リオ市裁判所は、同市バラ・ダ・チジュッカ区内のマンションで飼い犬がエレベーターなどの共同エリアに自由に出入りすることを認める判決を下した。3月31日付フォーリャ紙(ウェブ版)が報じた。
サブリナ・ザミスさん(35)が長年飼っているボクサー犬の「ナラ」は12歳で、関節症などにより階段の上り下りが困難だという。マンションの管理人に相談して共同エレベーターの使用許可を求めたところ、上階まで抱えていくよう告げられた。しかし、体重約30キロの飼い犬を抱えることは不可能だという結論に達した。
獣医のフレド・リベイロ氏は、この飼い犬が股関節形成不全という不治の病気にかかっていて薬の投与とリハビリによって数年間は寿命を長引かせることができると説明したが、痛みを和らげるためには階段や坂などを避けるべきだと診断している。「ナラはこの3年間ずっと苦しんできたので、今後は平坦な道しか歩かないほうがいい。また、ナラを抱えて歩くと飼い主が関節を痛めてしまう可能性もある」と語った。
検察官がマンションの管理人に対し、ナラが階段や上り坂がない共同エリアに自由に出入りさせるよう説得し、さらに動物をみすみす死なせるような行為は犯罪に当たると説明した。それにもかかわらず、管理人はサブリナさんにマンション管理費の10%分の罰金を科した。サブリナさんはその後、裁判所による命令が下されるまで一度も飼い犬を連れて外出しなかったという。
裁判所は、ナラが共同エリアに自由に出入りすることを許可したほか、5000レアルの賠償金を管理人に科して命令状に違反するたびにさらに1000レアルの罰金を支払うよう命じた。弁護士のサブリナ・ボニニ氏は、「重要なのは動物の権利を私たち人間に与えられた権利と同じように考えることだ。もしも単なる飼い主の自己中心的な訴えだったとしたら、今回の弁護は引き受けていなかっただろう」と振り返った。
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