二次元が好きだ!!

SSなどの二次創作作品の連載、気に入ったSSの紹介をします。
現在ストパン憑依物「ヴァルハラの乙女」を連載中。

続いたネタ9 GATE~夢幻会、彼の地にて戦いけり

2015-10-19 06:33:37 | 習作SS

続いたネタ9 GATE~夢幻会、彼の地にて戦いけり


1945年 ドイツ第三帝国 ベルリン


銀座に現れた異世界に繋がる門。
そしてその世界についてドイツは持てる資材と人材を投入して研究していた。
それこそ捕まえたロシア人の科学者に収容所に放り込まれていたユダヤ人まで引っ張り出してまで。

門の情報公開に関して日本はぶぶ漬対応で知れる物は少なく、
それでも一般公開されている情報など得られた物から何とかある程度は推測と議論は出来ていたのだが…。

「まったくわからない、なんなのだアレは?」
「そもそも既存の物理法則を超越しているぞ!!」

真っ先に物理学者が頭を抱えた。
そもそもさながらギリシャ神殿のごとく大理石を積み上げただけの代物が、
どうして距離の壁、時間軸その他諸々の壁を乗り越えているのか理解の範疇外にあった。

「分からないのはこっちもだ、
 あのドラゴンの鱗が何故銃弾を防ぐのが理解できない」

混乱の最中東京のドイツ大使館に墜落した飛龍を解剖、評価していた生物学者がため息を吐く。
主力の凡用機銃を防ぐだけの硬度を保つ鱗なんて一体何がどうなっているのか理解不能であった。

「しかし、全体としてみれば相手は精々中世かローマ帝国時代の軍隊、蹂躙など容易い。
 まったく羨ましいな、ロシア人でも銃に大砲はあったし一度でもいいからそんな楽な戦いをしたいものだ」

国防軍から派遣された陸軍将校の言葉に外交の人間が叫ぶ。

「何を悠長な事を言っているのですか!!
 日本は向こうの領土は取り放題、おまけに21世紀の未来世界との交流!
 アメリカを下して以来、世界最強の座であった地位がますます不動となると言うのに!」

中東での一件といい、
散々外交と言う戦場で敗北を喫した外交の人間として、
軍人が暢気な発言をすることにまったく我慢できなかった。
同じくボロ負けした空軍の将校が気まずそうな表情を浮かべる。

「で、門を破壊するのか?
 そんな事をしたら富嶽からあの原子爆弾がドイツ中に降り注ぐだろうな」

以前門の破壊を訴えていた人間で有るのを知っている陸軍将校が冷めた言葉で反論する。

「それは貴方がた軍人が不甲斐ないばかりにこんな状況になったのでは?」
「なんだと?」

外務官僚の言い草に頭に来た軍人達が立ち上がる。
険悪な空気が周囲を支配するが……。

「だからこそ、総統閣下は門の技術を我が物とすることを望んでおられる」

黒い親衛隊の制服を着た男が発言する。

「今分かっている事実は門は不可不思議な膨大な力で制御されている点、
 そして門が大理石で出来た人工物である以上人間の手で作られたもののはずだ」

「しかし、異世界に通じる門など、どう見ても膨大なエネルギーが必要だ。
 ドイツ中、いや欧州のあるだけの発電力を動員したところで制御できるかどうか…」

親衛隊の話に数学学者が答える。
門について制御以前に不明なところばかりであるが、
数学者として必要なエネルギーは計算である程度知っていた。

「手段はある、
 仮説に過ぎないが門も原始力で制御されているかもしれない。
 あれならば既存のあらゆるものより遥かに膨大なエネルギーを生産できる」

物理学者が回答する。

「原子力を物にするには莫大な資材と予算を必要だが、
 既に総統閣下からは何を置いても優先すべきとの許可を得ている」

シューペアの髪の毛と胃壁を犠牲にして、と内心思いつつ経済官僚が言葉を続ける。

「ウランは新大陸で我々親衛隊が見つけた」

親衛隊の男がさらに続ける。
史実におけるマンハッタン計画ではナチスにウランを利用されるのを恐れたベルギー人が、
先手を打ってニューヨークに密かに保管し、マンハッタン計画で多いに貢献した。

しかし、この世界では大西洋津波でニューヨークは洗い流され、
史実を知る日本はどうせ倉庫ごと津波で流されるであろうと高を括っていたが、
新大陸に踏み込んだ親衛隊は『地下の倉庫に秘匿されたウラン』を見つけてしまった。

「あの特異人種は自分だけが原始の炎を操れると思っているが、その思い込みを正さねばならない」

親衛隊の言葉に一部の人間(ロシア人、ユダヤ人)を除いて頷く。

「我々はゲーレン機関は門の技術を解析、
 アメリカの遺産を利用して門を作り新たな生存権を作るのだ」

史実ならアメリカの支援下で対ソを意識した組織であったが、
カナリス提督の協力でラインハルト・ゲーレン少将が指揮する
門に対する組織になったゲーレン機関の目的を親衛隊の男が総括した。












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