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裾野市千福の十二神社に行った際、裾野にはもうひとつ十二神社があると知り、
近いうちに行こうと考えてたら思ったより早く機会ができました。
こちら須山の十二神社は千福よりも場所がわかりづらい。
しかもネットには橋のない川を渡っていかねばならない…という無理無体な情報が。
須山二区集会所の裏の山の方に十二神社があるようですが特に案内は出てないです。
集会所の右横に細い道があり、どこまで車で行けるかヒヤヒヤ進んだら
割とすぐに神社の駐車場(広い!)に辿り着きました。
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細い道を下ると左に駐車場
右が神社
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これが橋のない川。
川の向こう岸に鳥居が。
川というか、道路がそのまま川に入ってるような、なんとも不思議な参道(?)
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川の手前には美都波能売神。明治16年造立の水神様。
すごく立派な石垣の上にあります。
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川はこんな感じ。
山からチョロチョロ水が流れこんでる箇所もあるけどほとんど水無川。これなら橋がなくても渡れます。
ちょうど神社を管理してる方にお会いできて話を伺いましたら
たまに大雨などで水が流れることもあって、そういう時はやはり渡れなくなるそうです。
参拝の皆様も川が出現してる時は無理に渡らないでくださいね。
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しかしどうしてこのような場所に神社を建てたのでしょうね。
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社殿は今年(令和4年)3月に新築されました。ピッカピカで綺麗。
管理の方が中に入れてくださりいろいろ説明してくださいました。新しい木の香りが爽やか。
自衛隊演習場があるこの土地ならではの話とか、源頼朝の巻狩りにまつわることとか、
面白くて勉強になりました。
こういう小さな神社は史料が少ないのでお話聞けてラッキーでした。
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千福の十二神社は天神七代・地神五代の十二神を祭神としてるので、漢字コピペしたり打ったりするのが大変で大変で。
でもこちらは天津日高彦瓊瓊杵尊と大国主命の二神だけ。とっても楽。
十二神社とは、千福のように熊野権現関連の十二神を祀るものと
十二山ノ神、十二様などと呼ばれる山の神をまつるものがあり、後者はなぜか新潟県の山間部に多く、
ここ須山の十二神社も同じような山の神系だと思われます。
なぜ十二なのかは、神仏習合の観点から十二神将や十二天との関係だとか、干支も十二だし、
とにかくよくわからないけど十二は特別な数字みたいです。
(千福のとこでチコちゃん説も紹介した)
十二というのは具体的な数を意味するのではなく、むしろ極まった数の観念として神威の大きさを表しているようにも思える
「十二山ノ神の信仰と祖霊観 菊地章太」より
という考えがしっくりきます。十二という単語、存在自体が神ということで。
古い民間信仰なので祭神は様々。もともと祭神なんかなかったのですから。
ここの十二神社は瓊瓊杵尊と大国主命を祭神としながらもでも地元では徳川家康を示す「権現さん」と呼ばれているそうです。
享保年間の再建以前のことは不明だそうですが家康が出てくるあたり、
古くから山の神を祀っていた場所に、きちんとした形の神社ができたのは江戸時代初期頃なんだろう、と想像してます。
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樹齢数百年の杉に囲まれて読めない石塔がポツンポツンと。
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かなり昔の切り株。
迫力あります。
裾野市のふたつの十二神社に無事参拝できてとても満足。