先日インドネシアに赴任中の息子の家に初めて遊びに行きました。
既婚の息子には今年の3月に子供が産まれて、普段、息子は会社勤務中のお嫁さんと赤ちゃんと3人で暮らしています。お嫁さんは育児休暇取得中で会社のお仕事はしていませんが、会社からは給与の補填があるそうです。慣れない土地での子育ては本当に大変なのですが、自身の収入源があるというのは少しだけ羨ましいと思いました。
私が会社に入った頃は男女雇用機会均等法が施行されたばかりの時代でしたが、私が当時勤めていた会社も含め、多くの会社はまだ男尊女卑の部分が多かったです。それでも私は結婚して妊娠しても7ヶ月までは頑張って働いていましたが、出産後、保育園を予約することも至難の業でしたし、近くに支えてくれる親族も居なかったのでその後は会社を辞めることが自然な選択肢となりました。
結果専業主婦となり、子育てに専念することになったのです。
主人は、大方のサラリーマンがそうであったように朝早く出勤し、夜の帰りも遅かったので、家事と子育ては完全に私の担当となり、私自身が仕事に出るようなことは到底出来ない状況でした。当たり前の如く、私には収入がなく主人に養ってもらっていました。
学生時代までは男女も平等で同等に働くべきだと教育されていたのに、周りの環境は追いついていないし、何より、自身が社会と切り離されて、私は子育てと家事を無償でする以外は誰からも何も評価されず、社会の中では何も価値がない人間なのではないか、でもそうではない、私はここにいるんだと言える何かが欲しくて、もがきながら自分は
「川口さんの奥さん」
「〇〇くん(子供の名前)のお母さん」
以外の、社会とつながっているという証が欲しくて常に模索して過ごす日々でした。
そもそも今の着付けのお仕事はそんな葛藤の中で始めたのでした。
さて、現在私はその頃から続けてフリーランスの着付師、着付け講師として仕事をしています。30年近く一生懸命着付けの分野の技術や知識を磨いてきました。がむしゃらに育児も家事も仕事も頑張ってきました。
ですが、5年ほど前から更年期症状が出始めたり、3年前から『左右の手の指の腱鞘炎』そして昨年は『右肩の痛みから腱板断裂』をわずらったりしました(それぞれ手術しました)。そして今度は『左肩の痛み』が発症していて治療中です。着物をきちんと着る、着せるということが意外と力仕事or体力勝負であったんだということを思い知らされます。
そして、悲しいかな、身体の不調の度に私の仕事が思う存分出来ないという状況になっています。私の仕事は実際身体を動かさないとお仕事ができない職種です。長い不調が続く中、一体いつになったら思い切り仕事が出来るようになるのでしょうか…?
そういう先の見えない時期が、精神的にも大変な苦痛であるということを実感する日々です。
また、着付けのお仕事をするだけでなく、フリーランスのお仕事をされている方々全般の地位を向上させて、安心して働けるようにするアクションができないものかとも考える今日この頃です。
川口着付個人教室
http://www.wbcs.nir.jp/~yoko