「というより・・・兄さんの手癖の悪さには半分諦めていますから」
いや、手癖が悪いって・・・秋葉。
「ふん、兄さんが既にアルクェイドさんと男女の関係になっている、
という事実をこの私が知らない――――――なんて思っているのかしら?」
眼をすっと細めそう我が家の鬼妹は宣った。
う、アルクェイドとはその、なんだ。
まあ、勢いで据え膳食わぬは何とやらでやっちまった・・・じゃなく!?
「ご、誤解だ秋葉!?
俺とアルクェイドとは高校生として健全なお付き合いをっ・・・!?」
「・・・シエル先輩、それと弓塚さんが教えてくれたのですが」
なんとか誤魔化そうとした時。
秋葉が静かに語りかけるように言葉を綴る。
とても美しい響きを伴った音声であるが・・・米神に青筋さえ浮いていなければなお良かった。
「魔術時の魔力が枯渇した時は体液交換、手っ取り早く臥所でまぐあうだとか」
ニコニコと笑みを湛えたまま秋葉は続ける。
コワイ!
「そして魔術的な繋がりが構築されたことで、
相手の深層意識が夢と言う形で見ることがあるそうです」
一体何が言いたいのか分からない。
しかし、途方もなく嫌な予感がする。
む、繋がり。
魔術的な繋がり・・・いや、待て。
最近昔の夢、それもシキや秋葉達と遊んでいた小さい時の思い出をよく夢に見るけど、まさか。
「気づいたみたいね。
私と兄さんは「式神行使」の力で結ばれています。
魔術とは違い魔が持つ異能の力ですが原理原則は同じ。
繋がりさえあれば無意識の中で相手の意識を覗き込むことは可能」
ましてや、と一拍。
「ロアとの戦で元からあった繋がりを兄さんと・・・。
その、あの・・・キスを交わしたのを契機に繋がりが強化されたのですから」
と、手をモジモジさせながら秋葉は言った。
しかもこちらを伺うように上目遣いで。
なんだこの可愛い生き物?
今日は黒鍵でも降るのか!?
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