白い月

白い月

旅支度

2013-08-31 13:48:41 | 心事ポエム
毎夜 旅支度する

鞄に入れたり 出したりを繰り返す

シフオンの白い薄布は

もう九月には似合いません

流れ出た毒の線量が越えたから

猪も茸も食べてはいけない

生ものは入れない

まして無冠の花を摘むなどは論外

私心無きやと囁く風が覗き込む

甘噛みする犬は知っている

侵してはならぬ午睡の月の静謐

風に揉まれ 雨に濡れそぼる無辜

頽れたカサブランカの無為の溜息

告げられた立ち位置がゆらぎ 

拡散するひと夏の幻夢の歌

故もない確信をも詰め合わせ

晴れ晴れと 今日を忘れ果てる