二次元が好きだ!!

SSなどの二次創作作品の連載、気に入ったSSの紹介をします。
現在ストパン憑依物「ヴァルハラの乙女」を連載中。

続いたネタ9 GATE~夢幻会、彼の地にて戦いけり

2015-10-19 06:33:37 | 習作SS

続いたネタ9 GATE~夢幻会、彼の地にて戦いけり


1945年 ドイツ第三帝国 ベルリン


銀座に現れた異世界に繋がる門。
そしてその世界についてドイツは持てる資材と人材を投入して研究していた。
それこそ捕まえたロシア人の科学者に収容所に放り込まれていたユダヤ人まで引っ張り出してまで。

門の情報公開に関して日本はぶぶ漬対応で知れる物は少なく、
それでも一般公開されている情報など得られた物から何とかある程度は推測と議論は出来ていたのだが…。

「まったくわからない、なんなのだアレは?」
「そもそも既存の物理法則を超越しているぞ!!」

真っ先に物理学者が頭を抱えた。
そもそもさながらギリシャ神殿のごとく大理石を積み上げただけの代物が、
どうして距離の壁、時間軸その他諸々の壁を乗り越えているのか理解の範疇外にあった。

「分からないのはこっちもだ、
 あのドラゴンの鱗が何故銃弾を防ぐのが理解できない」

混乱の最中東京のドイツ大使館に墜落した飛龍を解剖、評価していた生物学者がため息を吐く。
主力の凡用機銃を防ぐだけの硬度を保つ鱗なんて一体何がどうなっているのか理解不能であった。

「しかし、全体としてみれば相手は精々中世かローマ帝国時代の軍隊、蹂躙など容易い。
 まったく羨ましいな、ロシア人でも銃に大砲はあったし一度でもいいからそんな楽な戦いをしたいものだ」

国防軍から派遣された陸軍将校の言葉に外交の人間が叫ぶ。

「何を悠長な事を言っているのですか!!
 日本は向こうの領土は取り放題、おまけに21世紀の未来世界との交流!
 アメリカを下して以来、世界最強の座であった地位がますます不動となると言うのに!」

中東での一件といい、
散々外交と言う戦場で敗北を喫した外交の人間として、
軍人が暢気な発言をすることにまったく我慢できなかった。
同じくボロ負けした空軍の将校が気まずそうな表情を浮かべる。

「で、門を破壊するのか?
 そんな事をしたら富嶽からあの原子爆弾がドイツ中に降り注ぐだろうな」

以前門の破壊を訴えていた人間で有るのを知っている陸軍将校が冷めた言葉で反論する。

「それは貴方がた軍人が不甲斐ないばかりにこんな状況になったのでは?」
「なんだと?」

外務官僚の言い草に頭に来た軍人達が立ち上がる。
険悪な空気が周囲を支配するが……。

「だからこそ、総統閣下は門の技術を我が物とすることを望んでおられる」

黒い親衛隊の制服を着た男が発言する。

「今分かっている事実は門は不可不思議な膨大な力で制御されている点、
 そして門が大理石で出来た人工物である以上人間の手で作られたもののはずだ」

「しかし、異世界に通じる門など、どう見ても膨大なエネルギーが必要だ。
 ドイツ中、いや欧州のあるだけの発電力を動員したところで制御できるかどうか…」

親衛隊の話に数学学者が答える。
門について制御以前に不明なところばかりであるが、
数学者として必要なエネルギーは計算である程度知っていた。

「手段はある、
 仮説に過ぎないが門も原始力で制御されているかもしれない。
 あれならば既存のあらゆるものより遥かに膨大なエネルギーを生産できる」

物理学者が回答する。

「原子力を物にするには莫大な資材と予算を必要だが、
 既に総統閣下からは何を置いても優先すべきとの許可を得ている」

シューペアの髪の毛と胃壁を犠牲にして、と内心思いつつ経済官僚が言葉を続ける。

「ウランは新大陸で我々親衛隊が見つけた」

親衛隊の男がさらに続ける。
史実におけるマンハッタン計画ではナチスにウランを利用されるのを恐れたベルギー人が、
先手を打ってニューヨークに密かに保管し、マンハッタン計画で多いに貢献した。

しかし、この世界では大西洋津波でニューヨークは洗い流され、
史実を知る日本はどうせ倉庫ごと津波で流されるであろうと高を括っていたが、
新大陸に踏み込んだ親衛隊は『地下の倉庫に秘匿されたウラン』を見つけてしまった。

「あの特異人種は自分だけが原始の炎を操れると思っているが、その思い込みを正さねばならない」

親衛隊の言葉に一部の人間(ロシア人、ユダヤ人)を除いて頷く。

「我々はゲーレン機関は門の技術を解析、
 アメリカの遺産を利用して門を作り新たな生存権を作るのだ」

史実ならアメリカの支援下で対ソを意識した組織であったが、
カナリス提督の協力でラインハルト・ゲーレン少将が指揮する
門に対する組織になったゲーレン機関の目的を親衛隊の男が総括した。












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続いたネタ8 GATE~夢幻会、彼の地にて戦いけり

2015-10-17 21:14:13 | 習作SS

続いたネタ8 GATE~夢幻会、彼の地にて戦いけり


この世界における避難行は極めて過酷だ。
不足する水、蔓延る盗賊に大自然の驚異、人間の命なんて簡単に失われる。
ゆえに炎龍に食べられるより前に避難行で大勢の命が失われる可能性が非常に高かったが、

どうした理由か分からないが炎龍到来を伝えた武装した人間。
とりあえず服装からコダ村の住民が緑の人、茶色の人と呼んだ人たちはその避難行についてきた。
おまけに彼らの仲間と思われる空飛ぶ鉄の蜻蛉から投下される物資で飢えに悩むことがなかった。

「これなら、死なずに済む」

馬車が壊れ、持ち運べぬ財産は放棄するしかなかったが、
死なないで済んだのだから大丈夫、何せ彼らがいるのだから。
そうコダ村からの避難民は自衛隊、日本軍に対して感謝していた。

のだが、恐れていた炎龍が襲撃してきた。

「くそ、キャリバーを叩き込め!!」

農家の夫婦が炎龍に襲われる寸前、
伊丹が叫ぶと同時に軽装甲機動車に搭載している重機関銃が重い音を立てて射撃を開始する。

『こっちも、撃て!』

同じく小野田少尉指揮下の日本軍側からもジープのような車両から同じブローニングの重機関銃が火を吹く。
ブローニングM2重機関銃の弾は人間に当たれば胴体が2つに引き裂かれる威力を持つ代物であるが、
炎龍の鱗の硬さは想像以上で、金属音を立てて全て跳ね返していた。

「あんなのアリかよ!」

「いいから撃て!
 眼だ、眼を狙え!
 眼なら弾き返すことなんてない!」

笹川の弱音に伊丹が叱責し眼を狙うように指示する。
眼に刺さっている矢を見つけた伊丹がので矢が効いて銃弾が効かない道理はない。
と確信し、部下達に続けて全ての火器を龍の眼に向けるように命令を下した。

『あの矢を見ろ!全員眼を狙って撃て!』

同じく日本軍側もそれに気づき射撃を龍の頭部に集中させる。
自衛隊の64式小銃、ミニミ、日本軍の二式小銃、軽機の射撃が頭部に命中弾が続くと、
炎龍は首を動かし、翼で顔を隠すように動きを止める。

「よし、勝本!
 このままパンツァーファウストをぶち込め!
 小野田さん、そっちも対戦車弾を用意してください!」

『心得た!』

軽装甲機動車に搭載している110mm個人携帯対戦車弾を勝本が取り出し、
日本軍は九五式対戦車噴進弾を用意し、狙いを定める。
しかし、翼で顔を隠す炎龍は地を蹴り突進、走り幅跳びのごとく飛翔する。

「やべえ、避けろ!倉田!!」

伊丹が叫ぶと同時に倉田がハンドルを左に切り、
先ほどまでいた所を炎龍が通り過ぎ、轟音と土ぼこり、突風が走る。

伊丹は間一髪、避けることができたが、
日本軍側の車両が炎龍に突進され、派手に宙に浮かんだ。
乗っていた人間も宙に投げ出され炎龍が口を空けてその1人を丸呑みした。

『舩坂!!』

小野田の悲壮な叫びが伊丹の無線から届く。

「畜生が!」

伊丹が悪態と共に握り拳を叩きつける。
これまで協力してきた戦友の喪失に自衛隊員に動揺が走る。

「安心、死、なし」
「え?」

道中で拾った黒ゴスの少女の言葉に伊丹が呆ける。
特地の言葉だったのでそう断片的にしか理解できなかったが、
どうやら先ほど丸呑みされた船坂軍曹はまだ死んでいないと言っているらしい。

何を言っているんだ?
そんな疑問を覚えた伊丹だが、
銃撃への対抗策を覚えたらしい炎龍が再度翼で顔を隠し、突進すべ身構えた時……。

「■■■■―――!!?」

突如炎龍が苦しげに絶叫する。
両腕で喉を掻き毟る仕草をする。
一体何が起こったのか理解できない日本軍、
自衛隊員は様子を伺うが、炎龍が嗚咽と共に人を吐き出す。
そして、爆発音が炎龍の腹から響くと同時に口から血を大量に吐き出した。

「な、何があったんすっか、伊丹隊長!?」

「……手に銃剣を持っているようだから多分丸呑みされた時、
 咄嗟に銃剣を喉に突き刺したんだと思う、それとあの吐血は手榴弾を放り込んだんじゃないか?」

倉田の疑問に伊丹が推測するが、
そんな馬鹿な、という空気が自衛隊員の間で流れる。
普通に考えたらそんな事できる人間なんていないからだ、おまけに見たところ五体満足だし。

(無線で船坂という名前を聞いて驚いたけど、
 まあ、あの人はマジモンのリアルチートだからなぁ…)

ネットでよくネタにされるその人物をよく知る伊丹だけは1人納得する。
栗林が好きそうな人間だよな、と思いつつも彼が作った機会を伊丹は逃さなかった。
苦しげにのた打ち回る炎龍は動きを止めており、絶好の的であった。

「勝本、後方安全確認した後に撃て!」

伊丹への返答は軽装甲車から放たれたパンツァーファウストであった。
日本軍側からも対戦車噴進弾が放たれ、弾頭が炎龍に迫る。

炎龍は苦しげに避けようとするが、
伊丹と共に乗っていた黒ゴス少女が荷台から投擲した巨大な戦斧が炎龍の足を払う。

弾頭が炎龍に命中したのはその時であった。
メタルジェットが炎龍の鱗を貫通し、その下の強靭な筋肉を次々に破壊。
爆発が発生し、自衛隊の弾頭が炎龍の左肩を吹き飛ばし、腹を穿いた。
再度の絶叫、そして炎龍は苦悶と憎悪の表情を浮かべつつ逃げるように飛翔した。














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続いたネタ7 GATE~夢幻会、彼の地にて戦いけり

2015-10-16 21:24:02 | 習作SS

続いたネタ7 GATE~夢幻会、彼の地にて戦いけり


アメリカがそんな決意を改めていた時、夢幻会では。
姿勢を正し、これ以上ないほど真剣な表情を浮かべていた。
対象は液晶テレビ、それも21世紀の日本から参考として送られた物で、
本日はその性能の実証を行うという口実で、

『あなたには理解できるはずもないわね、インキュベーター。
 これこそが、人間の感情の極み、希望よりも熱く、絶望よりも深いもの……愛よ!』

「お、おう…」

ぶっちゃけアニメを見ていた。

具体的には「魔法少女まどか☆マギカ」で、
その劇場版を総理大臣やら親王殿下に大蔵大臣とかこの国の偉いさんが雁首そろえて鑑賞していた。
そして、事前前世でまど☆マギの劇場版を見ることなく転生した嶋田は最後のシーンにおける明美ほむらのガチレズ発言に思わず呻き声を漏らした。



「うーむ、流石ウロブチ。
 この展開は流石だ!こっちも負けていられないな!」

「もう二度と見ることはないと思っていたから思わず涙が出てしまった!」

鑑賞を終えた後、久々に触れた嘗ての世界のアニメの近衛が賞賛し伏見宮が感歎の涙を流す。

「まったく、向こうで赴任した武官に言い聞かせておいて大正解だったな!
 まだまだあるぞ、けいおんにモン娘、古典のジブリ、文学のFateもみんな見れるぞ!!」

「パーフェクトだ、東条!
 これは功一級金鵄勲章に匹敵する戦果だ!」

「感謝の極み」

伏見宮親王の賞賛に一時帰国している東条が恭しく頭を下げた。
その光景にアニメが理由で勲章を与えるのかよ、と嶋田が頭を抱えた。

「意外と面白かったな」
「ふむ、偶にはこういうのも悪くない」

しかもこの場には非転生者の山本五十六、
陸軍からは永田鉄山も一緒に観賞していた、
なお反応は悪くなく順調に洗脳…もとい教化も進んでいるようであった。

(火葬戦記でも定番の山本五十六がまどか☆マギカを観賞した、なんて向こうの日本が知ったらどんな反応をするのやら?)

嶋田が2人の反応に現実逃避と同時にそんな感想を抱いた。

「まったく素晴らしいです。次は是非ともお嬢様系を仕入れて頂きたいものです。
 ところで、ゲートに関して今日は阿部内相から報告があると聞いていましたが…?」

辻の催促にその場にいたメンバーが姿勢を再度正す。

「この前英国からドイツが大規模な諜報部隊を編成している。
 という警告を受けたので手始めに国内の不穏分子の調査をした所、
 石原莞爾から最近国内の右派が妙な連中とつるんでいると報告してきました」

「石原?たしか変な事を起こさないように戦時中は国内で飼い殺して、今はたしか予備役だったな?」

嶋田の問いかけに陸軍の親玉である永田が頷く。
何せ史実では満州事変を引き起こし、陸軍暴走の引き金を引いた1人の問題児。
戦車や航空機の運用を早期から思いつく点は軍人として優秀であるが、思想的にはアジア主義者。
と、曲者揃いの夢幻会でも扱いづらい人間で陸軍で夢幻会派が主流を占めた後は予備役に左遷させていた。

「その通りです閣下、思想的に問題がありますが奴は愛国者です。
 表向きは右派のアジア主義者、そして反夢幻会派ですが、逆にその人脈を利用して我々に情報を流しているのです」

「つまり二重スパイみたいなものか」

まさか尾崎のようにキャラが変化してないよな、と嶋田が内心で思ってしまう。

「はい、彼のお陰で我々は随分助かっています。
 そして国内の右派が接触している具体的な相手はアジア人ですが、
 その身分はドイツ、または中華系の影響下にある商社の社員、新聞記者です」

「商社に新聞記者なんてスパイの典型的な身分隠しの例じゃないか」

「そこに映画撮影団体も入れば完璧だな」

阿部の報告に東条、近衛が口を開く。

「つまりもうドイツは仕掛けてきている、というわけか」

嶋田の言葉に阿部が頷く。
武器を使用しない戦争、情報戦が始まった事実に緊張が走る。

「はい、資金面での援助に門に関する情報を国内の右派を通じて集めているようです。
 同時に買収したメディアを通じて門を広く開放するように世論操作を図っております、
 具体的には困窮に喘いでいるアジア人民のための新たな入植地として門を開放すべき、と言う名目で。
 石原の方も国内の右派から大学の公演でそう訴えるように頼まれたとぼやいていました」

「原作で門に移民1000万人計画をぶち上げた革新派政党かよ!?」

まんま原作、というか現実の革新派の主張そのままで夢幻会の面々は頭を抱える。

「また海外でも活動が見られるそうで、
 その件に付きましては中央情報局の堀局長が報告します」

「中央情報局の堀です。
 朝鮮でも白人ではない妙な人間が現地の高官と接触を重ねているとの報告が上がっています。
 こちらもやはり表向きは新聞記者、商社の社員、貿易会社と身分を偽っているアジア人ですが、
 全てダミー会社の類であるのが判明しており、現在は現地の貴族階級に賄賂攻勢をしかけています」

「賄賂攻勢ですか、あの半島の貴族に効果覿面ですね…で、それだけでは無いのでは?」

次の展開が予想できたのか疲れたように辻が催促する。

「はい、宮廷内で反日派が勢いづいています。
 ドイツ資本の受け入れ、さらに日本に対抗する兵器の輸入を企んでいる模様です。
 一部では高句麗復興、満州奪還を叫んでいるグループもおり、最低でも満州国境での紛争は避けれないかと…」

「あ、あの半島はどこまで日本の疫病神になるつもりなんだ!?」

嶋田の罵倒に一斉に罵り言葉が出る。
戦前はアメリカ側に寄ろうと裏切りを試み一度締め上げたが、
性懲りも無く今度はドイツに寄ろうとする態度に激怒の感情以外なかった。

「……こうなったら、例の甲案。
 本気でしなくてはならないかもしれませんね」

「この前は4、5年先の話と言っていたが、
 言った矢先にこれなんてあの半島はどうして、こう」

辻の言葉に嶋田が諦め気味に愚痴る。
現在のまま半島を『間接統治に徹する』丙案。
統治しつつも配慮する『帝国が期間限定で直接統治する』乙案。
そしてこれまで『配慮をなくし帝国の本土と裏庭の安定化のみに徹する』甲案。
甲案は万が一の保険であったが、現状は甲案になる可能性が非常に高かった。

「あー嶋田、まあなんだ?
 そう悲観することも無いと思うぞ。
 これまでの実績から見て案外自爆するだけで済むと思うぞ」

「山本…」

親友の楽観論に悲観的になっていた嶋田の心を癒す。

「とはいえ、前にお前が言ったように油断は大敵。
 悲観的に準備して楽観的に事を迎え入れる準備をしようじゃないか」

「陸軍も万が一に備えて準備します、閣下」
 
「ああ、そうだな。ありがとう」

山本、永田の激励に嶋田が頷いた。

「半島についてはここまでとしよう、
 9月開催予定の環太平洋諸国会議、それに門の向こうでの首脳会談…。
 やれやれ、どっちも俺が出張らなきゃならんから体が幾つあってももたないな」

この世界の外交を決めるであろう環太平洋会議には既に参加は決定している。
嶋田の言葉1つで今後の覇権国家となった日本の行く末が決まるので気が抜けない。

また21世紀の日本との首脳会談も日本政府とはうまくいくだろうが、
それ以外の煩い連中、既に吉田大使がその洗礼を受けた『手厚い歓迎』を思うと気が重くなる。

「いつになったら俺は辞められるのやら?」

思わずそんな呟きを漏らすが、
周囲の人間は完全にスルーしており、
当分辞めさせてもらえないのは明白であった。









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続いたネタ6 GATE~夢幻会、彼の地にて戦いけり

2015-10-12 22:51:19 | 習作SS

続いたネタ6 GATE~夢幻会、彼の地にて戦いけり


アメリカ合衆国 ホワイトハウス

「で、日本とインペリアル・ジャパンはようやく異世界で能動的に動き出したのか?」

「大統領閣下。自衛隊の司令官ハザマ中将に慎重な上に、
 帝国日本側のクリバヤシ中将もまたこの世界で海兵隊を硫黄島で苦しめたように守勢に秀でた人物です。
 それに前に説明したように、門のせいで補給はトラックのみゆえ物資の備蓄をしていたのでしょう」

ディデル大統領の質問にクリアロン補佐官が答える。

「補給が限られるゆえに展開できる兵力は常に限られ、
 異世界で軍を展開し目的を達成するのは用地要点を支配するしかない、か。
 成る程、自衛隊とIJAは合理的な判断を下しているようだ……どこぞの馬鹿共と違って」

忌々しげにテレビ移る大日本帝国打倒と解放を訴える大規模なデモを見る。
門の向こうに1945年の世界、そして覇権国家になった大日本帝国の存在は21世紀の世界に衝撃を与えた。

過去の地球、それも違った歴史を歩んだ世界。
その存在が証明されたことで物理学では盛んに議論が交わされ、
また、政治的経済的に新たな関係を結ぶことで得られる利益に色めき立っていた。
資本主義の親玉国家アメリカとして異世界と大日本帝国を新たな市場として迎え入れたかったが、

「アメリカは軍国主義日本を打倒し正義を達成せよ!」
「門の向こうのアジア解放し民主主義を輸出しよう!」
「日本の侵略主義の復活を阻止せよ」
「門を国連の監視下に!」

だが、カリフォルニア州のアジア系の住民から始まった反帝国日本デモがアメリカに政治的混乱をもたらしつつあった。
主にアジア系の住民が多く住むカリフォルニア州から始まったデモは今や首都ワシントンで万の規模になりつつあった。

「イラクやアフガンで苦戦していると言うのにこの上戦端を開く?
 おまけに門は同盟国の首都にあるのだぞ!冗談もいい加減にしろ!!
 さらに言えばこのデモの背後にはレッドチャイナに裏切り者のキムチ野郎が関わっているのだろ!?」

「はい、CIAが昨日報告したように表向きNGO団体等が主導していますが、
 資金並びに人員に中国と韓国の情報当局が関与しているのは間違いありません」

デモは民主主義国家では認められた神聖な権利であり、
例えそれが政府に抗議するものだとしてそれは認められる。

が、若しもそれが敵対国による情報戦なら許せるはずがない。
しかもそのせいで政治的混乱を呼び起こしているのだからなおさらだ。

「裏で操っている人間を始末すれば何とかならないか?」

「その件について目下監視等を強化していますが…。
 デモ自体はここまで大規模になると流れを止めるのは難しいかと」

「ファック!!」

足元のゴミ箱を蹴り飛ばす。
つでといばかりにしばらく何度も踏み抜き鬱憤を晴らす。

「……ああ、すまない。見苦しいところを見せてしまった。
 まずコリアについては同盟国として懇切丁寧に釘を刺しておこう。
 我が国でチャイナと組んで一体何をしているか、懲りなく来るあの女に聞いてみよう」

「チャイナについては?」

「ワシントンの奴らの大使を呼びつけ抗議する。
 最もコウモリ野郎より遥かに面の皮が厚い連中だ。
 大使どころか首脳会談でも自分の事なぞ知らぬ顔をするだろうがな」

過去の事をしつこく穿り返す女性大統領と、
自身をアメリカと並ぶ大国と自負して止まないアカの面を思い出し苦い顔を浮かべる。

「門は宝だ、過去の違う歴史を歩む地球は我がアメリカが欲する未来の市場だ。
 あのファンタジー世界は1から全てを開拓せねばならないが、あそこには購買力を有する消費者が大勢いる」

なるほど確かに元凶であるファンタジー世界は資本主義社会の食事となりえる。
だが、資本主義の食欲は旺盛でせいぜい中世レベルの文明を相手にするには腹が満たされない。
それに見合うだけの水準まで引き上げるまで手間暇かける必要があり、金銭と時間がかかる。

対して約半世紀前とはいえ、そこにはそれなりに近代化された消費者を抱えている。
嬉しいことに相手の勢力圏は広大で、今後も発展を続けることが約束されている。
例え相手が違う歴史のアメリカを滅ぼしたとしても彼らの領域に入り商売をすべきである。

「ゆえに我がアメリカはインペリアル・ジャパンとは親しい関係を結ばなければならない。
 それを旧大陸に赤熊はもちろんチャイナに蝙蝠野郎に邪魔されてたまるか、私は今歴史の基点にいるのだから」

「おっしゃる通りです、大統領。
 ここでインペリアル・ジャパンと親しい関係を結び、
 アメリカに利益を齎せば間違いなく貴方の名は歴史に残るでしょう」

「そして私の支持率も不動のものになる、な」

補佐官の言葉に目先の目標を付け加える。
ディテル大統領は具体的な成果を国民に示さねばならない苦しい立場にあった。

「では手始めに大使として赴任しているヨシダとはより積極的に接触すべきかと考えます、
 次に日本はインペリアル・ジャパンとの首脳会談も予定しているので、それに合わせて我が国との首脳会談も行うよう準備すべきです」

「ふむ、常道であるな。
 当面はその方針で行こう。
 国内向けには経済効果を宣伝することで抑えるとしよう」

そうしてこの話を終え、
補佐官から、続いてカナリア諸島の調査報告に耳を傾けた。












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続いたネタ5 GATE~夢幻会、彼の地にて戦いけり

2015-10-07 06:43:56 | 習作SS
続いたネタ5 GATE~夢幻会、彼の地にて戦いけり


「道なんてここじゃ石畳じゃないから、道は泥まみれ。
 泥に馬車の車輪がめり込んで移動速度が落ちて、移動速度が低下する。
 まったく、あく○ずで泥プロレス眼福乙なんて昔言ってたけど、これ見ると泥将軍なんて碌でもないな」

伊丹がため息混じりに呟いた。
コダ村の情報から異種族が住まう村へ向かっていたが、
その村はドラゴンに襲われており僅かな犠牲者を残して全滅してしまった。

コダ村にそのことを伝えると何でもそのドラゴンは伝説的な物らしく、
人間には対抗できない存在で、出来ることはただ逃げるだけしかない。

結果、伊丹の視界の先には住民達の長い避難民の隊列で、
どれも泥に埋もれつつなんとか進んでいるいる有様であった。

「で、そっちの具合はどうよ?」

振り返り黒川に尋ねる。

「女の子方は先ほど目を開いたように意識が戻りつつあります。
 しかし、男性の方は呼吸こそありますが未だ意識がなく、
 看護する側の意見として早く基地で検査を受ける必要があると考えます、隊長」

「あーやっぱりかぁ…」

予想通りの回答に伊丹は頭を掻き『横たわる男女のエルフ』を見る。
1人はかつて村だった場所の井戸の中で気絶していたエルフの少女。
そしてもう1人は村から離れる際、念のために森の周辺を探索した際、
森の外の草原で倒れているのを第3偵察隊と同行していた日本軍の偵察隊が発見した頭部に傷を負った男性のエルフ。

「それだけでは有りません、隊長。
 避難民の手持ちの水の残量が極めて危険な水準にあります。
 このまま行けば脱水症状で脱落、死亡する人が出ても可笑しくありません」

日本では見られない大陸特有の視界の隅まで広がる草原地帯。
季節は夏、太陽は容赦なく地上を照射しており徒歩あるいは馬車で移動する難民の体力を奪っている。
付近に池や湖はなく、水は手持ちの皮の水筒だけで水の残量が減るに連れて疲労が堆積しつつあった。

「前の晩に同行日本軍と話したけど、水の問題なら大丈夫だよ」
「しかし、ここは敵の後方で車両の増援は難しいと昨晩おっしゃられたのでは…?」

黒川が疑問符を浮かべて伊丹に問いかける。
その時、爆音が轟くと同時に双発の航空機が数機空を掠めた。

『よぉ!こちらアイマス1。
 捜索小隊と自衛隊の第三偵察隊を確認したぜ!
 荷物は今から進路の未来位置に投下する、後は任せた』

「お、来たか」

無線機越しにそう一方的な声が届くと同時に、
双発の飛行機の主翼や胴体の下に抱えていた筒状の物体を次々に投下する。
そのまま地面に重力にしたがって墜ちず、途中でパラシュートが開きゆっくりと地面に接触する。

「く、空中投下、しかも今のは日本軍側のでしたね」

「大型の輸送機なんてまだないからね自衛隊も。
 だけどアレなら地上襲撃機だから主翼とかに懸架さてしまえばいい。
 いざとなれば龍騎士が届かない高度まで逃げるか、高速で振り切ることが出来るからな。
 そうそう、あの中に500のペットボトルが1人最低2本分は入っているはずだから、とりあえず今日の分は持つでしょ」

「ええ、それなら大丈夫です。
 それと、少しだけ隊長を見直しました」

「どうも」

黒川の尊敬交じりの視線に伊丹が苦笑する。
普段自分がどう思われているのかよくよく自分でも理解していた。

(しっかし、今のアレどう見てもア○マスの痛機だよな…。
 なんで1945年の日本でア○マスのキャラクターがいるんだ?)

黒川は投下された物資に目が行っていたため気づいていなかったが、
それよりも見知ったキャラが機体の全身に描かれたため伊丹は違和感に気づいた。

(自衛隊のオタ趣味に感化されて、というわけじゃ無いな。
 感化されても塗装する余裕もまだないし、だとしたら元からああした塗装をしていたとしか考えられない)

違和感を思い出すにつれて更なる疑念が浮かぶ。

「そういえば隊長、知ってましたか?
 俺、日本軍側の人間と話したのですけど向こうにもコミケがあるそうでよ!
 なんでも陸軍と海軍の合同文化祭らしいですけど聞いた感じではコミケそのままでしたよ!」

「おいおい、マジかよ倉田。
 だとしたら大日本帝国は未来に生きてんなぁー」

運転席に座る倉田の言葉に思わず伊丹の口からネットネタの言葉が漏れる。

(あ、いや待て。未来。
 未来人が向こうの日本に干渉した、ありうる。
 前に柳田が向こうの歴史はまるで未来を先取りしているようだ、
 とかぼやいていたし、進みすぎている兵器体系といいこれなら十分説明できる)

それなんてAKから始まって史実では有り得ないほど重装備をした大日本帝国陸軍の装備。
そして今先ほど垣間見えた21世紀のオタク趣味から伊丹は疑念を確信へと変えた。

常識的な人間ならそんな事を考えないだろう。
だが、伊丹はオタクとしてそうしたネタを知っているのでその可能性に気づいた。

『おっと、こちらアイマス1。
 捜索小隊、ならびに第三偵察隊に報告。
 進路上にゴスロリ少女を見かけた、繰り返すゴスロリ少女を見かけた、対処されたし』

「ゴスロリ少女?」

唐突に入った無線の報告に桑原陸曹長が首を傾げる。

「この変じゃ見かけない服装だからもしかすると銀座で攫われた子かもしれないな。
 日本軍は隊列の後衛で前衛は俺たちだから見てくるか…富田、先行して見て行ってくれ!」

伊丹の呼びかけに了解、
と返答と同時に73式小型トラックが先行して走り出した。

「隊長、案外こっちの人で、エルフが来たから次は吸血鬼かもしれませんよ」
「倉田ぁ、吸血鬼はこんな太陽の下をあるけないだろ」

倉田の冗談に伊丹がそう答えた。
この時、それが半分正解していたを知らなかった。













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