先日、かねてから闘病中だった叔母が亡くなりました。
葬儀に行くことになったのですが、同行する母が
「(着物の)喪服を着るかどうか悩んでいる」
というのです。母の話はこうです。
「着物を着るのは苦しいし、出来れば着たくないと思っている。でも、故人は親族の葬儀のたびに『着物を着るのは大変だけれど、お世話になった方だし、きちんと着物を着て送ってあげようよ』というような人だった。私が今まで親族の葬儀に何度となく和服を着てきたのは故人がそう言うからだった。その故人自身の葬儀に洋装で出席するのは故人ご本人の供養にならないのではと思う。でも苦しいのも辛い…」
私は十数年前、いとこの結婚式のときに母に留袖を着せた経験があり、その時に私の着付けを楽だと言ってくれていました。私が
「じゃあ、私が楽に着せてあげるよ。洋装で葬儀に参列して心残りなことをするよりその方がいいのでは?私はその後も長年楽な着せ付けを研究してきたから前に着せた時より絶対楽なはずだよ」
と言うと
「じゃあそうさせてもらおうか」
となり、母の喪服は現地で着せ付けをしました。すると
「あら~、こんな楽な着付けってしてもらったことないわ~。こんなに楽なら着るか着ないかで悩んでいたのがバカみたいだったわ」
と母は何度も言い、式が終わっても
「食事も普段通りに出来、しかも着崩れも全くしなかった。お蔭様できちんと送ってあげられた。有難う。あんた、この着付け方を広めるといい。大分腕をあげたじゃないの!」
と誉めてくれました。普段辛口の母が真から誉めてくれたのは何より嬉しかったし、励みにもなりました。今まで自分が教わってきた着付けの技術だけに満足せずに、自分自身の理想を求め一所懸命研究してきた努力が報われたような気がしました。
着物は苦しくなく着られます。
これからも多くの方々に私の技術を喜んでいただけるように前に進みたいです。そしてこの度私のことを可愛がってくれた叔母が亡くなったのは本当に悲しい出来事でしたが、母が思い残すことなく送ってあげられたのは何よりでした。
ご冥福をお祈りいたします。
川口着付個人教室
http://www.wbcs.nir.jp/~yoko/
葬儀に行くことになったのですが、同行する母が
「(着物の)喪服を着るかどうか悩んでいる」
というのです。母の話はこうです。
「着物を着るのは苦しいし、出来れば着たくないと思っている。でも、故人は親族の葬儀のたびに『着物を着るのは大変だけれど、お世話になった方だし、きちんと着物を着て送ってあげようよ』というような人だった。私が今まで親族の葬儀に何度となく和服を着てきたのは故人がそう言うからだった。その故人自身の葬儀に洋装で出席するのは故人ご本人の供養にならないのではと思う。でも苦しいのも辛い…」
私は十数年前、いとこの結婚式のときに母に留袖を着せた経験があり、その時に私の着付けを楽だと言ってくれていました。私が
「じゃあ、私が楽に着せてあげるよ。洋装で葬儀に参列して心残りなことをするよりその方がいいのでは?私はその後も長年楽な着せ付けを研究してきたから前に着せた時より絶対楽なはずだよ」
と言うと
「じゃあそうさせてもらおうか」
となり、母の喪服は現地で着せ付けをしました。すると
「あら~、こんな楽な着付けってしてもらったことないわ~。こんなに楽なら着るか着ないかで悩んでいたのがバカみたいだったわ」
と母は何度も言い、式が終わっても
「食事も普段通りに出来、しかも着崩れも全くしなかった。お蔭様できちんと送ってあげられた。有難う。あんた、この着付け方を広めるといい。大分腕をあげたじゃないの!」
と誉めてくれました。普段辛口の母が真から誉めてくれたのは何より嬉しかったし、励みにもなりました。今まで自分が教わってきた着付けの技術だけに満足せずに、自分自身の理想を求め一所懸命研究してきた努力が報われたような気がしました。
着物は苦しくなく着られます。
これからも多くの方々に私の技術を喜んでいただけるように前に進みたいです。そしてこの度私のことを可愛がってくれた叔母が亡くなったのは本当に悲しい出来事でしたが、母が思い残すことなく送ってあげられたのは何よりでした。
ご冥福をお祈りいたします。
川口着付個人教室
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