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またもや係争海域

2024-08-20 | フィリピン

8月19日、フィリピンのパラワン島の西140キロ、中国海南島から約1,200キロ離れた、南シナ海の係争海域サビナ礁付近で中国とフィリピン沿岸警備隊の船が衝突した。

2024年8月19日にフィリピン沿岸警備隊(PCG)が撮影し公開したこの配布写真は、南シナ海の係争海域にあるサビナ礁付近で中国沿岸警備隊の船舶と衝突し、沿岸警備隊の船舶BRPケープ・エンガノ(MRRV-4411)が損傷した様子を示している。

南シナ海の領有権を巡る中国とフィリピンの対立に再び火が付いた。19日に起きた中比両国の巡視船の衝突事故を巡って双方が相手のせいだとし、正反対の主張を繰り広げているのだ。同日午前3時23分と3時25分の2度にわたって、南シナ海のサビナ礁(中国名:仙賓礁、フィリピン名:エスコダ岩礁)付近の海域で、フィリピン沿岸警備隊の船と中国海警の船が衝突した。

中国海警局は声明を出し「フィリピン沿岸警備隊の船2隻が許可なく仙賓礁付近の海域に不法侵入した」とし「このうち1隻が反復的な警告を無視して、非専門的かつ危険なやり方で中国海警船と故意に衝突した」と主張した。中国側は動画や静止画像も公開し「われわれはフィリピン側に対し、権益侵害挑発を即時中止することを厳正に通告し、そうしない場合、これによるあらゆる責任はフィリピン側が負担せねばならないだろう」と警告した。

 フィリピンは、衝突の事実は確認しつつも、中国が誘発したのだと主張した。フィリピン政府部局の連合体である「西フィリピン海タスクフォース(NTF-WPS)」は声明を通して、フィリピン沿岸警備隊の船2隻がエスコダ岩礁付近で「違法かつ攻撃的な機動を行った中国船との衝突で構造的損傷を負った」と発表した。また、フィリピン船1隻(BRPケープ・エンガノ)には1.1メートルの穴が開き。

 双方が「物証」を掲げて「相手の挑発で起きた事故」だとする正反対の主張を繰り広げているのだ。先に今月8日にも、似たような状況が起きていた。フィリピン軍によると、当時スカボロー礁(中国名:黄岩島、フィリピン名:パナタグ岩礁)上空で日常的な海上パトロールを遂行していたフィリピン空軍のNC212i小型輸送機を狙って中国空軍の戦闘機2機が危険な機動を行い、フレア(ミサイル回避用の閃光〈せんこう〉弾)を発射した。逆に、中国人民解放軍南部戦区は声明で、フィリピンの航空機が、繰り返し警告を受けたにもかかわらず違法に中国側の空域に侵入した、と主張した。

 中国とフィリピンが、南シナ海で領有権を争っている岩礁に関連して暫定合意に到達してから1カ月もたたずして、緊張が高まっている状況だ。7月21日に両国は、代表的な領有権紛争地であるセカンド・トーマス岩礁(中国名:仁愛礁、フィリピン名:アユンギン)の物資補給問題を巡って暫定合意に至り、緊張緩和を模索した。今年6月に、南シナ海で中国海警の高速ボートがフィリピンの物資補給船に突進し、フィリピン兵1人の右親指が切断されて複数人がけがをする事件があり、双方が対話のチャンネルを稼働させたのだ。

 このとき行われた会談を通じて、高まっていた対立はひとまず水面下に消えたが、相次ぐ双方の衝突を契機として南シナ海が再び「海上の火薬庫」として浮上する様相を見せている。中国は南シナ海のおよそ90%について領有権を主張し、フィリピンをはじめベトナム・マレーシア・ブルネイなどと摩擦を起こしている。中でもフィリピンは中国の領有権主張に最も強く反発し、米国主導のインド・太平洋反中連帯に積極的に賛同してきた。

 

米国は月曜日、最新の衝突を受けて「フィリピンの合法的な海上活動」に対する「危険な行為」を非難した。

「これらの行動は、中国が南シナ海における広範かつ違法な海洋権益主張を強行するために、危険かつエスカレートする手段を使っている最新の例だ」と国務省報道官が言及した。

中国は20日、西フィリピン海の係争中の岩礁付近で再び衝突が発生したことを受けて、米国に対し、フィリピンとの海洋紛争に「介入する権利はない」と警告した。

中国とフィリピンは過去1年間、同海域で度々対立しており、その中には駐屯地があるアユンギン礁(セカンド・トーマス礁)で1999年にマニラが座礁させた軍艦をめぐる紛争も含まれている。

 

火曜日のパテル外相の発言について問われた中国の毛寧外相は、北京の「領土主権と海洋権益を守るための法的措置」を擁護した。

毛氏は定例記者会見で「米国は南シナ海の当事者ではなく、中国とフィリピンの間の海洋紛争に介入する権利はない」と述べ、「米国は南シナ海で対立を煽るのをやめ、地域の安定を乱さず、緊張を高めてはならない」と定例記者会見で回答した。

評論家らは、北京の狙いはアユンギン礁から隣接する南沙諸島のサビナ礁に向かって東に進軍し、マニラの排他的経済水域に侵入して、同地域の中国による支配を正常化することにあると指摘している。

この対立は、フィリピンに最も近い南シナ海のもう一つの戦略的要衝であるスカボロー礁を北京が2012年に制圧した時のことを彷彿とさせる。

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