続いたネタ5 GATE~夢幻会、彼の地にて戦いけり
「道なんてここじゃ石畳じゃないから、道は泥まみれ。
泥に馬車の車輪がめり込んで移動速度が落ちて、移動速度が低下する。
まったく、あく○ずで泥プロレス眼福乙なんて昔言ってたけど、これ見ると泥将軍なんて碌でもないな」
伊丹がため息混じりに呟いた。
コダ村の情報から異種族が住まう村へ向かっていたが、
その村はドラゴンに襲われており僅かな犠牲者を残して全滅してしまった。
コダ村にそのことを伝えると何でもそのドラゴンは伝説的な物らしく、
人間には対抗できない存在で、出来ることはただ逃げるだけしかない。
結果、伊丹の視界の先には住民達の長い避難民の隊列で、
どれも泥に埋もれつつなんとか進んでいるいる有様であった。
「で、そっちの具合はどうよ?」
振り返り黒川に尋ねる。
「女の子方は先ほど目を開いたように意識が戻りつつあります。
しかし、男性の方は呼吸こそありますが未だ意識がなく、
看護する側の意見として早く基地で検査を受ける必要があると考えます、隊長」
「あーやっぱりかぁ…」
予想通りの回答に伊丹は頭を掻き『横たわる男女のエルフ』を見る。
1人はかつて村だった場所の井戸の中で気絶していたエルフの少女。
そしてもう1人は村から離れる際、念のために森の周辺を探索した際、
森の外の草原で倒れているのを第3偵察隊と同行していた日本軍の偵察隊が発見した頭部に傷を負った男性のエルフ。
「それだけでは有りません、隊長。
避難民の手持ちの水の残量が極めて危険な水準にあります。
このまま行けば脱水症状で脱落、死亡する人が出ても可笑しくありません」
日本では見られない大陸特有の視界の隅まで広がる草原地帯。
季節は夏、太陽は容赦なく地上を照射しており徒歩あるいは馬車で移動する難民の体力を奪っている。
付近に池や湖はなく、水は手持ちの皮の水筒だけで水の残量が減るに連れて疲労が堆積しつつあった。
「前の晩に同行日本軍と話したけど、水の問題なら大丈夫だよ」
「しかし、ここは敵の後方で車両の増援は難しいと昨晩おっしゃられたのでは…?」
黒川が疑問符を浮かべて伊丹に問いかける。
その時、爆音が轟くと同時に双発の航空機が数機空を掠めた。
『よぉ!こちらアイマス1。
捜索小隊と自衛隊の第三偵察隊を確認したぜ!
荷物は今から進路の未来位置に投下する、後は任せた』
「お、来たか」
無線機越しにそう一方的な声が届くと同時に、
双発の飛行機の主翼や胴体の下に抱えていた筒状の物体を次々に投下する。
そのまま地面に重力にしたがって墜ちず、途中でパラシュートが開きゆっくりと地面に接触する。
「く、空中投下、しかも今のは日本軍側のでしたね」
「大型の輸送機なんてまだないからね自衛隊も。
だけどアレなら地上襲撃機だから主翼とかに懸架さてしまえばいい。
いざとなれば龍騎士が届かない高度まで逃げるか、高速で振り切ることが出来るからな。
そうそう、あの中に500のペットボトルが1人最低2本分は入っているはずだから、とりあえず今日の分は持つでしょ」
「ええ、それなら大丈夫です。
それと、少しだけ隊長を見直しました」
「どうも」
黒川の尊敬交じりの視線に伊丹が苦笑する。
普段自分がどう思われているのかよくよく自分でも理解していた。
(しっかし、今のアレどう見てもア○マスの痛機だよな…。
なんで1945年の日本でア○マスのキャラクターがいるんだ?)
黒川は投下された物資に目が行っていたため気づいていなかったが、
それよりも見知ったキャラが機体の全身に描かれたため伊丹は違和感に気づいた。
(自衛隊のオタ趣味に感化されて、というわけじゃ無いな。
感化されても塗装する余裕もまだないし、だとしたら元からああした塗装をしていたとしか考えられない)
違和感を思い出すにつれて更なる疑念が浮かぶ。
「そういえば隊長、知ってましたか?
俺、日本軍側の人間と話したのですけど向こうにもコミケがあるそうでよ!
なんでも陸軍と海軍の合同文化祭らしいですけど聞いた感じではコミケそのままでしたよ!」
「おいおい、マジかよ倉田。
だとしたら大日本帝国は未来に生きてんなぁー」
運転席に座る倉田の言葉に思わず伊丹の口からネットネタの言葉が漏れる。
(あ、いや待て。未来。
未来人が向こうの日本に干渉した、ありうる。
前に柳田が向こうの歴史はまるで未来を先取りしているようだ、
とかぼやいていたし、進みすぎている兵器体系といいこれなら十分説明できる)
それなんてAKから始まって史実では有り得ないほど重装備をした大日本帝国陸軍の装備。
そして今先ほど垣間見えた21世紀のオタク趣味から伊丹は疑念を確信へと変えた。
常識的な人間ならそんな事を考えないだろう。
だが、伊丹はオタクとしてそうしたネタを知っているのでその可能性に気づいた。
『おっと、こちらアイマス1。
捜索小隊、ならびに第三偵察隊に報告。
進路上にゴスロリ少女を見かけた、繰り返すゴスロリ少女を見かけた、対処されたし』
「ゴスロリ少女?」
唐突に入った無線の報告に桑原陸曹長が首を傾げる。
「この変じゃ見かけない服装だからもしかすると銀座で攫われた子かもしれないな。
日本軍は隊列の後衛で前衛は俺たちだから見てくるか…富田、先行して見て行ってくれ!」
伊丹の呼びかけに了解、
と返答と同時に73式小型トラックが先行して走り出した。
「隊長、案外こっちの人で、エルフが来たから次は吸血鬼かもしれませんよ」
「倉田ぁ、吸血鬼はこんな太陽の下をあるけないだろ」
倉田の冗談に伊丹がそう答えた。
この時、それが半分正解していたを知らなかった。
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「道なんてここじゃ石畳じゃないから、道は泥まみれ。
泥に馬車の車輪がめり込んで移動速度が落ちて、移動速度が低下する。
まったく、あく○ずで泥プロレス眼福乙なんて昔言ってたけど、これ見ると泥将軍なんて碌でもないな」
伊丹がため息混じりに呟いた。
コダ村の情報から異種族が住まう村へ向かっていたが、
その村はドラゴンに襲われており僅かな犠牲者を残して全滅してしまった。
コダ村にそのことを伝えると何でもそのドラゴンは伝説的な物らしく、
人間には対抗できない存在で、出来ることはただ逃げるだけしかない。
結果、伊丹の視界の先には住民達の長い避難民の隊列で、
どれも泥に埋もれつつなんとか進んでいるいる有様であった。
「で、そっちの具合はどうよ?」
振り返り黒川に尋ねる。
「女の子方は先ほど目を開いたように意識が戻りつつあります。
しかし、男性の方は呼吸こそありますが未だ意識がなく、
看護する側の意見として早く基地で検査を受ける必要があると考えます、隊長」
「あーやっぱりかぁ…」
予想通りの回答に伊丹は頭を掻き『横たわる男女のエルフ』を見る。
1人はかつて村だった場所の井戸の中で気絶していたエルフの少女。
そしてもう1人は村から離れる際、念のために森の周辺を探索した際、
森の外の草原で倒れているのを第3偵察隊と同行していた日本軍の偵察隊が発見した頭部に傷を負った男性のエルフ。
「それだけでは有りません、隊長。
避難民の手持ちの水の残量が極めて危険な水準にあります。
このまま行けば脱水症状で脱落、死亡する人が出ても可笑しくありません」
日本では見られない大陸特有の視界の隅まで広がる草原地帯。
季節は夏、太陽は容赦なく地上を照射しており徒歩あるいは馬車で移動する難民の体力を奪っている。
付近に池や湖はなく、水は手持ちの皮の水筒だけで水の残量が減るに連れて疲労が堆積しつつあった。
「前の晩に同行日本軍と話したけど、水の問題なら大丈夫だよ」
「しかし、ここは敵の後方で車両の増援は難しいと昨晩おっしゃられたのでは…?」
黒川が疑問符を浮かべて伊丹に問いかける。
その時、爆音が轟くと同時に双発の航空機が数機空を掠めた。
『よぉ!こちらアイマス1。
捜索小隊と自衛隊の第三偵察隊を確認したぜ!
荷物は今から進路の未来位置に投下する、後は任せた』
「お、来たか」
無線機越しにそう一方的な声が届くと同時に、
双発の飛行機の主翼や胴体の下に抱えていた筒状の物体を次々に投下する。
そのまま地面に重力にしたがって墜ちず、途中でパラシュートが開きゆっくりと地面に接触する。
「く、空中投下、しかも今のは日本軍側のでしたね」
「大型の輸送機なんてまだないからね自衛隊も。
だけどアレなら地上襲撃機だから主翼とかに懸架さてしまえばいい。
いざとなれば龍騎士が届かない高度まで逃げるか、高速で振り切ることが出来るからな。
そうそう、あの中に500のペットボトルが1人最低2本分は入っているはずだから、とりあえず今日の分は持つでしょ」
「ええ、それなら大丈夫です。
それと、少しだけ隊長を見直しました」
「どうも」
黒川の尊敬交じりの視線に伊丹が苦笑する。
普段自分がどう思われているのかよくよく自分でも理解していた。
(しっかし、今のアレどう見てもア○マスの痛機だよな…。
なんで1945年の日本でア○マスのキャラクターがいるんだ?)
黒川は投下された物資に目が行っていたため気づいていなかったが、
それよりも見知ったキャラが機体の全身に描かれたため伊丹は違和感に気づいた。
(自衛隊のオタ趣味に感化されて、というわけじゃ無いな。
感化されても塗装する余裕もまだないし、だとしたら元からああした塗装をしていたとしか考えられない)
違和感を思い出すにつれて更なる疑念が浮かぶ。
「そういえば隊長、知ってましたか?
俺、日本軍側の人間と話したのですけど向こうにもコミケがあるそうでよ!
なんでも陸軍と海軍の合同文化祭らしいですけど聞いた感じではコミケそのままでしたよ!」
「おいおい、マジかよ倉田。
だとしたら大日本帝国は未来に生きてんなぁー」
運転席に座る倉田の言葉に思わず伊丹の口からネットネタの言葉が漏れる。
(あ、いや待て。未来。
未来人が向こうの日本に干渉した、ありうる。
前に柳田が向こうの歴史はまるで未来を先取りしているようだ、
とかぼやいていたし、進みすぎている兵器体系といいこれなら十分説明できる)
それなんてAKから始まって史実では有り得ないほど重装備をした大日本帝国陸軍の装備。
そして今先ほど垣間見えた21世紀のオタク趣味から伊丹は疑念を確信へと変えた。
常識的な人間ならそんな事を考えないだろう。
だが、伊丹はオタクとしてそうしたネタを知っているのでその可能性に気づいた。
『おっと、こちらアイマス1。
捜索小隊、ならびに第三偵察隊に報告。
進路上にゴスロリ少女を見かけた、繰り返すゴスロリ少女を見かけた、対処されたし』
「ゴスロリ少女?」
唐突に入った無線の報告に桑原陸曹長が首を傾げる。
「この変じゃ見かけない服装だからもしかすると銀座で攫われた子かもしれないな。
日本軍は隊列の後衛で前衛は俺たちだから見てくるか…富田、先行して見て行ってくれ!」
伊丹の呼びかけに了解、
と返答と同時に73式小型トラックが先行して走り出した。
「隊長、案外こっちの人で、エルフが来たから次は吸血鬼かもしれませんよ」
「倉田ぁ、吸血鬼はこんな太陽の下をあるけないだろ」
倉田の冗談に伊丹がそう答えた。
この時、それが半分正解していたを知らなかった。