その７１．高松地元スタッフ②

前号のその７０．高松地元スタッフ①よりつづく、
高松顛末その②のはじまり、♪はじまり♪

11月21日。高松での本番２日目が始まった。


（倉庫を特設会場にする）

信じられないが、スィッチャーのオッチャンが
今日はPPT（パワーポイント）出しに降格。
そういえば昨日のスィッチャーさんは、朝からめちゃくちゃ酒臭かったが、
まさか二日酔い？詮索してもはじまらない。
これもやる気が生んだ新たなる火種なのか…。
そのかわり昨日のPPT出しにして
元カメラマンのオッチャンがスィッチャーに昇格した。
しかし、ゆるいなぁ。ありえんなぁ。今日も状況はかなり厳しい。
どうして金毘羅の神は私にかくも過酷な試練を与えるのか？
なんて書くと賢明なる愛読者の皆さんから
「とかなんとか言いつつも、楽しんでるくせに！」と詮索されるが、
まさにご明察！楽しんでます、私！
大丈夫ですよ、そのうち立て直しますから(笑)！


（私に試練を与え続ける金毘羅さん）

今日はまた１からスタッフの立て直し。
まずスィッチャーに昇格した元カメラマンのオッチャンとの
スイッチングのタイミングを計らねばならない。
一言でタイミングと言うが、これが難しい。
「ハイ」と合図してから切り替えたのではすでに遅い。
できれば「ハイ」なしで、切り替えて欲しい。
地元スタッフだからどうのこうの言っても始まらないが、
流れを汲み取る努力＝何手先まで読めるか予測する訓練ができていなければ
当然時間はかかってしまう。
２日間やってようやく「ハイ」なしでもなんとかであるが、
ゆる～い地元スタッフは、流れを読む努力よりも、
私の合図に即応する方に努力してしまう。
こうなると私の合図のみが頼りになり、作品性は度外視。
結果、私の負担はますます重くなる。
今日もまたスイッチングのタイミングが微妙に遅れる違和感と
スイッチングミスへの怒りが、私のココロを乱しまくる。


（倉庫内は電源が乏しく、
　映像・音響・照明用に地元スタッフは発電機を持ち込む）

１日１回のステージではミスを修復し翌日完璧にするという
作戦Ａ「ミスは結果オーライでごまかしちゃうぞ」作戦は通用しない。
１日１回のステージなのでミスをしても気が抜けて、翌日同じミスを繰り返す。
２日目にも関わらすミスが再発する。なんちゅうことすんねん。
ということで今日も60点。情けない…
しかし名監督たるもの昨日をそのまま踏襲したのではなく、
今日は舞台待ちの機械オペレーターのスポンサー若手社員を手待ちの間、
無人カメラとして２カ所のみ使った２カメのカメラマンに任命したことで、
ライブカメラワークに広がりがでた。
「広がりがでた」と言い放ったが、
私のカメラマンへの指示声を再現すると
「もう少し右を詰めて…今度は上が空いたよ…また右が空いたよ…
ズームをさわらないで…」とワンカット毎に指示しなければならない。
こんな事をしていると映像出しのタイミングがおろそかになる。
しかし元カメラマンのスィッチャーはひたすら私の指示を待つ。
もちろん大抽選会ではスィッチャーを離脱しカメラマンとして、
この時ばかりはイキイキしている。

私の悩みの種は、日替わりするスィッチャー。
これではさすがの名監督もどうスタッフワークをとっていいのか、
怒りを越えてこちらまでゆる～くなる。
何と高松４日目は元カメラマンのオッチャンは休日で、
若いオネエチャンがPPT出しをして、
初日にスィッチャーをした酒臭かったオヤジが再びスィッチャーをするとかで、
今日は朝からオネエチャンが見学タイム。
実は私は急遽現場で１日のスケジュールをPPTにしたく、
酒臭かったオヤジと元カメラマンのオッチャン二人掛かりで１点作成してもらった。
これがまた味けないものだったが確認だけなら「まっいいか」。
この不細工なPPTをオネエチャンに作り直してもらうと
なんと短時間で蘇らせてくれたのだ。やはり若いっていいね。
ひょっとしたら４日目はこのオネエチャンの参戦で
プラス20ポイントは稼げないだろうか？
私は一期一会に再びかけることにした。一期一会、それが旅の醍醐味です。

こうして私の高松宮杯２日目が終わった。
不完全燃焼だが、また今日も一期一会。
このブログて力説したスタッフ論とは何なの？情けない…しかし一期一会。
これもまた究極の街場監督の私に与えられた使命である。
夜はお好み焼き屋に繰り出し、ビールを呑んで鋭気を養った。


（雲の低くたなびきたる…ドン天の高松。よって現場休は返上。。。涙。。。）

明日は高松杯３日目。
人生初の現場休は天候悪化でオジャンとなる。トホホ…
（つづく）