ピアノ調律師(滋賀県、京都市)の独り言

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40年以上前のピアノの象牙鍵盤の復元(黄ばみの除去)

2011-08-15 22:57:15 | Weblog
40年以上前に製造された縦型ピアノの修理を依頼されました
修理予算は18万程度という事で少々掛かっても、思い入れのあるピアノという事で
直してもらいたいという事でした
なるべく、現状の部品を使って交換を少なくし予算を抑えてあげようと
思っていますが、いくつか仕方の無い部分があり
それでもなるべく多く「おつり」を出せるように取り組むつもりです
しかし手間はやはり相当掛かりそうです

まず、ピアノの弦を打弦するハンマー
もうファイリングという削る作業をしても迫力が戻らなくなっていました
硬化剤では納得の行く音が得られそうにないので
ハンマー交換する事にしました

ピアノ線は低音部を全部外して磨きなおし
外したおかげで、中音部から高音部までサビ落としが出来ました
それで弦の交換はせずに音を戻すのは
新しいハンマーの力に頼ることにしました

なによりこのピアノは象牙の鍵盤であり
変色があるものの、とてつもなく酷いもので無かった為
「これは戻せるかも知れない」と思い復元する事にしました
写真でみるより実際はもう少し黄色く変色しています

鍵盤の木材部も綺麗になっていますが、ペーパーを掛けて汚れをおとしました

写真では中央で分けていますが、左側が復元し終えたもの
右側が復元前の鍵盤です

象牙は独特のライン模様が付いていて
これがなかなか美しく高級感もあり
なんとも言えない良さです


写真では分かりにくいですが波のようなラインがあり
やっぱり良いですね
まだ、鍵盤の小口のアクリの張替えも残ってるし
バランスクロスなど磨り減ったクロスの総交換もあり
ハンマー交換もこれからですが
仕上がりが非常に楽しみになってきました

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