بسم الله الرحمن الرحيم
17. 断じていけない。いや、あなたがたは孤児を大切にしない。
18. また貧者を養うために、互いに励まさない。
19. しかも遺産を取り上げ、強欲を欲しい尽にする。
20. またあなたがたは、法外な愛で財産を愛する。
21. 断じていけない。大地が粉々に砕かれる時、
22. 主は、列また列の天使(を従え)、来臨なされる。
23. また地獄は、その日(目の当たりに)運ばれ、その日人間は反省するであろう。だが反省したとて、どうしてかれのためになろうか。
24. かれは、「ああ、わたしの(将来の)生命のために、(善行を)貯えていたならば。」と言う。
25. それでその日、誰もなし得ない程の懲罰を加えられ、
26. また誰も拘束し得ない程に束縛なされる。
27. (善行を積んだ魂に言われるであろう。)おお、安心、大悟している魂よ、
28. あなたの主に返れ、歓喜し御満悦にあずかって。
29. あなたは、わがしもべの中に入れ。
30. あなたは、わが楽園に入れ。
続いてアッラーは試練の真意について無知な、正しい道を歩まない富豪から成る罪人を批判し給います:
「断じていけない。いや、あなたがたは孤児を大切にしない。また貧者を養うために、互いに励まさない。 しかも遺産を取り上げ、強欲を欲しい尽にする。 またあなたがたは、法外な愛で財産を愛する。」
孤児に寛大に接しないどころか彼らを軽蔑し、自分たち同士で貧者に食事を提供しようとせず、自身や他人の遺産を激しく浪費し、あらゆる手段を使って集める金を貪欲に愛するこの大金持ち達。アッラーは次の節の始まりの「カッラー كلا」の言葉で彼らを暴露し給います。つまりこれらの醜い行為から遠ざかりなさい、それは求められている健全な道ではないから、という意味です。
アッラーが彼らの悪行を露わにし給うと、彼らに対する恐ろしい約束が言及されますが、それによって導きの道を彼らが選ぶことを望み給うているからです。地震、大地にある全ての崩壊といった審判の日の恐怖に満ちた光景が描写されることで警告が示されます。その日、アッラーの命と裁定、天使たちが列をなし、地獄が罪人たちに見せつけられます:「断じていけない。大地が粉々に砕かれる時、主は、列また列の天使(を従え)、来臨なされる。主は、列また列の天使(を従え)、来臨なされる。また地獄は、その日(目の当たりに)運ばれる。」
この震え立つような光景の前で、人間の行為が記された書物が開かれますが、生前に何を行ったかを思い出しても、何の役にも立ちません。もう手遅れなのです。「その日人間は反省するであろう。だが反省したとて、どうしてかれのためになろうか。」その瞬間、主に背いていた人間は、悲観と後悔の念で溢れる言葉を露呈します:「かれは、「ああ、わたしの(将来の)生命のために、(善行を)貯えていたならば。」と言う。」来世の自分の命を益する善行を現世で行っておけばよかった、ということです。クルアーンは、「私の生命」が来世のものだとしており、本当の命こそが、「命」の名に相応しいことを示唆しています。そのため現世における人間の背信行為は来世において悔いと悲観しか齎しません。しかし後悔の念など役立つことはなく、そこには現世に存在するどのような罰にも似ない罪人たちを苦しめるアッラーの罰があるのみです:「それでその日、誰もなし得ない程の懲罰を加えられ、また誰も拘束し得ない程に束縛なされる。」
この混乱した状況の中、魂は請い願いながら無垢な善良者たちの帰り処に向きます。ここでアッラーが準備してくださっている報奨である善良者たちに対する吉報が登場します:
「おお、安心、大悟している魂よ、あなたの主に返れ、歓喜し御満悦にあずかって。あなたは、わがしもべの中に入れ。あなたは、わが楽園に入れ。」
安心大悟している魂とは、恐れや悲しみに扇動されない魂です。主との謁見、信仰の民に約束された善良な帰り処に対して安心大悟しています。
安心大悟している魂とは、現世ではアッラーに背いたことがなく、すべてをアッラーに任せている魂をいうのです。
この安心大悟している魂は、アッラー御自身がムーサー(平安あれ)に語りかけ給うたように、または人々が清算を終わらせたときの天使の言葉として、または復活の際か死ぬ際に語りかけられます:「あなたの主に返れ、歓喜し御満悦にあずかって。」アッラーがあなたに準備し給うた素晴らしい報奨に満足して、あなたの主の報奨と寛大さに帰りなさい。アッラーもあなたが積んだ善行に満足し給うている。「あなたは、わがしもべの中に入れ。あなたは、わが楽園に入れ。」側近のアッラーのしもべたちの集団の中に入り、天国で終わることのない至福を楽しみなさい、という意味です。
(参考文献:ルーフ・アル=クルアーン タフスィール ジュズ アンマ/アフィーフ・アブドゥ=ル=ファッターフ・タッバーラ薯/ダール・アル=イルム リルマラーイーンP107~108)