イーストウッドの映画には大抵、筋の通った骨太のメッセージがあったと思う。主人公は大抵不器用で頑固で自分にも他人にも嘘のつけない一途な性格で、自分の抱える大きな何かに押しつぶされそうになっているけれど、精一杯自分に出来る事をする・・・そんな連中への彼なりの応援は、正論でもハッピーエンドではないけれど人間味に溢れた「最善」の結果を用意することで表現してきたんじゃないか。
この映画の主人公(マット・デイモン)は、やはり不器用で自分の持つ特殊な能力に押しつぶされそうな男。彼を軸にロンドンの少年とパリの女性ジャーナリストの話が同時に進み、最後には交差する。
しかしその交差の仕方は安易であっさりしている。津波の大災害やロンドンのテロの描写はリアルで今までに無く強烈なだけに、余計にあっさりして見える。少なくとも私にとって、いままでの彼の映画の中ではベストとはいえない。しかし個々のエピソード、特に双子の少年のエピソードはさすがで、切ない。また、女性ジャーナリストが溺れる直前に見る水中の光景は美しく、一生忘れられないシーンの一つになった。彼の映画は映像を楽しむ物では無かったけれど、このシーンは凄い。あの水中のスローモーションの一瞬は怖いほどリアル。
この映画の軸になるのが霊能力。私の見た映画評には「イーストウッドは霊能力を肯定も否定もしない書き方で」とあった。そんなことは無い、霊能力が無ければ知りえない事実を主人公に語らることで彼の能力を完全に肯定している。死者と会話する能力は彼のもつ大きな業で映画の核なのだが、すべての違和感はそこから発生している気がする。つまり私は彼の映画の特徴であるリアリズムの手法による超常現象の扱いに戸惑ったんだな。
グラン・トリノで見せたリアリズムと一種のユーモアのある硬派な第一級のエンターテイメントはここには無い。あるのは散漫な印象の、超常現象を扱っていながら真面目な映画。たぶん、盛り込みすぎなんである。
この映画の主人公(マット・デイモン)は、やはり不器用で自分の持つ特殊な能力に押しつぶされそうな男。彼を軸にロンドンの少年とパリの女性ジャーナリストの話が同時に進み、最後には交差する。
しかしその交差の仕方は安易であっさりしている。津波の大災害やロンドンのテロの描写はリアルで今までに無く強烈なだけに、余計にあっさりして見える。少なくとも私にとって、いままでの彼の映画の中ではベストとはいえない。しかし個々のエピソード、特に双子の少年のエピソードはさすがで、切ない。また、女性ジャーナリストが溺れる直前に見る水中の光景は美しく、一生忘れられないシーンの一つになった。彼の映画は映像を楽しむ物では無かったけれど、このシーンは凄い。あの水中のスローモーションの一瞬は怖いほどリアル。
この映画の軸になるのが霊能力。私の見た映画評には「イーストウッドは霊能力を肯定も否定もしない書き方で」とあった。そんなことは無い、霊能力が無ければ知りえない事実を主人公に語らることで彼の能力を完全に肯定している。死者と会話する能力は彼のもつ大きな業で映画の核なのだが、すべての違和感はそこから発生している気がする。つまり私は彼の映画の特徴であるリアリズムの手法による超常現象の扱いに戸惑ったんだな。
グラン・トリノで見せたリアリズムと一種のユーモアのある硬派な第一級のエンターテイメントはここには無い。あるのは散漫な印象の、超常現象を扱っていながら真面目な映画。たぶん、盛り込みすぎなんである。
なんでしょうか、この映画は真面目すぎるのかなあ?
実際には私にもイーストウッドにもわからない訳で。もやもやです。今でもわからん!
予告編見てないんです。
見てたら泣いてましたよ、絶対。
そして本編見て「ちがうやん!」って怒ってたかな?きっと怒ってました・・・
期待しすぎたんです。
予告編だけで盛り上がっちゃってたんです。
死んだ後の世界が綺麗で気持ちいいぜって双子の男の子が言ってましたけど、実際は「そう思いたい」んですよね。
霊能者の言っている事にしても「そう信じたい」んですよね。
でも実際はわからない。
他の作品で「そう思いたい」「そう信じたい」と思っていた事を『でも実際はそうじゃないぜ』って言ってたイーストウッド作品にしては、弱いと感じるのはソコかもしれません。
まぁこのテーマで『でも実際は・・・』なんてやられちゃあ違う意味で泣いちゃうよな・・
泣けました。もう双子の話に泣きました。戸惑いながらも泣いた!
しかし私はなんか期待しすぎたのか、おわりがあれなので、なんだかもっと最後はドーンと落ちがあって・・・なんて思っちゃいました。私はミリオンダラー・ベイビーやグラン・トリノの方が好きです。
そうですよね。普通ならああいう話はこんなに真面目に描きません。イーストウッドだからこうなったんですよね。
ポジティブすぎるくらいポジティブでした!
ではでえは
興味深いですね。
「戸惑った」ってゆーのはイーストウッドさん本人も同じかもしんない。
そこは置いておいて、僕なんかはもーね、とにかく泣けた。
そんで本作のクソ真面目で、それ以上にポジティブな精神に本気で感動してしまった。
イーストウッドでコレが一番好きかもしんない。
どのエピソードも大好きなんですが、やっぱ双子の少年のハナシが最高でしたよね。
死後の世界とかサイキックとか僕も良く分かんないけど、そんなことよりも「死」を真面目に描いているからこそのエンディングの心強さね。
こんなポジティブになれた映画は最近なかったのでスゲー良かったっす。
イーストウッドさんは、本作においても迫力があって、緊張感もありつつ落ち着いていて、余裕の演出手腕だった。
音楽もいい。
あれいいよね。
ではでは!