マニラの市町村の歴史31

マカティ

スペイン統治以前の時代、マカティはラカン・タグカンとその妻ブアンによって統治されていた。当時、この地域はすべては貧しいところから始まるが、マカティは貧しいところから始まったわけではなく、実際には主に沼地とパシグ川の岸辺を見下ろす茅草の生い茂る土地だった。

スペイン植民地時代に、この地域を最初に発見したのは、マニラの創設者でフィリピンの初代総督であるドン・ミゲル・ロペス・デ・レガスピである。レガスピは地名を尋ねたが、言語の壁のため原住民はこれを誤解した。そこで、原住民はパシグ川の引き潮を指して「マカティ・ナ、クマティ・ナ」と答えた。これは「引き潮」を意味する。

フアン・ミゲル・デ・レガスピがこの場所を「価値のない場所」として無視したという人もいる農業コミュニティであるこの場所は、サンタ アナ デ サパ (現在のマニラの一部) という広大な自治体の一部で、その後 1600 年に、この場所は聖母マリア グアダルーペ (現在の聖母マリア グレース) 教会と聖ペテロと聖パウロの教会の熱心な信者の巡礼の中心地として発展しました。

この場所は 1670 年までに独立した自治体となり、守護聖人である聖ペテロに敬意を表してサン ペドロ デ マカティと名付けられました。

1578年から1670年の間、マカティは「ビスタ」、つまりサンタ・アナ・デ・サパの地区であり、フランシスコ会の司祭ペドロ・デ・アルファロの管轄下であった。

2つ目の名前はサンペドロ・デ・マカティで、守護聖人にちなんでつけられた。町はサンペドロがなまって「サンピロ」と呼ばれることもあった。1890年、サンペドロ・デ・マカティはマニラの公営都市に指定された。

1900年の米比戦争終結の平和条約により、マカティは市長の管轄下に入った。

1901年6月11日のフィリピン連邦法第137号により、サンペドロ・デ・マカティはリサール州に編入された。2年後、町の行政官が任命され、地域の情勢を監督した。

世紀の変わり目以降も、マカティは栽培米と馬の飼料で生計を立てる3級農業集落のままだった。

1914年、フィリピン立法府法第2390号により、サンペドロデマカティの名称がマカティに変更され、これが現在も正式名称となっている。1962年には、マカティ地方行政のための新しい市庁舎が建設された。それは、アヤラ証券会社が寄贈した2ヘクタールの土地に建てられた。マカティは、マカティ新市街、アヤラ会社が以前も現在も所有していない古いコミュニティ、およびボニファシオ砦の3つのエリアで構成されていた。

 

 

新市街は、マカティを国内で最も近代的なコミュニティに開発するというマスタープランを忠実に守っていたアヤラ家によるものだった。裕福な家族、外国資本家、ビジネス界の大物、産業界の大物を引き付けるために、最初の近代的コミュニティであるフォーブスパークがオープンしたのは40年前のことである。現在、マカティには、住宅地区が明確に区切られ、鉄筋コンクリートの道路、一流の施設とサービス、超近代的な高層ビル、便利な商業施設や娯楽施設を備えた裕福な村が 6 つある。市の総面積の 3 分の 1 以上が新マカティにある。

しかし、裕福な村の柵の向こうには、マカティの旧市街がある。それは、17 の密集したバランガイで構成された典型的な都市中心部で、工場、施設、100 年の歴史を持つ学校、近代的な教会が入り乱れ、歴史の名残が今も残っている。

マカティのコミュニティのこの2つの極端な対照は、ある作家に「自らを妊娠させるために放っておかれたことがない、人工的に受精させた社会」と形容せざるを得なかった。

 

一方、フォート・ボニファシオの地域は、チェンボ、サウス・チェンボ、コメンボ、イースト・レンボ、ペンボ、ピトゴ、ポスト・プロパー・ノース、ポスト・プロパー・サウス、リサール、ウェスト・レンボの各バランガイで構成されていた。総面積は5.4436平方キロメートルで、そのうち4.4027平方キロメートルは軍によって使用されていた。

マルコス政権の末期、マカティ市はさまざまな反対派グループの多数の抗議集会や行進の常連の地となった。紙吹雪革命が始まったのはマカティ、特にアヤラ通りであった。マカティで開催された主要な集会では、電話帳の黄色いページを細断して作った紙吹雪が迎えられた。ウガルテ広場は、故マルコス大統領とその政府に対する人々の憤りを表明する多くの集会が頻繁に行われる場所として、プラザ・ミランダに取って代わった。

 

マカティ市は、1901 年初頭から現在まで 17 人の行政官によって統治されていた。過去 20 年間、開発努力が集中的に行われ、マカティの「旧市街」の見栄えがよくなり、「新市街」が出現した。

１月革命後、コラソン C. アキノ大統領は、マカティ政府の指揮をとるためにジェジョマール C. ビナイ弁護士を任命した。人権擁護者とみなされているビナイ市長は、コミュニティへのサービスの提供を改善するために、地方自治体の体制の修復と再構築を開始した。彼の最初の措置の影響により、彼は人々の信任を得た。ビナイ市長は、1988 年 1 月の地方選挙で町の第 16 代行政官に正式に選出された。1992 年 5 月の選挙では、町の地方最高責任者に再選された。

1995年は、ビナイ市長の政権とマカティの地元住民にとって最も重要な時期の 1 つで、この年、フィデル・V・ラモス大統領が1995年1月2日に共和国法第7854号に署名し、続いて1995年2月4日に行われた住民投票で圧倒的多数の承認を得て発効され、マカティ自治体が高度に都市化された都市へと転換した。市憲章の規定により、マカティは現在、共和国法第7166号によって創設された2つの既存の選挙区に対応する2つの選挙区に分割され、選挙管理委員会によって施行された。ただし、マガリヤネス、フォーブスパーク、ダスマリニャスの各バランガイは、第2地区の一部となったグアダルーペビエホバランガイに代わって、現在第1地区にある。

1991年の地方自治法は、選出されたすべての地方公務員の任期を連続3期までに制限している。しかし、この規定は、ジョジョ・ビナイ市長の公務の継続を妨げることはなかった。

1998 年、市長は妻で医学博士のエレニタ S. ビナイ博士にバトンを渡し、彼女は地元住民の圧倒的多数で第 17 代市長となり、マカティ市の「女性初の最高責任者」となる。彼女の政権下で、同市は模範的な組織業績を称えられ、フィリピン品質賞 (PQA) の都市品質への取り組み賞を受賞した。マカティは 2000 年にこの賞を受賞した唯一の地方自治体である。

2001年 5 月に行われた市長選挙は、ジェジョマール C. ビナイ市長にとって、市のトップ公務員としてのリーダーシップを継続する新たな機会となり、この任期中に、マカティ市は注目すべきプログラムで国内外から高い評価を得た。通称「イエローカード」として知られるマカティ健康プログラムは、国連人間居住計画（UN-HABITAT）とドバイ市の共同プロジェクトである2002年のドバイ国際「ベストプラクティス」賞を受賞し、「生活環境の改善に対する顕著な貢献」が認められた。

マカティは、公式ウェブサイトが2002年にフィリピンインターネットコマース協会から切望されていたフィリピン電子政府賞を受賞したことで、情報技術を通じた電子政府における国のリーダーとしての主張を同様に強化した。

 

ビナイ市長とエルネスト・S・メルカド副市長が午前7時30分から午前9時まで司会を務めるDWIZの定期日曜ラジオ番組「Radyo Makati」は、2004年のカトリックマスメディア賞で「キリスト教的価値観の促進における顕著なコミュニティサービス」に対してハイメ・カーディナル・シン・セルビアム賞を受賞した。

 

平和と秩序の分野では、同市は平和維持組織が獲得したさまざまな表彰を通じて多くのマイルストーンを達成した。マカティ市平和秩序評議会は、国家警察委員会から高度都市化部門で最優秀都市平和秩序評議会に選ばれ、2002年から2004年にかけて2度目の「殿堂入り」を果たし、評議会はこの称号を1995年から1997年まで保持していた。

同様に、マカティ警察署は2004年に国内最優秀と評価され、フィリピン国家警察から最優秀犯罪対応者に対するパトロール117賞を受賞した。マカティ消防署は、2004 年に首都圏の最優秀消防署にも選ばれた。

 

アジア経営政策センターのフィリピン都市競争力ランキング プログラムでは、マカティは 2004 年に最もダイナミックな都市、2005 年にパフォーマンスの高い上位 5 都市の 1 つに選ばれた。

2006年には、市長と市にさらに名誉ある賞が授与され、ビナイ市長は、2006 年に世界のトップ 10 市長の 1 人に選ばれ、強力な都市と優れた統治を促進することを目的としたインターネット ベースの調査で、アジア、米国、ヨーロッパ、南米の 677 人の市長のうち 4 位にランクされた。

 

マカティ市災害調整委員会 (MCDCC) は、高度都市化/独立都市部門で 2006 年のガワド カラサグ賞を受賞した。この賞を授与するにあたり、国家災害調整委員会は、医療および技術サポート サービスの両方を提供する MDCC の広く認知された構成要素であるマカティ レスキューと、マカティのどこからでも 24 時間年中無休で緊急通報を受信して​​対応できるミニ 911 であるマカティ C3 EARS (コマンド、コントロール & 通信緊急警報および対応システム) センターを取り上げた。

マカティ市政府が若者の福祉に与える根本的な重要性は、若者の総合的な発達を促進する優れたプログラムによって示されており、マカティが 2006 年と 2007 年に首都圏で最も子供に優しい都市として大統領賞を受賞したことで正当に認められた。