パエ-リャ

木製カトラリ-

帯鋸 バンドソ- 平行定規  ドリフト角度の直視での簡単な調整方法

2022-05-06 18:02:49 | Weblog

帯鋸を購入して、例え、オプションで買える平行定規を使っても、うまく平行に切れない問題の最大の原因は帯鋸の刃の向き(その時点での、特定の帯鋸の刃のセッティングの個性と思えば良い。刃を交換するたびに個性は微妙に変わる)が平行定規の面に対して平行でない事に尽きる。どうやって調整するか、難しく考える事はない。要は、刃の向いている方向を直接目で見る事が出来れば対処の方法はいくらでも考えられるからだ。私はオプションの平行定規は持ってないのですべての平行定規関連の操作にはアルミのLアングルとクリップだけを使っている。

私の場合、ウェブでよく見かける板材料の試し切りなど行わない。材料の無駄だし、実際の模擬切断作業などやらないで刃の向きを直視して、その角度を帯鋸のテーブル上で確定/転写出来るからだ。そのためには出来るだけ軽いアルミのLアングル(長さ的にはテーブルの奥行+程度)をDAISOで売っている(赤と黒のデザインのかなり強力なクリップで大小2種類ある)の小クリップ(或はヘアピン等)で直接帯鋸の刃に固定する事だ。まあ、何を使っても良いのだが。多分、一番便利で簡単なのはクリップだろう。

そうすると方向指示器としてのLアングルと帯鋸の刃が一体化して、その時点での刃の向きの方向にLアングルの長手方向が向くので、そのLアングルの方向をテーブルの上にそのままの角度で物理的に固定する(或は臨時に張り付ける)事が必要になる。帯鋸の刃の「あさり」による誤差は無視して構わないだろう。

一番望ましい角度の出し方は、こうだ。単純にクリップで帯鋸の刃と方向指示器としてのLアングルを挟んだ時には、左右どちらかに振れるのが普通なので、凡その方向は暫定的に判断できる。だから、クリップを取り付けた後で、Lアングルを、初期判断で刃の向きが左に振れているなら、逆にLアングルを右に少しだけ意図的に振ってから手を離すと、Lアングルが単振動を始めて、徐々に減衰して停まる。軽いLアングルの場合、単振動は7,8回繰り返される。重い場合は1サイクルで停止する事さえあるが、軽いLアングルの場合とほとんど変わらない位置で停止するのは当然だ。

何れにせよ、単振動が収まった時の方向が最も信頼性の高い刃の向きの角度になる。

この時の角度の固定のやり方は色々とあるだろうが、一番簡単なのはLアングルの両端をDAISOの強力な大クリップでテーブルに仮固定する事だ。でも、Lアングルは軽いし、直ぐ動いてしまうので刃の向きの角度をしっかりと保存しながらクリップ等で固定するには、最初に注意深くLアングルの端を指で上から強く押さえつけ、次いでクリップを使って角度を固定するのが肝だ。

後々の作業を円滑に進めるためには、この時点で角度の記憶が出来る分度器で、振れの角度を分度器に固定するのが望ましい。角度の記憶が出来る分度器とは、安物のプラスチックの半円状の分度器でなく、「シンワ」というメーカ-が提供している金属製の方向指示アームのついたものだ。多分、1000円位でホームセンタ-にあるだろう。

以上はブレ-ドの向いている角度をテーブル上に投射/固定するだけの話なので、実際に帯鋸の刃とどの位の距離で実際の平行ガイドを固定するかは別の問題だ。以下に記述する。

私の場合、刃の角度を見るのに使うLアングルのテーブルとの接地面での幅を(手間を省くために)元々欲しかった幅(5mmから10mm程度)に加工してから角度確認する事が多いので、平行定規としての別のLアングルを方向検出器としてのLアングルに密着させるだけで済む。

そうでない場合は、方向検出用のLアングルに押し付ける形で任意の幅の(自作も当然あり)アルミの平板をはめ込んで、更に、それに対して最終的な平行ガイドを押し付けて、その角度のまま、テーブル面に小さくても本格的なクランプ等でしっかりと固定すればよい話だ。但し、これは一定の条件(私の場合は約35mm以下の場合)が当てはまる場合だ。

この一定の条件とは、それ以上だったらどうするかの記述の中で自ずから明らかになるだろう。任意の平行幅を設定するにはスコヤと角度記憶可能な分度器が必要だからだ。私の場合、両方とも「Shinwa」という企業が作っているものを愛用している。具体的にどうやるかと言うと:

測定した角度記憶用の分度器の半月形の直線部分を帯鋸のテーブルの手前側の端に押し付ける。その上からスコヤの取っ手部分の直角の内側部分(向かって右側)を分度器の方向指示器アームの左の側面にあてがう。その時点で刃から一番遠いスコヤの取っ手の直線部分は約35mmの所にある。そのスコヤの直線部分に平行定規としてのLアングルをあてがって、固定すれば、35mm幅以上の平行切断が出来る訳だ。

勿論、スコヤの目盛りに従って、平行切断幅はテーブルの大きさ次第で自由に変える事が出来る。

まだ、関連する記事の記述は続くが、設定ミスに関して、早い段階での情報は有用だと思うので、追加して置く。具体的には:

万が一、方向間違いのまま平行定規を固定してしまった時の症状と対処方法:

平行設定を何らかの理由で間違えた時の帯鋸の挙動は幾つかある。

1. 刃の手前側だけを右手でガイドに押し付けて、刃の後ろ側の領域ではガイドには左手で圧着をしないでフリ-にして置く場合で、切断が進むに連れて材と刃の後ろ側のガイドとの間に隙間が拡大する場合

2. 刃を正面に見て、切断するに連れて、刃が右側に移動したがる場合、極端な場合、刃が刃のガイド溝から這い出して、刃そのものが右側に行きたがる場合

上記のいずれの場合にも、固定された平行ガイドの手前側を少し右方向に変えないと、極端な場合、帯鋸が嫌がり切断が停止する事さえある。そのような場合には、設定を最初からやり直すか、或は、目分量で少しだけ平行ガイドの手前側を右にずらす事だ。どの位とかは言えない。経験次第だからだ。

平行の設定は刃を替える度に必要なので、多少の手間を惜しまない方が良いと思う。私の場合、この記事を上げている時点で、リョ-ビの卓上テーブルソ-でのセッティングでは、向かって左に2.(コンマではなく、ドットだ)3度の偏向があるのが金属製精密分度器で判明している。セッティングに必要な時間は2分ほどだ。実感としては、切断の長さにもよるが、15cm程度なら設定ミスで1度を超えると帯鋸の刃が猛烈に嫌がり始め、最悪の場合ストライキを起こすと思う。

次に追加する関連情報としては平行ガイドに接する端末部分が平行ガイドと直線で接してない場合の切断方法だ。極端な場合、点でのみ接している場合などだ。端末の形状がどうであれ、平行ガイドに接した部分から任意の幅を切り落としたい場合の話になる。