着付けの気づき

着付けの個人教室を行っている先生が、着付や着物に対するこだわりの思いを中心に語ります。

フリーランスのデメリットについて

2024-09-13 15:41:36 | 着付け

先日インドネシアに赴任中の息子の家に初めて遊びに行きました。

既婚の息子には今年の3月に子供が産まれて、普段、息子は会社勤務中のお嫁さんと赤ちゃんと3人で暮らしています。お嫁さんは育児休暇取得中で会社のお仕事はしていませんが、会社からは給与の補填あるそうです。慣れない土地での子育ては本当に大変なのですが、自身の収入源があるというのは少しだけ羨ましいと思いました。

私が会社に入った頃は男女雇用機会均等法が施行されたばかりの時代でしたが、私が当時勤めていた会社も含め、多くの会社はまだ男尊女卑の部分が多かったです。それでも私は結婚して妊娠しても7ヶ月までは頑張って働いていましたが、出産後、保育園を予約することも至難の業でしたし、近くに支えてくれる親族も居なかったのでその後は会社を辞めることが自然な選択肢となりました。

結果専業主婦となり、子育てに専念することになったのです。

主人は、大方のサラリーマンがそうであったように朝早く出勤し、夜の帰りも遅かったので、家事と子育ては完全に私の担当となり、私自身が仕事に出るようなことは到底出来ない状況でした。当たり前の如く、私には収入がなく主人に養ってもらっていました。

学生時代までは男女も平等で同等に働くべきだと教育されていたのに、周りの環境は追いついていないし、何より、自身が社会と切り離されて、私は子育てと家事を無償でする以外は誰からも何も評価されず、社会の中では何も価値がない人間なのではないか、でもそうではない、私はここにいるんだと言える何かが欲しくて、もがきながら自分は

「川口さんの奥さん」

「〇〇くん(子供の名前)のお母さん」

以外の、社会とつながっているという証が欲しくて常に模索して過ごす日々でした。

そもそも今の着付けのお仕事はそんな葛藤の中で始めたのでした。

さて、現在私はその頃から続けてフリーランスの着付師、着付け講師として仕事をしています。30年近く一生懸命着付けの分野の技術や知識を磨いてきました。がむしゃらに育児も家事も仕事も頑張ってきました。

ですが、5年ほど前から更年期症状が出始めたり、3年前から『左右の手の指の腱鞘炎』そして昨年は『右肩の痛みから腱板断裂』をわずらったりしました(それぞれ手術しましたそして今度は『左肩の痛み』が発症していて治療中です。着物をきちんと着る、着せるということが意外と力仕事or体力勝負であったんだということを思い知らされます。

そして、悲しいかな、身体の不調の度に私の仕事が思う存分出来ないという状況になっています。私の仕事は実際身体を動かさないとお仕事ができない職種です。長い不調が続く中、一体いつになったら思い切り仕事が出来るようになるのでしょうか…?

そういう先の見えない時期が、精神的にも大変な苦痛であるということを実感する日々です。

また、着付けのお仕事をするだけでなく、フリーランスのお仕事をされている方々全般の地位を向上させて、安心して働けるようにするアクションができないものかとも考える今日この頃です。

 

川口着付個人教室
 http://www.wbcs.nir.jp/~yoko

 

 

 

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腱板断裂手術後1年が経過しました

2024-09-04 14:49:32 | 腱板断裂
右肩腱板断裂の手術をして丸一年が経ちました。
少しずつですが、後ろに手を回し、上にあげることが出来るようになってきています。目標の、
「肩甲骨あたりまですんなりとあげられるようになる」
にはもう一息といったところまできて、何となく先が見えてきました。

さて、ここで新たな問題が発生してきました。
何と、今度は左の肩が痛み出してきたのです。
実は少し違和感を持ち始めたのは右肩の術後10ヶ月が経過した頃です。
約一年前、右肩の手術が決まった際に整形外科では左肩の超音波検査もしていたのですが、その際
「左肩の腱も少し切れちゃってますね」
と言われていました。
それを告げられた時は大変ショックでしたが、肩の腱板は加齢で自然に切れているような人も多く、また、切れているけれど、痛みが出ない状態で過ごしている方が多いこともネットの情報として知っていました。
兎に角右肩を治して、左肩に関しては断裂が広がっていかないように気をつけて痛みが出ないように過ごしたいと考えていました。
なのに…、です。

そもそも腱板が少しでも切れてしまうと自然に治るということはほぼ無いということも知っていましたので、気をつけて過ごして、それでも痛みが出てきた時は温存(痛みを軽減させるリハビリをして手術を回避する)療法などを試すことなく手術で根本的治療をしてもらおうと考えていました。
ですが、まさかその日がこんなに早く来るとは思いもしませんでした。
そして、この度痛み出した左肩も手術をしてもらうことになればまた半年や一年、或いはそれ以上は着付けの仕事が思うように出来ない期間が出来ることが確定した訳なので正直本当に落ち込みました。
ですが、
左は利き手ではないので、右に比べれば不自由になる度合いは少ないかも知れませんし、今や右肩を手術した経験はある訳なので、どのように回復していくのかは経験済みです。
この際、左も手術でしっかり治していただこうと決心しました。

実は右肩を診ていただいてきた病院の対応には色々と不満がありましたので、左肩が痛み出すようなことが起こってきたら病院を変えてみることを考えて前々から色々な方に相談して情報収集をしていました。
結果、主人の知り合いの医師に紹介していただいた先生がいらっしゃる病院に行き左肩のMRIを撮っていただいたところ、
「(左の腱板は)切れてないよ。これ、リハビリで治っちゃう。超音波で切れてるって言われたの?普通は超音波で調べて怪しい、となった時にMRIで調べるんだよ」
「切れてない。間違いない」
「リハビリは週に1回位通ってもらわなくちゃならないだろうけど、もう少ししたら思う存分仕事が出来るようになるよ。大丈夫だ!」
と言われました。
「え?切れてないんですか?」
手術を覚悟して伺っていたので、あっけにとらわれました。
打診されていた、成人の日の着せ付けのお仕事や、来年度の美容学校の和装技術の講師としてのお仕事も、お断りしなければならないと思っていましたが念の為その点も尋ねたところ、
「出来ると言っておいていい」
と言われました。
何と頼もしいお言葉。
今まで、悶々と、前に進めないでいた私の目の前の霧が一気に晴れ、大変有難く思いました。
嬉しくて涙が出ました。

そういう訳で暫くはまた整形外科でのリハビリに通わなければならなくはなりますが、左右の肩共ども、心配なく仕事に復帰できるような肩になるようにもう一踏ん張り頑張りたいと思っています。
 
川口着付個人教室
 http://www.wbcs.nir.jp/~yoko
 
 
 
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