年末年始のバタバタで、なかなか読めていなかったワールドフィギュアスケート(以下WFS)51号に、2ページを費やして浅田選手のご母堂ご逝去の記事と浅田姉妹のコメント、そしてジョアニー・ロシェットさんからのメッセージとライター田村明子氏のコメントが掲載されていました。ロシェットさんのメッセージは英語→独自和訳で一部紹介されているブロガーさんもあったようですが、田村氏による和訳も読みやすいのでロシェットさんのコメントのみ転記します。なお、文面から見るに、浅田選手が全日本参加表明前に発表したもののようです。
「悲しみというのは強烈な体験ですが、人がそれを乗り越える力もまた強いものです。真央とこれまで同じ大会で競ってきて、彼女がどれほど強い人か私にはよくわかっています。
彼女のことは、スケーターとして、競技者として、そして人間としていつも尊敬していました。2011年の夏に津波の被災者のために行われた八戸でのチャリティーショーに招かれたとき、彼女はとても心の広い人間であることを実感しました。
バンクーバーで私が母を失ったとき、スケート関係者とファンの方々が私を支えてくれました。ある意味で、私の人生にはスケートという、愛するものがあったことがすごくラッキーだったと思っています。
私のスケートの夢は母といつも共有していたものだったので、氷の上に出るたびに彼女のことを思い出します。でもその一方で、このような出来事に遭遇すると、スケートは単なるスポーツなのだということを再認識するという一面もあります。
真央がこれから何をしたいにしても、人はそれぞれ悲しみの表現の仕方が違うことを私たちは忘れてはなりません。
彼女が立ち直るまで必要な時間とプライバシーをきちんと確保できますように。そして私から、彼女へ愛とサポートを送ります。」
皆様ご存じのとおり、ロシェットさんはバンクーバー五輪のわずか2日前にお母様を亡くされています。ご臨終に間に合わなかったことといい、浅田選手の心境をより深く理解できる人のうちの一人であることは間違いないでしょう。後半の二行に、ロシェットさんの浅田選手に対する深い思いやりといたわりが込められていることがよくわかります。
残念ながら、異国の地で心配する彼女の思いを踏みにじるように、浅田選手への心無いバッシングや行き過ぎたプライバシー侵害をしながらの報道は後を絶ちません。それでもなお、浅田選手が気力を振り絞って全日本で女王に返り咲いたのはすでに皆様ご存じのとおり。
浅田選手を取り巻くのは心無い悪意ばかりではなく、多くの人の(大なり小なり程度の差こそれ)サポートがあり、むろん家族の支えもあるでしょう。その一つとして、海外のよき理解者代表としてロシェットさんのメッセージをご紹介しました。
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