<ポンタの東北紀行 最終回 (浦戸諸島 桂島)>
旅の最終地の浦戸諸島 桂島に上陸した。浦戸諸島は松島湾の入り口に点在し、今回の津波のエネルギーを吸収して松島地区の被害が大きくなるのを防いだいわば防波堤となってしまった地域だ。運よく港が湾の内側にあったため、地盤沈下や施設の損壊はあったものの定期船は比較的早く運行を再開できたようだ。
今日の宿をお願いしたペンション鬼が浜さんのところは、太平洋側に面しているものの高台にあったため津波の被害から免れて、営業を再開している。
[高台に建つ白いきれいな桂島のペンション鬼が浜さん]
[沢山の絵画が心を和ませてくれる]
[部屋もおしゃれで,ベットルームとリビングの2部屋構成で広い…ひとりじゃもったいないなぁ…。]
夕暮れまで少し時間があったので、近くの桂島海岸に散歩に出る。島からも松島の島が見えて本当にいいところだ。
[海も松島らしい風景が広がる。]
[広々としてきれいな桂島海岸…]
[近づくと、海岸にもまだまだ津波の爪痕が…]
[そしてカメラを陸地側に向けると、そこは一面瓦礫の山が広がる…海岸を囲むようにあった40世帯ほどの集落は壊滅してしまったとの事です…]
[避難を呼びかけたであろう島内放送用の拡声器も・・・無残な姿になったまま…]
一時間ほどの散歩だったが、とても美しい島だけに…本当に残念な思いでいっぱいになった。まだまだ復興には時間がかかりそうだが、この美しい島でみんなが笑顔で暮らせる日が来てほしいと心から思う…ペンションに戻り、ポンタ一人のために作っていただいた夕食をいただく。
[牡蠣のマヨネーズソース、牡蠣のお吸い物、カモのテリーヌ、カモのロースト、地元のアイナメ・マグロ・甘エビのお刺身、イクラと山芋・わかめの酢の物、ホタテ煮物、サツマイモの甘露煮、果物、サラダ…どれも美味しかったです。]
今日は早々に休み、明日は少し早起きをして桂島を軽く一回りしようと思っていたら…なんと目覚めると一面の銀世界でした。予報では雪が少し降ると言っていたが、予報以上の大雪になったようだ。
[一晩で雪国に変身!朝日が美しい。]
[桂島に雪が積もるのは数年ぶりで、本当に珍しいとの事だそうだ。]
[ハイキングコースは新雪で覆われ道もわからないほど。ポンタも何度も方向感を失い、行ったり来たり…最後には、ペンションに電話をして方向を確認しなければならなかった…]
新雪の中の無謀な散策もなんとかペンションのオーナーが迎えに来てくれて、遭難は免れました…(^_^;)
帰路は浦戸諸島の定期船で、桂島から野々島、寒風沢島、朴島と回り塩釜港へと向かい、家路に着いた。
[浦戸の島々はもちろん、松島の松が雪をかぶった姿は大変貴重だそうだ…ラッキー!]
[牡蠣?海苔?島と島の水路に広がる養殖棚。]
[美しい風景が広がる中、各島の港付近には必ず大きな瓦礫の山があった。島々には焼却設備がないので、船で本土に運ぶためだという…]
[朴島の港にあった牡蠣の養殖用のホタテの貝殻。みんな頑張ってるんだなぁ…(^O^)/]
今回の旅行は、気仙沼からスタートし被災地を回りながら東北在住の知人に会う事や応援しているうらと海の子再生プロジェクトの皆さんの激励を目的にしていた。
被災地を巡って感じたことは、まだまだ復興には相当時間がかかるだろうということと、その中で頑張っている人達が沢山いたこと、そして人間は本当に強い、必ず復活させるだろう…ということを感じた旅だった。
そしてもう一つ、これを見ていただいた方にお願いしたい事は、ぜひ東北に旅をしてください!ということです。被災地で芽生えた復興商店街や自力で再開したお店も、ペンションや旅館もお客さんが来て初めて希望が膨らみます。
百聞は一見にしかず…ポンタのように被災地の状況を見ることでもいいですし、被災していない中尊寺などの観光地巡りでもいいと思います。「復興は、観光から!」という現地の想いに応えることが、我々にできる復興支援のひとつだと思いました。
頑張れ東北! 頑張れニッポン! 人間は素晴らしい!
(^O^)/ポンタ