今、ジェフ・エメリックというビートルズの録音エンジニアの本を読んでいて
スピーカーをマイク代わりにしたり
今では常識的な処理となったドラムのバスドラに毛布を詰め込む
マイクをドラムの至近距離に設置するなどのテクニックを世に広めた人物なんですが
他にもピアノをピアノっぽく聴かせない
ギターをギターでない音にするなど
ビートルズの天才的な発想を実現する為に
ピアノやキーボードを数台重ねる
演奏全体のスピードを落として、別録音のものと
入れ変えが分からないように繋げる
年齢より若くボーカルを聞かせる為にテープの回転を上げるなど
創意工夫でポップスを芸術の域まで高めた一人だと思う
レコードというものはライブと違うので
ライブで演奏する目的に作るのでは無い
演奏家は、しばしこの事を忘れるけど
ライブはまたライブで違う表現であっていい
でも、ライブのテクニカル的な進化で
レコード通りを求める人もいたりする
別にそれは間違えでないと思うけど
音楽って生き物だと考えるので、だったらCDを流して
パクパクで演奏してるフリをすればいいんじゃないか
ピアノの調律にしても機械を使って合せるなら電子ピアノで良い
楽器の味わいは人間的である事だと思う
アラン・パーソンという人はエンジニア出身のミュージシャンで
ビートルズにも関わり、ピンクフロイドのエンジニアで有名になった人
この時代はまだ音を丁寧に録音する時代で
今も70年代の音楽や80年代の音楽が愛され続ける理由に
録音に対する姿勢があるのではないかと思う
今も良い音で録音する事は当たり前だけど
良い音って根本的になんぞや?という話はやめておきたいけど
現在どのCDも同じドラムの音、ギターの音、ピアノの音って多い気がする
シンセというか、音源は進化してきて1聴すると
本物のピアノと変わらないように聞こえるものもあるけど
時々走る弦の微妙な響きや不協和音的なダンパーの響きが
ピアノの魅力だし
勿論、ノイズの無い整えられた音を技術者は目指すのだけど
それでも出てくる空気感が魅力のような気がしますが
みなさんは如何思われますでしょうか
Alan Parsons Project - Time