の上ですが、英国旗を振りフェイスペインティングするのはほとんど英国人でしょうから…。


スポーツにおいて果たして「公正」は普遍的概念なのか?

2012年07月27日 | スポーツ全般

間もなくロンドン五輪が正式に開幕しますね。

先陣を切って、サッカーなど一部競技では予選が始まっていますが、夏の五輪は冬季五輪よりも競技数も多く参加国も多いので、

比較的派手な印象を覚えます。

 

それはさておき、日頃フィギュア(や観劇)メインで記事を書いていますが、家族の付き合いで昨夜サッカーを観ていた時にふと

思ったことがあります。

 

「果たしてスポーツにおいて平等で公正であるということは普遍的なのか」

 

残念ながら、答えはNoだと私は考えています。これはフィギュアに限ったことではなく(特にフィギュアに関しては、とっくに

一般の方々にもおかしいということはつとに知れ渡っていますが…いまだに審判万歳の人が生息しているんですよね。

絶滅危惧種なんじゃないかと思ったり思わなかったり)他の採点競技ではない競技においても、程度の多寡は違いますが

必ず公正に審判されるわけではありません。

 

なるほど、審判も「人間」ですから間違いを起こさないとは言えません。故意ではなく、見落としや見逃しなどが起こるのは

致し方ない部分もあるでしょう。

しかしここで重要なのが、選手側から異議申し立てをする権利やチャンスを認められているか否かです。

 

五輪ではありませんが、体操男子において内村選手の技が回転とひねりを正確に判定されず、十分な採点がなされぬまま

終わりかけたことがつい最近ありました。

この時は日本の体操連盟サイドが迅速に抗議し、吟味の上採点の修正がなされたので事なきを得ましたが、このように

的確かつ迅速な働きかけが無かったら、おそらくは選手の泣き寝入りで終わっていたことでしょう。

勝ち負けだけでなく、正確に評価がなされるべきなのですが、競技によってはそのシステムに著しい瑕疵(かし)があるのが

現実ではないでしょうか?

 

他にも、こちらは今月決勝があったばかりのテニス全英OPですが、TV観戦でもわかるほどのあやしい判定がありました。

テニスではいわゆる「チャレンジシステム」(通称ホークアイ)というシステムがありますが、これは全ツアーで導入されている

わけではありませんし、またチャレンジを申請できる回数も限定されています(セット毎に3回まで。ただし成功したら回数は減らない)。

そしてここからが重要なのですが、プレー中のVTRが再生されるわけではなく、コンピューター処理された画像が再生されます。

まあ、いつチャレンジされるかわからないですからいちいち改ざんされることもそんな時間的余裕もないでしょうが、たとえば

フィギュアのようなストロボビジョン(これは最近めっきり見かけなくなりましたね。よほどジャッジにとって都合が悪かったのでしょう(笑))

のようなスローで映像そのものをリプレイするのとはちょっと異なります。

 

タイムを競う競技では非常にクリアに結果が出ますが、そういった競技ばかりではありませんし、どちらかというと灰色決着でもやもやとする

競技の方が残念ながら色々見受けられます。

 

誤審や手違いを排除するのが不可能であれば、せめて選手が納得できないまま大会を終えることのないように。

著しくおかしな判定により不利益を被った選手が異議を申し立てられるように(制度上のみならず、無言の圧力などかからないように)

あらゆるアスリートが自らの競技(演技)のみに集中できる環境が整えられるようになればと願ってやみません。

 

……ま、残念ながらほとんど夢と言うに等しい願いであることは承知しておりますが。誠に忸怩たる思いです。


アスリートとメンタルコントロール

2012年07月09日 | スポーツ全般

まずは今日はこのニュースに触れずにはおられませんので、べったりと貼り付けさせていただきます。

テニスに関心がない方、すみません。でもすごいことなんですよ~

本当にこの快挙はすばらしいことです。親愛なるロジャー、おめでとうございます。王座への帰還、待っていました。

 

斜陽と言われたフェデラーが聖地で示した“正しさ”=ウィンブルドンテニス (1/2)

2012年7月9日(月)

http://sportsnavi.yahoo.co.jp/tennis/text/201207090007-spnavi.html


フェデラー、世界1位復帰 サンプラスに並ぶ286週

http://sportsnavi.yahoo.co.jp/tennis/headlines/20120709-00000034-kyodo_sp-spo.html

 

昨夜(8日夜から本日午前2時過ぎまで/中断抜きで)3時間半ほどの熱戦を制し、ロジャー・フェデラーがウインブルドン7回目の王者となりました。

これは首位タイとなる記録であり、またグランドスラム全体としては17勝目となり、自己の持つ記録を更新したことになります。

30歳にしてこの記録は大いに耳目を集めるべきニュースですが、あまり日本では報道されませんね(小さく扱われてはいますが)

 

しかし、フェデラーもここに至るまで決して平たんな道だったわけではありませんでした。現在では、プレイ中ポーカーフェイスと言われる彼ですが、

自身が語るように「一つ一つの試合の勝ち負けに一喜一憂していた」というのです。

また、彼はかつて非常に短気でした。暴言を吐いたこともありますし、ラケットをへし折ったこともたびたびあります。(ラケットへし折りはごくまれに

最近でも見られたことがありますが、暴言に関してはすっかり落ち着きました。マナーの悪い観客に向かって「Shut up!」と叫ぶことはありますが。)

 

そんな彼がなぜ情緒が安定し、冷静にプレイに臨めるようになったのか。

それは彼をサポートする体制が徐々に組まれていったことや、彼の経験の蓄積もありますが、私はやはり彼の夫人であるミルカさんの存在なくして

彼の軌跡は語れないと思います。

 

ミルカさんは、かつてフェデラーと同様にテニスプレイヤーでした。彼女はもう引退していますが、結婚する前おつきあいしている頃からフェデラーの

マネージャーとして陰になり日向になり彼をサポートしてきました。

2009年に二人は結婚し、その夏に双子の御嬢さんが誕生しましたが、それ以降本人が語るようにますます情緒が落ち着いているように見受けられます。

 

ファンの間ではよく知られた逸話ですが、試合解説のマッケンロー氏がフェデラーを絶賛していた際、ミルカさんはマッケンロー氏の側までやってきて

「あまり彼を誉めると調子に乗るからやめてほしい」と請うたそうです。

なかなかに厳しいマネジメントぶりですが、うまくフェデラーをコントロールしていることが伺われます。

 

そしてフェデラーはというと、そんな彼女(今は夫人ですが)に絶大の信頼と愛情を寄せており、公式サイトにもたびたびミルカさんが登場したり、また

仲良くツーショットに収まった写真も数多く公開されています。

彼の場合はオンオフ問わず、敏腕で愛情深い優秀なマネージャーがついていることも彼の地位を支える要因となっていると思います。

ましてや今は、かわいい盛りの双子の御嬢さんまでついているので、父親としてもますます力を発揮したいのでしょう。

一所懸命拍手する双子嬢に対し、慈愛あふれる笑みを送っていた姿が昨夜は印象的でした。

 

一方、準優勝に終わったアンディ・マレーですが、彼も終盤になるまではいいプレイをしていましたし、十分善戦していました。

かつて弱い弱いとそしられていた時よりもはるかに、メンタルコントロールをする力はついてきていたと思います。

その証拠に、何度もサービスゲームをブレイクされそうになっても奪い返していましたし、また逆に第一セットは彼が先取していました。

最終セットでは、疲労と集中力の低下もあり精彩を欠きましたが、彼が弱かったというよりはむしろフェデラーの試合巧者ぶりを誉めるべきでしょう。

 

センターコートの観客は、ほとんどが地元選手であるマレーの応援客でした。最終セットでのマレーコールは他に類を見ないほどの熱いものでした。

確かにそれはマレーが言うとおり彼の背中を押して勇気づけたかもしれませんが、しかしその反面大きな重圧として彼にのしかかっていたのではないでしょうか?

まして市長や若きプリンセス、そしてエリザベス女王陛下までご観戦となればいやがおうにも負けられないと思ったはずです。

そして周囲からの「相手はもう30歳だ。チャンスはあるぞ」の声。もちろんフェデラーのGS優勝はもう難しいと公言したマレーのコーチもそう言ったでしょう。

しかし期待と自負を抱いた分、彼が押されてゆくほどに必要以上のプレッシャーを感じてしまったのではないかと感じました。

ただ、彼はフェデラーも太鼓判を押すほど良い選手ですし、今回は彼の日ではなかっただけでしょう。マレーにもまだまだ、グランドスラムを制するチャンスは

訪れるものと私も信じています。

 

テニスだけでなく、あらゆるスポーツにおいてメンタルは非常に大きなウエイトを占めます。技術だけでは語れない、非常に重要な要素です。

フィギュアスケートにおいても、メンタルコーチやアドバイザーを身近につけるという話は珍しくはありません。

一般人においてさえ、そもそも人とは一人では生きられない弱い存在です。

その前提を熟知した上で、いかに自分と対峙しメンタルコントロールするのか。これは技術を磨くことと同じくらい重要と言っても過言ではないと考えます。

 

身近なコーチや親しい間柄にもうまく自分の不安や不満をコントロールする術をアドバイスしてもらうのが難しいのであれば、場合によってはスポーツドクターや

メンタルクリニックに自ら出向くなり、あるいは自分のために迎え入れるなりすることは、競技人生だけでなくその後の人生をも穏やかに過ごす手がかりと

なるのではないかと思います。

もちろん自らの力で切り開こうとする意欲も大いに重要ですけどね。(これはアスリートも一般人も同様ですが)


変革を恐れぬ勇気

2012年06月10日 | スポーツ全般

全仏OPテニスでは、女子シングルスにおいてマリア・シャラポワが優勝し生涯グランドスラムを達成しました。

女子では史上10人目の達成となります。

個人的にシャラポワはそれほど好きではないのですが(あの雄叫びさえやめてくれればいいんですが、まあ仕方ないんでしょうね)

彼女の怪我からの復帰や、今日までの道のりは素直に賞賛に値すると思っています。

 

どちらかといえば、テニスでは男子シングルスに注目しているので彼女のコーチやトレーナーについてはよく知らなかったのですが、

興味深い記事を読みましたのでご紹介します。

http://sportsnavi.yahoo.co.jp/tennis/grandslam/french/2012/text/201206090003-spnavi.html

現在の彼女のトレーナーは日本人のようですね。ちなみに彼女は浅田真央選手やジョアニー・ロシェットさんと同じくIMG所属です。

 

あと、もう数年前のことですが彼女がけがする前絶好調だったとき、友人のランキングが彼女よりかなり下の選手だったことを誰かに指摘され、

「友人であることにランキングなど関係ない」と激怒したことを覚えています。

日本には東レPPOなど、試合には来るもののあまり親日的なイメージはない人ですが、アスリートとしての心意気や人としての誠実さは

評価すべき方のようですね。

 

この優勝を待たずして、彼女はWTAランキング1位に返り咲きを果たしました。

一時は100位以下に沈んでも再びよみがえった彼女の姿は、他のアスリートはもちろん多くの人々に勇気を与えてくれることでしょう。

 

余談扱いにして恐縮ですが、日本の国枝選手がシングルスでは準優勝、ダブルスでは三連覇を果たしました。

彼もまたグランドスラマーです。

日本でももっと、パラリンピックやメジャーでなくても頑張っている選手たちを紹介し讃えてほしいものだと思います。


国籍問題について

2012年05月17日 | スポーツ全般

今年はオリンピックイヤーであり、また同時に二方面でニュースになっておりましたので、国籍問題について少々思うところを書き綴ってみたいと思います。

まずはフィギュアサイドでのニュースソース。2日前でちょっと古いですが…

http://sportsnavi.yahoo.co.jp/winter/skate/figure/headlines/20120515-00000044-kyodo_sp-spo.html

 

予想した通り、行政の判断はNoでした。

誤解のないように申しておきますが、マービン・トラン選手の日本国籍に私は反対しておりませんし、むしろ彼らがジュニアの頃から応援しておりますので

取れるならば日本国籍でと私も思います。

ただ、日本のお役所は非常に頭が固いですから、そう簡単にOKは出さないだろうなと推測していただけの話です。

いずれにしても、日本スケート連盟も動くなら数年早く動くべきだっただろうと思います。いくら今まで日本代表として国際大会に出ていたとはいえ、

過去に川口選手や井上選手が苦労して国外に渡ったことくらい承知しているかと思っていましたが、どうにも腰が重いですね。

しかし過去には10年もの長きにわたり、日本を拠点に競技に身を置いてきたにもかかわらず日本国籍取得が却下された例もあるので(サッカー)

時間をかけてもやはりマービン・トラン選手の日本国籍取得は現実的には難しいでしょう。大変残念ですが。

いずれにしても、一番尊重され配慮されるべきはトラン選手の意思なので、いたずらにトラン選手や高橋選手を連盟が振り回すようなことだけは

回避してほしいものです。

 

しかし、国籍さえ取れれば後は問題なしというわけでもないのは猫ひろしさんの例を見ればわかるとおり。

彼とマービン・トラン選手とでは条件が異なりますが、いずれにしても拠点を国籍変更する国に移して一定期間は必ず求められるのは

道理かと思います。

ただ、日本の場合はペアの選手たちが十分な練習をこなしていけるだけの環境がないのもまた事実。それどころか、シングルの選手さえ

場合によってはリンク難民になる有様です。

このような状況で結果を出し続ける日本の選手たちには本当に頭が下がりますが、だからといってスケート連盟がそれに甘んじていてはいけないのでは

ないでしょうか? 優れた選手育成(シングルに限らず)のためには環境整備は最低条件であろうと考えます。

ペアやアイスダンスはリフトなどの技の性質から、男女の体格差も求められますので(つまり体格の良い男子選手が待たれる)日本での男子スケート選手の

様子を見ると、なかなか厳しいようにも思えます。ロシアのように国(連盟)がペア、アイスダンス、シングルと区分に口出しするわけではないですし、何より

選手本人の意思が尊重されるべきなのは言うまでもありません。

ただ、現状では川口選手、井上選手、そして高橋選手(彼女の場合はお父様の仕事の関係でずっと海外在住ですので、若干条件は違いますが)のように

ペアをやりたかったら自国外の選手からパートナーを探さなければならないというのも一苦労であろうと察せられます。

 

フィギュアにおいてはパートナー選びと国籍問題、この二重苦がペアとアイスダンスの選手にはつきまといがちなのが今後も憂慮されそうです。

ただし、優れたアスリートなど一定の条件を満たした場合を除いては日本国籍の付与は乱発していいのか疑問もありますし、いずれにしても

今後も根の引く問題のまま宿題となって残りそうな気がします。

 

日本に限らず、国籍は一度変えたらそう簡単に元に戻すというわけにはいきません。国家間で二重国籍を認める場合はともかく、選手の将来(引退後の人生も含め)を

熟慮した上で各国競技連盟や国際競技連盟も対応してもらいたいものです。

特に日本スケート連盟(と平松氏)においては団体戦になぜか非常なる思い入れがあるようですが、その為にトラン選手の将来をおざなりにすることのないよう、

強く願う次第です。