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2012-2013シーズンのまとめと五輪シーズンへの展望(男女シングル編)

2013年06月01日 | フィギュアスケート

前回エントリーからかなり時間が空いてしまいましたが、男女シングルについても上位陣についてまとめと私的展望を

語ってみたいと思います。

まずは男子から、選手ごとに今季の傾向と所見、そして来季の展望という流れで参ります。

 

(羽生結弦選手)

*SPで顕著だが、特に前半から安定した好演が続いたためPCSも安定して高めに出た。

 4Tの確率は高いが、3Lzが不安定なのが懸念事項に見受けられる。演技後半のスタミナ問題は少しずつ改善されつつ

あるのではなかろうか?

 4Sに関してはもう少しだと思われるので、とにかく実戦練習あるのみかと。ソチに間に合うかはわからないが、

技術的に大きな問題点はあまり見受けられない。むしろ、怪我や体調不良などのコンディション調整が彼の場合最大の

問題点であろう。

 怪我やぜんそくなどの大きな体調不良さえ抑えられれば、五輪でも活躍は期待できるのでは?うまくいけば

表彰台も夢ではない。十分可能性はあるだろう。

 ただ、日本スケ連が二枚看板で行くのかあるいは高橋羽生両選手のどちらかにプッシュを絞るのかによって

展開は大きく違ってくる。

 いずれにしてもスケ連には多くを期待できないであろうことは賛同いただける方の方が多いかと考える。

 

(高橋大輔選手)

*シーズン前半も必ずしも絶好調ではなかったが、後半の失速がかなり懸念される。

まずは4Tの成功確率の低さ、また3Aも必ずしも確率が高くないことでTESが十分稼げないのが痛い。

シーズン途中からのSP変更など、試行錯誤の後は見受けられるがまずは現状の男子トップ陣においては

4Tを最低でも1回(できれば2回)はクリアに決めたいところだろう。現状は正直厳しいように見受けられる。

逆にスピンなど他のエレメンツではあまり心配はしていないが、しいて言うなら体力が落ち始めているのではないかと

いう懸念も否めない。もしこれが私の見当違いならばよいのだが、事実ならば再び表彰台は厳しいかもしれない。

いずれにしても本人が納得できる有終の美を飾って欲しい。

 

(ハビエル・フェルナンデス選手)

*2種の4回転を武器に調子がどんどん上がってきているように見受けられる。なかなかミスなしでまとめられることが

少なく、崩れるときは豪快だったので昨季まではどうかと思ったが、今季は波はあっても大きく沈むこともなく、4Sの確率も悪くない。

3Aもほぼ決められるのでTESでの点数獲得は大きな武器だろう。あとは更なるブラッシュアップをはかれば、欧州選手権覇者として

ソチの表彰台の一隅を占めることも現実的なこととして考えられそうだ。

 

(パトリック・チャン選手)

*2012-2013シーズンは不安定気味ではあったが、更なる伸び幅として表現力に磨きをかけようとした過程におけるやむなき

ステップだったのかもしれない。

とはいえ、クリスティコーチと決別して以降4Tはそこそこの確率で決めるものの、3Aは依然として不安定で3Lzも怪しくなっているのは

不安定要素ではある。

2013ワールドでは辛くも逃げきって連覇を果たしたが、現状では他の選手との差はあまりなくなってきているように思える。

ソチでは表彰台を逃す確率はまずなさそうだが、ミスの多さによっては金を逃す可能性もありうると見る。

五輪シーズンには今季のプロを片方持ち越しと聞くので、とにかくミスを抑えて先行逃げ切りを狙う戦略と推測する。

 

 

以下は女子。

(浅田真央選手)

*ジャンプのみならずスケーティングまで含めた抜本的見直しはここに来て仕上げの段階に入って定着しつつある、そう実感させる

シーズンだったと思われる。6戦5勝は堂々たる結果だ。

しかし3Fや3Lo(2Lo)が回転不足を取られやすいことなど課題ももちろんある。だが、総合力について抜群の強さもあり、後は

腰痛が悪化しないことなど体調管理とピーク調整さえできれば心配はないだろう。

集大成のシーズンとして、ジャンプ構成を今後はいじらずひたすら滑り込んでいくのではないだろうか。ここ数年、2月の戦績及び内容が

良いので、ソチでは期待したい。

 

(村上佳菜子選手)

*序盤は昨季の不調を引きずり気味に見えたが、シーズン後半に向けしり上がりに調子がよくなっていったのが今後を期待させる材料になった。

そろそろ体型変化も落ち着きつつあるのではないだろうか? 

相変わらず2Aの抜け癖が直らないが、他にはスピンも安定して得点できており、序盤はその斬新さから心配されたSPでのステップから始まる

演技も後半に連れてまとめていったところを見ても五輪シーズンは更なる安定も期待できそうである。3連続がほとんどミスなしなのもよい。

本当にアクセルと仲良くできればさらに一歩前進できそうだ。ソチにはまず行けるだろうし、入賞も期待できるのではないだろうか。

 

(鈴木明子選手)

*国内では評価が高いが、海外の国際試合ではあまり評価は高くない。特にPCSを見比べれば顕著である。

 3LZが不安定だが、3Fも不安定でFSにミスが多く弱いのが気にかかる。ことにシーズン後半の出来がよくなかったのが懸念事項だ。

 年齢的にもそろそろ厳しくなってくる頃なので、技術面もだが体力面が心配である。エッジはルッツフリップともフラット傾向にあるので、

 コーラーによってはまた両方でeの可能性もある。

 彼女も五輪シーズンが集大成とのことなので、最後に納得の演技で〆られることを祈る。

 

(アシュリーワグナー選手)

*全米を2連覇し、GPシリーズでも2勝するなど今季も安定した結果を出せたが、難易度はプレシーズンにも上げられないままだった。

セカンド3Tはおそらく断念して五輪に挑むのではないだろうか。ソチで表彰台は厳しいかもしれないが、出場すれば入賞は固そうだ。

彼女についてはソチ五輪後の去就は不明だが、ゴールド選手など国内の若手の台頭の中でも切磋琢磨して健闘してもらいたい。

 

(アデリナ・ソトニコワ選手)

*昨季よりは安定に向かいつつある萌芽がみられたシーズンだったように思う。エッジ矯正をしたのか、今度は3Fが不安定なのが

懸念事項か。ロシアの連盟は彼女を押したい意向がずっと見えるが、ジャッジは今一つ評価を渋っているようだ。カナダやドイツの

嗜好とは外れることもあるのだろうか。

良い選手であることに疑いの余地はないが、プレシーズンに結果を残せなかった前提条件を鑑みるに、地元ソチでのメダル獲得は

極めて困難だろう。むしろ次のピョンチャン五輪ごろにはトップ選手に成長しそうな大器と思われる。2014-2015以降の活躍に

大いに期待したい。むろん前倒しで活躍でも大いに結構なので注目したい選手の一人だ。

 

(カロリナ・コストナー選手)

*今季は出場試合が少なかったが、転倒の確率が異様に高かった。以前から転倒しやすい選手だったが、ジャンプ構成を下げても

まだ転倒は避けられないことが多い。スケーティングなど素晴らしいものを持ってはいるが、PCSなどかなり高いなと感じた。

今季の結果から見ても、救済しようのない崩れ方でもしない限り彼女はソチで初めてのオリンピックメダルを獲得しそうな気配ではある。

 

(キム・ヨナ選手)

*彼女については何をやっても高得点が出る傾向にあるので、ソチでもメダルはすでに織り込み済みだろうと思われる。

正直、彼女を賞賛する一番の売りとして言われる「表現力」はFSのレ・ミゼラブルを見てもさっぱり不明だが(ミュージカルの

レミゼは何度か観たが、あれがコゼットとは言われるまで全くわからなかった。聞いてもどの辺がコゼットか不明のままだが)

いろんな意味で別枠の選手らしいのでその演技内容については好悪の域を超えて語るべきものがない。

 

 

以上、男女とも特に有力選手(?)のみピックアップして今期から来期への展望を語りましたが、むろんこの他の選手たちの活躍にも大いに期待したい

と思います。

バンクーバー五輪以降も引退せずに活躍してきた選手が多かっただけに、ソチ五輪を機に引退する選手が多くなりそうです。だからこそ、それぞれの

選手にとってのベストが五輪に来るように、彼らが笑顔でリンクから降りられるように願ってやみません。

そして、正当かつなるべく多くのファンが納得できるジャッジングを強く望みたいと思います。

 

 

以上。


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