その４５９．朝からどこへいくのやら

６時２８分野田阪神発、新大阪行バスに乗って
会社に行くことがある。冬の早朝は、辺りがまだ暗い。

私のルーティーンでは出社は５時頃だが
たまに朝MAXで一服してから行く時は６時２８分発になる。
始発にもかかわらず結構な人が乗る。
おそらくこの路線で最も混む時間帯なのかもしれない。
しかし乗客の平均年齢はゆうに８０歳を越えている。
Macには朝帰りの若者が居眠りしているのに
このバスにはまだ通勤客や学生はいない。
彼や彼女から見れば私は息子の年齢でこのバス内では最年少。
皆さん杖もなく歩いて乗ってくるから
年齢の割には健康なんだと思うが
車内は妙な雰囲気が漂っている。
最高齢はいつも荷物をたくさん下げて乗る足の悪いお祖母さん。
いつ見ても荷物をたくさん下げている。
そして必ず一番に乗り込む。
続いて８０歳組が大挙して乗り込む。
私はいつもしんがりだ。
乗客は多いので私一人が入っても平均年齢は８０歳を越えている。
出発前の車内では皆さん挨拶を交わして席につく。
出発進行。

福島７丁目まではいくつかバス停はあるが、ノンストップ。
こんな早くから乗る人もいない。
福島７丁目。降車ボタンを押さずとも停車する。
運転手も分かっているのだ。
私と最高齢のお祖母さん以外は全員降りる。
お寺の朝のお務めでもあるのだろうか？
どこへ向かうのか、一度一緒に降りたいものだ。

最高齢お祖母さんと私を乗せたバスは福島７丁目を出発。
私は２つ先の大淀３丁目で降りる。
お祖母さんのみ乗せてバスは新大阪に向かうが
お祖母さんの行方も知りたい。

本当にバスは新大阪に向かっているのか？
ひょっとするとこの世とあの世の往復をしているのではないか？
百鬼夜行・・・その帰り道のバス？まさかね・・・
何度乗車しても、福島７丁目で私と最高齢お祖母さん以外は降りて
私を大淀３丁目で下ろしたあと、最高齢お祖母さんのみを乗せて走る。
今朝も不思議な空気を満載して野田阪神をバスは出る。