パエ-リャ

木製カトラリ-

パエ-リャの旅行記 - イスタンブル 旧市街と新市街

2015-01-27 21:30:38 | Weblog
イスタンブルも小さい町で、車や電車などに頼らないで歩いて行動できるサイズだ。考えてみると、東京が大きすぎるのだと思う。

前回はイスタンブル旧市街と、内陸部に飛行機で行ってみただけだったが、今回は橋を渡って新市街も見て来た。と言うか、ホテルがタクシン広場のそばだったので必然だった。

さて、旧市街はコンパクトなのでガイドブックの内容に付け加える事はあまりない。空港のそばの水族館に行きたいとか言い出さない限りは。それに、水族館は感覚的にイスタンブルとは関係のない世界だ。どうしても魚が見たければドバイかモナコに行けば良いだけの話だ。

で、旧市街のガイドブックがカバ-する範囲は端から端まで歩いても1時間だろう。サバサンドで有名な港を背にして、左側の坂道をゆっくりと登っていけばトプカピに着く。都電みたいな電車の通りだが、30分も歩けばトプカピの台地に出る。

そこまで登れば、後は基本的に平らなので、どの方向にもドンドン歩けるが、ブル-モスクとか大物は崖っぷちに建っているので局地的な急坂はある。でも、再び海まで下る訳ではないので大した事はない。地下宮殿もすぐそばにあるし、大学まで歩けば本屋が面白い。目玉のグランバザ-ルも大学の脇にある。兎に角、小さいので歩くのが良い。ガイドブックがカバ-するのは、恐らく2km四方もないのではと思う。

旧市街からサバサンドで有名な橋を渡ればいわゆる新市街になる。短い急坂を登り、豆電車の通りを行けばタクシム広場に出る。急坂を登り切ったところからタクシム広場までは多分ホコ天になっていると思う。清掃車などが通る位で、通りに面する店の人達がゴミを盛大に通りにぶちまけているのは盛観だ。

タクシン広場までは、ゆっくり歩いても30分位だろう。この広場が新市街の中心で、一時期デモ隊が占拠した場所だ。特にモニュメントらしきものがあるわけではなく、大きさ的には200m四方程だろう。

タクシン広場からは直ぐに海に降りられる。急斜面を5分程下るだけだ。一度海まで降りると帰り道が急で嫌になる程だ。で、タクシン広場から海を右手にして、更に奥に進むと、ゆっくりとした下り坂で、いわゆる新市街のビル街はそこにある。以前、爆破事件のあったヒルトンも同じ通りに面している。

で、実際問題として、普通の観光客にとってどこまでが新市街かと聞かれれば、距離的には軍事博物館までだろう。タクシン広場から緩い下り坂を歩いて30分位だ。路が大きな二股になる直前の右側にある軍事博物館は面白い。トルコは歴史的にはヴィエンナだけでなく、地中海でもマルタやシチリアなどに押しかけたが、博物館ではそのような事は無視されている。

そもそも、マルタに行った時に、トルコの悪口を散々聞かされたので、実際どうなんだと思って行ったのが最初のイスタンブル。でも、軍事博物館では地中海の話は出ない。レパントの「レ」も出ない。西側の地中海での話よりは、陸での出来事が展示の主体になっている印象を受けた。

一番印象に残ったのは軍楽隊の演奏だ。素晴らしいと思った。現在の世界中の軍楽隊のモデルになった元祖だ。動画をアップする。博物館の何処にいても、演奏が始まると派手な音が聞こえるので見逃す事は絶対にあり得ない。

で、再びタクシン広場に話を戻す。実はタクシン広場に隣接して、ミニ広場がある。デモ隊が最終的に押し込められた場所だ。そこにカラスがいた。大きさも形も、紛れもないカラスだったが、問題は色だ。黒くなくて、ウグイスの色をしている。北京にはカラスがいないらしいが、あの色では弱弱しくて北京まで行く途中で食べられてしまうんだろうと、勝手に思っている。

海峡を渡る橋の下の部分にはレストランが沢山並んでいる。入り込んだら、どれか一軒で食べないでは橋から戻れないほどの勧誘波状攻撃を受ける。日本人と見ると絶対に攻撃を止めない。娘は日本の女優扱いされるし、なので、音をあげて入ると、明らかに地元民と比べて差別料金が存在する、と思う。あるいは、勧誘の時の値段と明らかに違う料金を払う事になる。まあ、日本人にとって大した金額ではないので、どうでも良いのだが。

それで思い出したが、シンガポ-ルの屋台レストラン、一人や数人で行く時は問題ないと思うが、10人位のグル-プで行くと、こちらも誰が何を注文したとか一々覚えきれないので、店の側が勝手に注文しない物をドンドン持ってきて最後には大変な事になる。

テレビでもよく映るが、橋ではいつも大勢の人が釣りをしている。バケツを覗くと、ボラ、イワシ、アジが主だ。結構ドンドン釣れるので見ていて面白い。サバサンドは、本当にコッペパンにサバの焼いたものを挟んだだけで、特に美味しいものではないが、皆食べているので、安いし、何となく注文してしまう。レストランと違ってぼられる事はない。

以上、イスタンブル




実機の画像

2015-01-27 11:01:59 | Weblog
前回見た木のペグはコストの点、取りつけに時間がかかることを考えれば実機ではとても採用できない部品だった。次の画像は木のペグを真ちゅうの釘で置き換えた巻き取り棒を示している。ただ、これ自体、取り付け位置の設定が10mm間隔で30本、糸巻き棒の場合は2列配置なので合計60本の釘の位置の下穴を巻き取り棒に対して正確に垂直に開けて行く作業が必要で、(布巻棒にも更に30本)フライス盤のクロステ-ブルがなければ出来ない、手持ちのドリルではとても無理な作業だ。

巻き取り棒の両端には糸押さえの金属板を固定するための鬼目ナットが埋め込まれているのが見える。

縦糸を通す作業は運用上、次の画像のように中心部から始めた方がやり易い。羽根板には目印が付けられている。この画像で判るように、実機では布巻棒の側にも釘ペグがあるので、縦糸の仮の配置がとてもやり易くなっている。この時点では糸巻き側にも、布巻側にも糸押さえの金属板は使われていない。

次の画像は私が提供する織り機の基幹部品である巻き取り棒を見せている。糸押さえの金属板も付けた状態だ。糸押さえの金属板は断面が”L”の形をしている。単純に平らな板では両端2か所のみで固定する時に中間部分の剛性が足りないし、それと釘ペグの間に糸が複数入っても、断面のLの形と高さで最終的な縦糸の高さを一定にする事が出来るからだ。

実は、基幹部品はもう一つある。羽根板がそれで、次の画像になる。

この羽根板のプラスチック部分は3次元プリンタ-でも簡単に制作できるし、あるいは極単純にギアを制作する要領で型に樹脂を注入して作る方が簡単かも知れない。このようなプラスチック部品は一旦型を作ってしまえば、驚くほど短時間でコピ-を作れるので、量産型の実機に使われることになる。

いずれにせよ、私の量産型の織り機は全ての部材、部品が内製で作られるようになる。

更に、羽根板自体の制御の問題も既に考えている。現行の羽根板は板を上下すると、穴の全てが同時に上下する仕組みになっているが、私はこれを改良して、コンピュ-タ制御で穴の上下を独立して行う事を視野に入れている。そうすれば、より複雑な織りのパタ-ンが実現出来るだろう。

そんなに複雑な仕組みではない。マイクロアクチュエ-タ-を羽根板の上縁に組み込めば良いだけの話だ。縦糸に直角の方向への動きなので、それ程強力なソレノイドも必要ではないだろうし。そうなると羽根板そのものを本体の枠に固定出来るので、織り機全体のデザインも変化する事になるだろう。

次の画像は糸通しの初期の場面を見せている。特にクシとかで糸の整理もしていない状況で、縦糸が十分に平行になっているのは、矢張り布巻側にも釘ペグを取り付けた効果だろう。

次の画像は溝と穴の両方に縦糸が配置された場面を示している。

羽根板の背後は見えないが、溝と穴の縦糸は、それぞれ異なるペグの列にテザ-されている。この辺は運用の問題なので、詳しいことはマニュアルに記述するが、ペグの効果は縦糸の張り方を信じられないほど簡単にしてくれる。

次の画像はデモ用の糸張りを終えて、糸の整理も始めていない時点で、かなり整然とした状況が作り出されている。よく見ると糸の交差などが見られるが、簡単に直せる状態だ。
この時点では手前側の、つまり布巻側のペグとペグの間には溝を通って来た糸と、穴を通って来た糸、それぞれ1本ずつが配置されているので、軽く引っ張れば糸と糸の隣通しの交差関係は簡単に逆転出来る。

次の画面は布巻側の糸の上に、糸押さえの金属板を固定してない場面だ。

次の画像が押さえ板を軽く固定した(強く閉めると糸を引っ張れないので)場面で、この時点で糸巻き側にも押さえ板が(比較的強く)固定されている。



布巻側の糸押さえの板を軽く固定するのは:

1. 糸を軽く手前に引っ張れるように
2. 引っ張った糸の左右の順序を容易く入れ替え出来るように
3. それぞれの縦糸の張力をそれ以上糸が手前に出て来ない状態で保持出来るように

するためで、実際の運用上、1 と 2 の場面では軽く、3 の場面では、引っ張った縦糸が逆戻りしない様に、ある程度強く板を締め付けておく必要がある。

次の画像は手前側(布巻側)の糸端の状態を示している。特筆的なのは、この段階までパ-ト1で見たような織り機の反転は一度もないし、糸の整理にクシも使ってないことだろう。そのために、糸端は画面の通り、もつれているが、この後、糸巻き棒をゆっくりと巻き上げて行くと、布巻側の釘ペグと羽根板の相乗効果でクシを使わずに糸の整理が出来てしまう。



次の2枚の画像は糸巻き側がどうなっているかを見せている。基本的にはペグの間に糸が収まっていて、もしペグの頭に糸が乗ってしまった場合には、簡単に手で直せる状態だ。最終的には、縦糸は糸押さえを巻き込むので、縦糸の巻き棒上の高さは一定になる。


縦糸が毛糸のように比較的太い場合は、このままで特に問題はないが、細い糸を使う場合には、一般的には「ハタクサ」と呼ばれるものを糸の間に巻き込むことがある。既に巻き込んだ糸の隙間に新たな部分が挟み込まれない様にするためだが、よく使われるのがカレンダ-の紙だ。

然し、慣れないと大きな紙を挟み込むのは難しいので、私のマニュアルでは竹ひごを使う様に勧めている。持つのも、入れるのも簡単だからだ。




この最後の画像は、巻き上げの最終段階を見せている。どの位まで縦糸を残して巻き上げを終了するかは、織れ上がった布のフサ部分の長さと直結する。糸押さえから5cm程突き出していれば十分だと考えているが。

この上の画像では糸押さえの金属板は左右の2本のビスで留められているが、それだけでは矢張り中央部の締め付けが弱いので、次の画像のように真ん中に3本目のビスが固定出来るように改良した。
これにより布巻側での縦糸端末の固定がより柔軟に出来るようになった。かなりしっかりと真ん中のビスを締めておいても、糸を引っ張ると糸が自動的に細くなるので、引っ張りやすい。逆に、引張りを止めると糸の太さが元に戻るので、それが糸押さえの下での、それ以上の縦糸の動きを止めてしまうのでとても便利な自動ストッパ-の役割を果たしている。

次稿は横糸を張る場面を仔細に画像で示す事になるだろう。因みに、縦糸60本を張る時間を推定してみた結果、30分と出た。今回のデモ用の40本が20分だった事からの推定値だ。悪くないと思う。全然悪くない。

織り機主要部品 丸棒の加工

2015-01-25 10:19:07 | Weblog
巻き取り用ロ-ラ-の回転中心軸の加工

使用ロ-ラ-は市販の丸棒、外径40mm、仔細に見てもムクの広葉樹が使われているが樹種は不明。ラミンの集成材は使わない。コストの問題と、集成材ゆえに硬度にむらがあり、2mmのドリルの刃が曲がることが多いため。

さて、

ロ-ラ-はタ-ビンの軸などのように高速回転はしないので中心軸が正確に中心に開けられている必要はないが、それでも可能な限り中心にある方が絶対に望ましい。中心が偏っていると簡単に片摩耗するからだ。勿論、摩耗に耐えるために軸受けとして軟鉄のワッシャ-を取り付けるが、それが中心軸の位置決定にも役立つことを以下に画像を使って説明する。それ程重要な加工だからだ。

そして、

市販の丸棒の中心を求める事は非常に難しい。と言うのは、その様な中心は、そもそも存在しないからだ。一言で言えば、断面が真円ではない。で、どうするかと言うと、中心に出来るだけ近いと思われる場所を特定して、その位置にドリルで穴を開ける事しか出来ない。

40mmの丸棒の場合、ジグとして20mmの平行定規を使えば理論的には真円の中心は簡単に求められる。画像はその方法を示している。45度定規の一部が20mm巾になっているので、それを実際に使ってみると、描画された中心の位置に軽く2mm程度のばらつきが出てしまう。目で見ても、明らかに中心に非常に近いと思われる場所からは外れている事がすぐ判るほどだ。

では、どうするかと言うと、

本来摩耗防止用の軸受けとしてのワッシャ-を使う。それを、まず目測で同心円状に配置して、更に目測でワッシャ-の中心に限りなく近いと思われる箇所に鉛筆で印を付けおいて、その位置にドリルで穴を開ける。

でも、それも簡単ではない。

丸棒の長さに沿って平行に、例えば3,4cmの深さの穴を掘るのは至難の技だ。旋盤を使う事も出来るが、色々と面倒な事が多い。通常、物に穴を開けるのはドリル盤を使う。次の画像が典型的なドリル盤を示している。この画像を見れば判るが、通常は高さが10cmから15cm程度の材に穴を開けるものだ。長さが350mmもある長尺ものに穴を開けるようには出来ていない。

なので、自作したものが次の画像に見える。これで一応の穴あけ加工は出来る。でも、その時に1mm程度のズレが既に出てしまう。なので、軸径の6mmに対して6.5mmのドリルである程度の誤差をカバ-しているが、それでも不十分だ。

そして、取り付けのためにワッシャ-を再度目測で同心円状に配置して、実際にネジで留めると更に誤差が拡大してしまう。この時点では全てを手持ちで行っているからだ。どんなに慎重にワッシャ-を取り付けても最大で2mm程度の誤差は出てしまう。元々、真円でない物に同心円を求めるのが無理だからだ。

次の画像が結果を示している。ワッシャ-の内径部分にはみ出して見える丸棒の一部が目測での中心を邪魔している。

これを取り除かないと理想に近い軸穴は形成できない。補正のためには、ドリルで再度ワッシャ-の中心に穴を開ける訳だが、既にワッシャ-が取り付けられているので、手持ちのドリルで簡単に補正が出来る。

幸いに丸棒の中心位置の誤差は簡単な補正でも済むが、それにしても丸棒に軸穴を加工するだけでも時間がかかるものだ。織り機を作るのも簡単ではない事を示す良い例だ。




縦糸の張り方 - part 3

2015-01-18 10:46:32 | Weblog
私の最終的な目標は高齢者が苦労しないで織りを楽しめる手助けをすることだ。高齢者には糸を結びつけるような単純な作業も難しいことがあるからだ。

伝統的な織りの世界はガラパゴス的だ。例えば用語がそうだ。綜絖、一体何の事だか直ぐに分かる人は少ないだろう。私はそれを羽根板と呼び換えている。男巻き、女巻き、これも判りやすいように糸巻き、布巻きと言い換えている。その他にも「筬」等という用語がある。なんだか覚えてもいない。それに、整経、これは用語だけでなく、私の織り機の場合、その必要性すらなくしてしまった。整経も大変な作業だからだ。

さて、

織り機と織りを考える場合、縦糸の張り方と、もう一つは横糸を張る場合のいわば運用の問題があるが、運用の問題は経験値に連動するので深くは追及しない。

縦糸がちゃんと張れれば後は運用の問題と言っても過言ではないからだ。なので、主にパ-ト1で示した伝統的な方法の問題点を再度考えてみる。

1. 縦糸を張り終えるのに時間がかかる
2. それぞれの縦糸の張力が同一にならない
3. 4本ずつ結んだ房ごとの張力の調節は出来ない事ではないが手間がかかる上、一つの房を構成する個別の1本1本の縦糸の張力の調節が不可能な事
4. 4本でひと房単位での結びは縦糸の平行性を損ねている

私の織り機はこれらの諸問題を大幅に解決するものだ。以下、個別に画像を見せながら解説する。

まず、パ-ト2で考察したように、巻き取りを考えると縦糸はそれぞれ独立して張られる必要があるが、そのためには両端を結ぶ作業が縦糸の本数の2倍必要になる。60本の経糸で作業する場合、120回の結び作業をすると言う事で、パ-ト1で見たように伝統的な結び方は特殊なやり方なので、尚更手間がかかる。

私の場合、結びと言うものは糸の端にル-プを作る以外は行わない。画像を見て欲しい。

このようなル-プを縦糸の本数だけ作って、糸巻き側のペグに引っ掛けるだけだ。反対側の端はル-プすら作らないで作業を進めて行き、最後に押さえ金具で押さえるだけだ。その押さえ金具を最終的にしっかりと閉める前に、個別の縦糸のゆるみを引っ張って直すだけになる。大変な時間の節約になるだけでなく、個別の張力調整を可能にするので、出来上がった布が部分的に弛んでいるような事が起きない。

糸巻き側の糸端の処理の最終場面は次の画像に示されている。縦糸の端がペグから外れない様に押さえ金具で留めてある。金具の両端に2本のネジで締め付けるだけで、木ネジではなくビスを使って、ロ-ラ-内部に固定した鬼目ナットに固定する仕掛けなのでねじ止めの場所も決まっている。

この画像では木製のペグを使っているが、最終的には真鍮の丸頭クギを使う事になる。コストと加工の手間、それに糸張り時の扱いやすさを考慮しての話だ。

で、布巻側の処理だが、糸を羽根板に通す必要があるので、少しづつ、以下の画像の様に縦糸を大雑把に振り分けて行う。羽根板を通す事で糸の順序も次の画像にあるように自動的に整理されるが、
それでもよく見ると隣通しの縦糸が交差していたりするのでクシを使って整える必要はあるが、簡単な作業だ。次の画像では既に布巻側にも押さえ金具が取り付けられていて、整理が済んでない部分が垂れ下がった状態を示している。
この画像の押さえ金具と羽根板との間の縦糸は既に全て平行に整理されている。この後の作業は糸巻き側で糸を巻きこむことだ。そのために布巻側の押さえ金具は緩く閉められている。垂れ下がった部分にクシを入れたりしながら少しづつ巻き上げて行くと、次の2枚の連続画像の様になる。


この時点で個別の縦糸を引っ張ると、緩い場合は縦糸が手前に出て来る。そして止まってしまう。60本を引っ張るのは簡単だ。数分で出来るので、最後に金具を締めて完了だ。

そして、羽根板を中立の位置から上か下に動かせば、次の画像のように綺麗な開口部が形成される。もし、1本でも糸の弛みがあれば、このような綺麗な三角形の開口部は形成されない。

個別の縦糸の張力を調整出来る事、そして、いちいち端を結ばないで全部一緒に固定出来る事、これは素晴らしい仕組みで、自画自賛している。実機では布巻側にも30本の真鍮の丸頭クギを打ち付けて縦糸の整理を更に楽にする予定だ。

次の画像は横糸を張り始める準備として、木の平たい板を開始位置にセットした所だ。なくても構わないが、差し込んでおくと最初の数回の横糸通しの時に便利だ。次の画像はそれを横から見たものだ。その次の画像は最初の横糸がシャトルで三角形を通り抜けた直後を示している。右端の短い横糸の出っ張り部分は折り返して縦糸の間にしまい込んでしまえば、そのうちに見えなくなる。

数回横糸を通したのが次の画像、そして更に織り進んだのが最後の画像だ。

クシや補助的に使う細板などが見えるが、本質的に重要な小道具ではない。運用上の注意点は勿論あるが、それらはマニュアルに記載されるので、ここでは触れない。私の織り機の改良は続けられるが、基本的な考え方は既に述べた通りで、あくまでも介護施設などにいる高齢者が手軽に楽しめる趣味を提供するものだ。


縦糸の張り方 - part 2

2015-01-17 16:55:13 | Weblog
まず、以下の動画を見て欲しい。




この動画は私を文字通り驚愕させた。正直、この織り機のアイデアと縦糸の張り方は三つの点で革命的だ。ただ、総合的にみると問題はある。それは、このままでは織り機の縦方向の長さ以上の織が出来ない点だ。でも、優れた点を最初に見て見よう。

1. 縦糸の選択的上下のために穴を使わないので縦糸の設定が簡単で短時間で済む
2. 縦糸の奥と手前側で一本ごとに縦糸を結ぶ必要がない
3. 上記の2に関連して、それぞれの縦糸の張力が自動的に(理論的には)同一になる

問題点は:

1. 織れる布の長さが限られている


優れた点の第一は本当に革命的だ。間違いなく特許が取得されているだろう。人類は恐らく直近の1000年以上は穴と溝を使った縦糸の上下の仕組みから踏み出す事が出来なかっただろう。最大の理由は穴と溝のアイデア自体が、それ以前の奴隷による手作業に変更を考えるには勿体ないほど直感的に優れているし、変更する差し迫った理由も見つからなかったためだと思う。

穴と溝の問題は縦糸の数が穴と溝の合計した数だけ別々に必要で、糸通しを使って一本一本通さなければならないのに、この織り機では1本の長い縦糸を使うだけだからだ。本当に革命的だと思う。

2番目の利点も特筆ものだ。伝統的な織り機では縦糸の4本ずつをひとまとめにして糸巻き側、布巻側の両方で結ばなければならない。結ぶ数だけでも相当なものだ。然も、隣通しの縦糸の張力を同一にするのは非常に難しい。この織り機では一本の同一の縦糸を要所要所に引っ掛けるだけで済んでしまう。これも本当に革命的だ。

3番目の利点も、理論的には本当に革命的だ。織りにあたって文字通り死活的に重要なのは縦糸の張力を全ての部分で一定にする事だが、この織り機の場合、糸の折り返しの部分での抵抗がゼロであれば、理論的には縦糸の全ての部分で張力が自動的に一定になるからだ。実際には、折り返しの部分での抵抗は折り返しの数だけわずかでも積算されるので、一番左側と、一番右側の糸ではかなりの差が出るように思われる。

ただ、これも折り返しの部分をテフロンで加工すれば問題はなくなる。現状では単一の糸を使う事が逆に災いして、個別の張力の調整が出来ない。

次に、問題点を考えてみよう。この織り機には巻き取り用のロ-ラ-が付いていないので織れる布の長さは織り機の奥行寸法以上を越えられない。つまりランチョンマット程度の布しか織れない。マフラ-等を織れないのだ。

それを解決しようとして奥と手前にロ-ラ-を導入すると、上記の革命的な利点の全てが同時に消え去ってしまう。とても残念な点だ。

この稿は既に長いので、これで終了するが、私の織り機も上記の問題点を全て解決する別の革命的なものなので画像を多用して別途アップする。

ガイドブックにない情報-シリ-ズ

2015-01-17 06:44:39 | Weblog
ガイドブックは嘘はつかないが、だからと言って雑な記述は許されない。

日本では鉄道網が極端に発達しているので、どんな目的地にも電車で行ける。でも、他の国ではバスしかないので、私のように国内でバスに乗らない人間にはとても苦痛である一方、乗ってみれば意外と楽しいし、安いし、時間に正確かは今の処不明だが、問題はバスの乗り方、降り方だ。

「世界バス乗り場ガイド」があるべきだ。旅行先では時間は貴重だ。乗り場を探し、あるいは降りるべき場所を特定するのに時間を取られるのは嫌だ。あるいは、仮に歩ける距離でも実際に歩いた体験を元にしたガイド記事には出会ったことがない。

どのガイドブックも、都市なら地下鉄(あれば)やバス、地方なら尚更バスでの移動時間しか記述していない場合がほとんどだ。特に問題なのはバスで、「どこそこの駅を降りるとバス停がある」と書いてあるのが多いが、私の経験では、その特定のバス停を見つけるのに1時間以上はかかることが多い。

都市のバス停の場合でも判りやすい説明は皆無だ。路線番号しか書いてない場合がほとんどで、大抵の場合、地図の該当箇所に記号が記してあるだけだ。実際に行ってみると判るが、50mの誤差があればすぐに様々な疑念が生じる。然も、その場所で、通りのどちら側にあるなのかも書いてない。地元民には明白でも、旅行者には明白ではないのだ。

なので、このシリ-ズは世界各地のバス停と関連する移動の話に特化する積もりだ。

「続く」

Possible end to my blog articles

2015-01-15 09:13:45 | Weblog
Friends and colleagues

From 4th to the early hours of 5th February I will be attempting to reach the summit of a particular mountain, which is, if my memory serves me right, at an altitude of 4095 meters.

If, for any reason whatsoever, I fail to make it back to the ground level this blog of mine will come to its natural death.

Details of mopping up operation have been given to my relatives, and I will be joining the rest of my fellow fish off the coast of Okinawa.

So, best, just in case.

ゴミ箱としてのテ-ブル

2015-01-06 07:35:21 | Weblog
コ-ヒ-すら落ち着いて飲めない

一見エレガントなカフェに入ってお茶するとする。日本の話だ。フォ-トナム&メイソンの2階あたりなら多少は違うが、普通はコ-ヒ-を頼むとミルクが小さなプラカップに入って出て来る。シュガ-スティックも当たり前のように同伴する。それにスプ-ンもだ。

ミルクを入れる。で、空の容器はその辺に置いておく。使ったスプ-ンも同じだ。見苦しい。テ-ブルはごみ溜めなのか?因みに恐竜バタ-ナイフは同様の発想から生まれたものだ。共鳴する人は多い。

なので、空の容器や汚れた不必要のスプ-ン等をどうするかが当然問題になる。サ-ビエットも同様だ。

「続く」