暗闇の中の情熱：ジ・アーケイド・ファイア ライブ（2/8 名古屋ダイアモンドホール）

カナダ・モントリオールのアート系インディバンド、記念すべき初単独公演。もしジ・アーケイド・ファイアの公演を見に行こうかどうか迷っている人がいるのなら、間違いなく見に行くべきです。１０人近い大所帯のこのバンド、ライブ会場がらがらでメンバーより観客の方が少なかったらどうしようなんてアホな心配をしてみましたが、なんと会場はほぼ満員。３００人くらいは居た？このバンドは玄人受けする事で有名ですが、ここまで人気があるとは・・・私のそばの３人組のオジ樣方も間違いなくその筋（業界人）。

今日は９人だった。左端がお気に入りのレジーンちん。小さくて可愛い。

個性的で一筋縄では行かないリズムをもつ彼らのライブは、インディのエネルギーとアートなセンスのコラボ。今最も旬なライブバンドですね。ホーンとストリングスを含む９人の大所帯による、ウィンのオタクっぽいひょろひょろしたヴォーカルに天に駆け上るようなメロディ、変化する階調に弦楽器のリフとコーラスが加わって紡ぎ出す独自の世界。アコーディオンや鉄琴、スピーカー（爆）やコントラバス、スネアにタンバリン、メンバーはいろいろな楽器を「早変わり」並のスピードでとっかえひっかえ演奏し、この人たち一体どうなってんの？状態です。

２枚目のアルバム「ネオン・バイブル」の"Black Mirror"で始まり、２曲目はシングル"Keep The Car Running"。音の厚さに鳥肌が。レジーンは右手でハンドルくるくるの謎の弦楽器です。ハイチ系フランス系カナダ人の小柄でエネルギッシュなレジーンちんはヴォーカル上手いとは思えませんが、踊るしドラム叩くしアコーディオン弾いてパイプオルガンに鉄琴に大活躍。オタクのウィンと対照的夫婦ですね？シンプルな中に個性とセンス、プリミティヴなエネルギー溢れるファーストの曲の方が客の乗りがいい。私もファーストの方が好きです。聞かせる曲の多い奥行きのある２枚目もいいのですけれどね。ライブのハイライトは"Neighborhood #3 (Power Out)"かっこいいですねん！かっこいいんですって！可愛い鉄琴の音とインディらしい荒削りなリフに調子っぱずれなウィンのシャウト、後半のストリングスの不調和音、いやあライブで聞くとかっこいいのなんのってもう。「電源を切れ」「電気を消せ」の歌詞に合わせて会場のライトを全部落とす演出も。"Neighborhood #3 (Power Out)"で盛り上がったところでそのまま"Rebellion(Lies)"。"Neighborhood #１ (Tunnels)"の後半の盛り上がりもかっこ良かったなあ・・・デビッド・ボウイやデヴィッド・バーン、ブルース・スプリングスティーンといった大御所がこのバンドの大ファンなのが、ライブ見て大納得の夜でした。

"Neighborhood #3 (Power Out)"何度見てもかっこいいですわ。