About a Boy(2002)
英国作家ニック・ホーンビイの小説を元にした、アメリカ人監督ポール&クリス・ウェイツ監督2002年制作、ヒュー・グラント主演作品。「ハイ・フェディリティ」の原作者だけあって、この作品も情けないダメ青年の日常と自分探しをテーマにした、心の声ナレーション付き、音楽満載の辛口スタイリッシュ・コメディです。しかし、これは題名の通り一人の少年マーカス(ニコラス・ホルト)の物語。アメリカ映画「リトル・ミス・サンシャイン」に通じる、ヒューマンコメディ。この呼び方は嫌いですが。今まで見た中ではヒュー・グラントの最高傑作です。
親の遺産で暮らす上層中流階級の青年ウィル(ヒュー・グラント)は、責任感ゼロでお気楽に生きている38歳。割り切った付き合いが出来そうだという理由で、彼女を探しに嘘をついて「シングルペアレンツの会」に参加します。ウィルはそこで知り合った女性を通して出会った少年マーカス(ニコラス・ホルト)に目を付けられ、奇妙な友情が始まります。マーカスはうつ病で自殺未遂の母親フィオナ(トニ・コレット)と暮らし、学校ではいじめを受けていました。そんな折、マーカスは歌うのが好きな母親のために、無謀にも学校主催のロック・コンテストに出場することを決心します。
↑ウィル(ヒュー・グラント)とマーカス(ニコラス・ホルト)。
ストーリーは比較的淡々としていて、派手に笑わせてくれるのではなく「静かに染み入るユーモア」。この映画が他の「子供によってダメ大人が変っていく映画」と決定的に違うのは、彼らの行動がことごとく意外であること。例えば学校でいじめられたときのマーカスの反応。誰もが予想する当たり前の行動ではなく、予想外の行動(つまり何もしない)ことで、映画に新鮮味と、リアリティと、ツイストを加えています。加えて、音楽PVのようなスタイリッシュな映像と、気の効いた会話、音楽担当のBadly Drawn Boyの曲やあちこちに散りばめられた印象的なロックやラップ。
↑フィオナ(トニ・コレット)一番熱演です。
"No man is an island"(人間は島ではない、つまり人間は一人で生きている訳ではないということ)というフレーズがキーワードとして出てきます。ウィルが語るようにジョン・ボンジョビが言った言葉かどうかは知りませんが・・・しかし、働かなくてもある程度いい暮らしが出来る彼は、他人と深く関わることを避け、自分は「孤島」であると表現します。物にも人にも執着せず、その日その日が楽しければいいという主義のウィル。好きな女性に嘘がばれて振られ、自暴気味の彼にマーカスは言います。「人と関わることは辛い、でも同時に喜びも与えてくれる」と。執着するものを持たないウィルは執着の対象を持ったことで、大事なものを失う辛さを知るのですが、人間は「失いたくない」物を持った時、全ての苦悩が始まるのです。しかし、同時に全ての喜びもそこから始まる・・・
↑マーカス(ニコラス・ホルト)。何者だか知らないが間違いなく主役です。
マーカス役のニコラス・ホルトの素晴らしいこと。愛らしいわけでもなければ、勇敢なわけでも歌が上手いわけでも無い。内向的でちょっと風変わりかも知れないけれど、だれよりも真剣に生きているマーカスを自然に演じています。そしてマーカスの母役トニ・コレット。エキセントリックでうつ病のベジタリアンをこれまた生き生きと演じています。この映画何が凄いってこの2人ですって!トニ・コレットは「リトル・ミス・サンシャイン」のお母さん役の人ですね。でもこちらの方が断然凄いです。この2人に負けずヒュー・グラントも頑張ってますけどね。どちらかというと深みの無い、何をやっても同じ印象だったヒューでしたが、今回はいつもの飄々とした軽さの中にもマーカスに会ってだんだん変っていく様が感じられるいい演技です。
英国作家ニック・ホーンビイの小説を元にした、アメリカ人監督ポール&クリス・ウェイツ監督2002年制作、ヒュー・グラント主演作品。「ハイ・フェディリティ」の原作者だけあって、この作品も情けないダメ青年の日常と自分探しをテーマにした、心の声ナレーション付き、音楽満載の辛口スタイリッシュ・コメディです。しかし、これは題名の通り一人の少年マーカス(ニコラス・ホルト)の物語。アメリカ映画「リトル・ミス・サンシャイン」に通じる、ヒューマンコメディ。この呼び方は嫌いですが。今まで見た中ではヒュー・グラントの最高傑作です。
親の遺産で暮らす上層中流階級の青年ウィル(ヒュー・グラント)は、責任感ゼロでお気楽に生きている38歳。割り切った付き合いが出来そうだという理由で、彼女を探しに嘘をついて「シングルペアレンツの会」に参加します。ウィルはそこで知り合った女性を通して出会った少年マーカス(ニコラス・ホルト)に目を付けられ、奇妙な友情が始まります。マーカスはうつ病で自殺未遂の母親フィオナ(トニ・コレット)と暮らし、学校ではいじめを受けていました。そんな折、マーカスは歌うのが好きな母親のために、無謀にも学校主催のロック・コンテストに出場することを決心します。
↑ウィル(ヒュー・グラント)とマーカス(ニコラス・ホルト)。
ストーリーは比較的淡々としていて、派手に笑わせてくれるのではなく「静かに染み入るユーモア」。この映画が他の「子供によってダメ大人が変っていく映画」と決定的に違うのは、彼らの行動がことごとく意外であること。例えば学校でいじめられたときのマーカスの反応。誰もが予想する当たり前の行動ではなく、予想外の行動(つまり何もしない)ことで、映画に新鮮味と、リアリティと、ツイストを加えています。加えて、音楽PVのようなスタイリッシュな映像と、気の効いた会話、音楽担当のBadly Drawn Boyの曲やあちこちに散りばめられた印象的なロックやラップ。
↑フィオナ(トニ・コレット)一番熱演です。
"No man is an island"(人間は島ではない、つまり人間は一人で生きている訳ではないということ)というフレーズがキーワードとして出てきます。ウィルが語るようにジョン・ボンジョビが言った言葉かどうかは知りませんが・・・しかし、働かなくてもある程度いい暮らしが出来る彼は、他人と深く関わることを避け、自分は「孤島」であると表現します。物にも人にも執着せず、その日その日が楽しければいいという主義のウィル。好きな女性に嘘がばれて振られ、自暴気味の彼にマーカスは言います。「人と関わることは辛い、でも同時に喜びも与えてくれる」と。執着するものを持たないウィルは執着の対象を持ったことで、大事なものを失う辛さを知るのですが、人間は「失いたくない」物を持った時、全ての苦悩が始まるのです。しかし、同時に全ての喜びもそこから始まる・・・
↑マーカス(ニコラス・ホルト)。何者だか知らないが間違いなく主役です。
マーカス役のニコラス・ホルトの素晴らしいこと。愛らしいわけでもなければ、勇敢なわけでも歌が上手いわけでも無い。内向的でちょっと風変わりかも知れないけれど、だれよりも真剣に生きているマーカスを自然に演じています。そしてマーカスの母役トニ・コレット。エキセントリックでうつ病のベジタリアンをこれまた生き生きと演じています。この映画何が凄いってこの2人ですって!トニ・コレットは「リトル・ミス・サンシャイン」のお母さん役の人ですね。でもこちらの方が断然凄いです。この2人に負けずヒュー・グラントも頑張ってますけどね。どちらかというと深みの無い、何をやっても同じ印象だったヒューでしたが、今回はいつもの飄々とした軽さの中にもマーカスに会ってだんだん変っていく様が感じられるいい演技です。
「2番目のキス」もニック・ホーンビィなんですね。人気のある作家さんなんだね。「ハイ・フィデリティ」も良い作品でしたね。
”調べたガール”としては、ちょっと気になって調べてみました。
ボン・ジョビの「Santa Fe」という曲の冒頭に「They say that no man is an island」とあるそうですが、元々は、詩人ジョン・ダンの言葉だそうです。
嵐のように忙しい一週間がやっと終わりました(涙)。
私もヒュー・グラントは苦手です!なんかいまいち興味が無いと言いましょうか。どおでもいいと言いましょうか。しかしこの映画は良いです。近所のしゃれた洋菓子屋で売っている食感は軽いけど凝っている焼き菓子の様です。「ハイ・フィデリティ」も大好きですが、こちらも違う意味で大好きですね。トニ・コレット大活躍です。
>元々は、詩人ジョン・ダンの言葉
そうだったのか・・・でも映画ではジョン・ダンの言葉だと言わずに、わざとボン・ジョビを持ち出しているのですね。洋楽ロック好きにも大おすすめの映画です!
ダメ男をやらせたら天下一品のヒュー様の作品の中でもこの作品はかなり上位にきますね。
公開当時に観たので記憶が定かでは無いのですが、マーカスとウィルが同じ方向向いてソファーに座ってるっていうシーンが印象的に残っています。
仰るとおりトニ・コレットが素晴らしかった。
彼女とウィルがくっつかないのがこれまた好印象でした。
ニコラス・ホルトは「すごい子がでてきたな」って当時は思ったけど、その後どうしちゃったんでしょうね?日本公開作品が無いのかどうか・・・
子役がちゃんと生き残るって才能を持ち続けていくことってホント難しい世界なんだなと・・・
ひよ
トニが良いですよね!!
ヒューも良いです、もともとあまり期待していない俳優なので、結構びっくりしました(笑)。はまり役といえますね。イケメンだけどダメで少々抜けてる男。
ニコラス君はその後も活躍している様で、ニコラス・ケイジのウエザー・マンにも出ていますね。最近は身長193センチの立派な美青年になってましたよ。これから人気出てくるんでしょうか・・・
人間らしい生き方とは何か?ってゆーね。
壮大なテーマ。
ヒューちゃんみたいな生活に憧れながら毎日過ごしてます。
人間らしい生活。
仕事に追われないグータラ生活。
好きなことだけしてる半分引きこもり生活ね。
いやー、人間に戻りたい!!(爆)
>好きなことだけしてる半分引きこもり生活ね。
それで生きて行けたら楽なんでしょうけど・・・
この映画のヒューみたいなこんな身分になってみたいですね!
しかし何をもって「幸せ」というのか。が、この映画のテーマでした。働かなくてもいいのは働かなきゃいけない私たちから見れば「幸せ」ですが。
>いやー、人間に戻りたい!!(爆)
じゃいまは何ですか???あっそうか、ウンコ!
意外に奥深い映画でした!
ptdしゃまも分かってきてますね。(笑)
ニコラス君そうですか。
193長身美男子ですか??!!
ググッてみましたらありました。
うはぁホントだ。
この映画では瞳はきれいだったけど、ちょっとトッポイ(?)子だったのに、イイ感じに育ってますねぇ(何様?)
元気で活躍なによりです。
ありがとうございました。
あ、元気でなによりということで、カールたんの久々撮影風景お写真がでてきました。
ブログにUPしました。
元気に育っているようです(育ち過ぎ。)
きっとこれから売り出すんですね。
もしかして地元英国あたりではすでに人気者なのかもしれませんね・・・
>カールたんの久々撮影風景お写真がでてきました。
ほほほ♪
見に行きます♪