大阪発達支援センターぽぽろブログ ぽぽろ番

ぽぽろはNPO大阪障害者センターの子育て・教育支援部門です。
大阪市鶴見区今津北にあります。

ヒューマンウエーヴ

2010年12月03日 | ノンジャンル
 火曜日は元気な保育所の子どもたちと公園まで長い道のりを歩き、走り、遊びました。80度くらいの急こう配・すり鉢状のジャンボ滑り台がある公園です。
 それにしても、保育所の先生たちは体力がいりますよね。


 さて、この子らの上にも「子ども・子育て新システム」という暗雲が立ち込めています。すべての子どもたちの健やかな育ちをねがう声を届けるための署名へのご協力ありがとうございました。
 昨日時点で863名分の署名が集まっています。明日もある療育センターの保護者会でもご協力いただいた分が届きますので、千名分は超えると思います。これを携え、日曜日から東京・厚労省へ全国の仲間と行ってきま~す。

 大阪でも12月9日(木)は第20回目の大阪府庁を取り囲むヒューマンウエーヴがあります。午前10時半から12時まで、大阪城教育塔前広場で集会が行われ、その後は知事あての直接請願とパレードがあります。障害者の人権と教育・福祉を守れ!と訴えてきます。一人一枚の直接請願署名ご協力をおねがいします。参加される方は教育塔前に直接集合しますのでご一緒にどうぞ。

 ここでは各団体からの訴えがありますが、ぽぽろからはヤンボラ・ヤンクラの青年たちが支援学校高等部に専攻科をつくり学ぶ機会を充実してほしいとアピールします。代表で発言するのはヤンクラ生のMiさん。代読は同じくヤンクラ生のTaくん。応援団としてヤングたちも横断幕を持って並びます。

 今年は記念すべき20回目の取り組みになります。
 第1回は雨の中で支援学校の保護者を中心に300人が集まって行いました。私は集会の責任者でしたので忘れもしません。
 当時の府内の養護学校には「重複障害学級」が約80クラス弱しか設置されておらず全国最低でした。つまり、大阪では重複障害のある圧涛I多数の子らが法令に違反して単一障害のクラスに在籍させられ、不当に学級数=教員数が押さえられていました。ですから慢性的な人手不足で子どもたちへの行き届いた教育が阻害され教室に鍵をかけないと安全が確保されないこともしばしばでした。私などは当時一人で3人の分の車いすを押して移動していたものです。(信じられないでしょうが、右手と左手に1台ずつ、お腹で1台で計3台)教員の妊娠障害や腰痛が多発し限界ギリギリのところで頑張っていました。

 そこで私たちは地域に出かけ、保護者の皆さんと一緒に運動を起こし、府内の養護学校(特別支援学校)の保護者4、073人(この数字は忘れません)が集団で大阪法務局人権擁護委員会に人権侵犯救済の手続き・提訴をしました。訴えた相手は横山ノック大阪府知事でした。これを後押ししたのが7人の弁護士さんでした。手弁当で地域の説明会を回り東奔西走して頂きました。
 12月9日は当時国連が定めた「障害者の日」でした。府教委による次年度の学級編成の作業はほぼ終わっており、2月府議会に向けて大阪府予算案の編成作業は大詰めを迎えておりました。集会をやるかやらないかカンカンガクガクの激論がありました。「多動」傾向の強い私は勿論前に進むのみ。「私は細く長く生きたいから」派から無謀だと批判されましたが、やると決断させたものはお母ちゃんたちとの強い結びつきでした。第1回目は確か大阪府庁を取り囲むヒューマンチェーンという名称で行われ、法務局前で大きな声で「人権を守って!」と唱和をしたことを記憶しています。この当時のお母ちゃんたちは(も)元気いっぱいでした。

 その年の年末に人権が侵犯されているという主張が認められ、全国でも異例の「要望」が法務局・人権擁護委員会から大阪府知事に対して出されました。マスコミが初めて養護学校にも入り実態を伝え、府議会でも議論されました。その結果、次年度の大阪府予算案が修正され、重複障害学級が大幅に増設され、数年間で一気に700人近くの教員が増員されました。

 昨日のことのように思い出せるのですが、あれからもう20年が経つのですね。この集会に行くとあちこちで同窓会になります。ひげ面のおっさんになった作業所から参加した当時の子どもたちや白髪のお母ちゃんたちと出会うのも楽しみの一つです。「細く長く」でも「太く長く」でもいい、元気で長生きしようね。きっとかなうよ!かなえようよ、専攻科設置をのねがい。


「学ぶ作業所」=ぽぽろスクエア

2010年12月03日 | 専攻科・学ぶ作業所
「卒後の学ぶ場・専攻科を考えるつどい」と堺の「つどい」の両実行委員会共催の大学習会には38人の方にご参加いただき、和歌山県で『フォレスクール』というしゃれた名前の「学ぶ作業所」を立ち上げた元養護学校PTA会長(紀南養護専攻科をつくる会会長)の出口さんの奮戦記に耳を傾けました。 



 ダウン症の子どもさんへのあふれんばかりの愛情と目いっぱい青春を経験させたい、ゆっくりじっくり学ぶ場を保障したいという思いや葛藤、作ってよかったという喜びがバンバン伝わってくる元気の出る楽しいお話でした。そして、和歌山で4か所へ、更に北海道、滋賀県、兵庫県、岡山県などに自立訓練事業を活用した「学ぶ作業所」が点から線へ、線から面へと広がっている状況がよく分かり、大阪でのとりくみもその仲間入りをしていくことのワクワク感、実感が持てたつどいでした。出口さん、元気の出る講演をありがとうございました。

 今日の「つどい」では「学ぶ作業所」の日課案(カリキュラム)・内容などが初めて公に示されました。そして、「堺(松原)に『学ぶ作業所』をつくる会」の会則案や呼びかけ人、入会申し込み書、募金呼びかけなどが説明され、今日は会への入会申し込みがすでに10名以上(会費合計2.2万円)ありました。


 その中でも堺(松原)に作る第1号の「学ぶ作業所」の名前とその由来が示され、その名称に込められた願いを聞くだけで大きな夢が広がりました。
 名称は「ぽぽろスクエア(SQUARE)」です。配布したチラシにはこう書いてあります。

 「ぽぽろ」はイタリア語で「人々」、「スクエア」は英語で「広場」の意味があります。
 ここでは、日常生活・社会生活能力を身につけるとともに、大人になるための文化や地域社会・他の人との関わり方の経験を積み増す。そして、何事にも自信を持ち、意欲的・積極的に取り組める「自立した社会人」をめざします。

 それらの思いを表わす言葉の頭文字を集めてSQUARE(スクエア)とし、“多くの人が自由に集う広場”にしたいと考えています。
 S…study(スタディ・学ぶ)
 Q…quintet(クインテット・五重奏)
 U…universai(ユニバーサル・万人の・みんなの)
 A…accord(アコード・調和する)
 R…relax(リラックス・くつろぐ)
 E…enjoy(エンジョイ・楽しむ)



 堺(松原)に「学ぶ作業所」をつくる会・第1回総会を2月22日(火)午前10時~12時までサンスクエア堺(「JR堺市駅」西徒歩3分)で行います。会長には呼びかけ人の中から大阪市立大学大学院教授の湯浅恭正先生にお願いしています。会則・役員などの承認とここでも「会」についての説明会と入会受付をします。会費は年一口千円です。どなたでも参加できます。また、事実上の「学ぶ作業所」の説明会、3千万円募金活動の出発点となります。

 今日の地元・松原の連合自治会長さんとの面談を経て、地元自治会長さんや近隣の住民の皆さんへの説明・懇談へと続いていきます。一番大切な地元合意をクリアするために法人の管理者には年末年始の禁足令が出されております。この局面を乗り切ったら一気に募金活動の準備に入ることになります。賛同と期待を寄せられるみなさんと力を合わせて大阪で第1号の「学ぶ作業所」・専攻科づくりの拠点を実現させましょう。