210.フナインの捕虜と戦利品:
そしてアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は一緒にいた人たちと共にアル=ジャアラーナに到着し、ハワーズィンがムスリムとなって彼の許にやってくるのを十数夜の間、待ちました。次に、戦利品をまず心が傾いている人たちに分け、アブースフヤーンとその息子たちのヤズィードとムアーウィヤに大目に与えました。またクライシュの大物であるハキーム・イブン・フザーム、アン=ナドル・イブン・アル=ハーリス、アル=アラーゥ・イブン・アル=ハーリサなどにも分配しました。そして残りを人々に分け与えました。
211.アンサールへの愛:
アンサールの若者たちは、アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)がクライシュの大物たちと信仰に心が傾いている人たちに定めた最も多い分け前について、アンサールにはわずかな分け前しかないことについて話し合いました。
そこでアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は彼らに集まるよう命じました。アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)による心を響かせる素晴らしい説教は、彼らの瞳からは涙が流させ、心から愛情を溢れさせました。アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は説教の中で次のようにおっしゃいました:わたしは迷っていたおまえたちのところに現れてアッラーがわたしを通じておまえたちを導いたのではなかったのか?また貧しかったおまえたちをアッラーがわたしを通じて豊かにしたのではなかったか?また敵同士でいたおまえたちだというのにアッラーがおまえたちの心を親しいものとし給うたのではなかったか?
アンサール一同は、アッラーとその使徒こそもっとも恩多く、もっとも徳があります、と言いました。
彼らが黙ったところで彼は言われました:さあ、アンサールの衆、わたしに応じてくれないのか?
アンサールは言いました:アッラーの使徒様、どう応ずればよいのでしょう!アッラーとその使徒にこそ恩と徳は属します。
彼は言われました:アッラーに誓うが、おまえたちが望めばおまえたちは次のように言ったことだろうし、その言うことは真実であろうし、わたしはおまえたちを信じるだろう:あなた様は嘘つき呼ばわりされていたけれどもわたしたちはあなた様を信じ、落胆していたあなた様を援助し、逃げていたあなた様を保護し、貧しかったあなた様を慰めました、と。
つづいてアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)が信頼、公正、戦利品分配における分け前の違いという英知について語った言葉が彼らの心に突き刺さりました:アンサールの衆よ、ある人たちをイスラームに帰依させるような現世の儚き美しさ(ここでは彼らに与えられた大量の分け前)のために不満に思っているのか。わたしはおまえたちのイスラームにおまえたちを託したというのに。
アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)がさらに続けておっしゃった言葉にアンサールの衆の心から信仰と愛情があふれてくるのでした:
アンサールの衆、おまえたちは人々が羊とラクダを連れて出かけて行ってしまうが、おまえたちはアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)と共にキャラバンに戻ってくることを満足しないのか。ムハンマドの魂をその御手の中にされる御方に誓って、おまえたちの行く末のほうが彼らの行く末にも勝っているのだ。ヒジュラがなかったとしたら、わたしはアンサールの一人であることを望んだだろうし、人々がある道と谷を選んでアンサールが別の道と谷を選んだら、わたしはアンサールの道と谷を選ぶだろう。アンサールは肌着であり、一般の人々は上着である。アッラーよ、アンサールに慈悲を。そしてアンサールの子孫に。そしてアンサールの子孫の子孫に。
人々はひげが濡れてしまうほど大いに泣いて、言いました:わたしたちはアッラーの使徒がお定めになった分け前に満足します。
(参考文献:①「預言者伝」、アブー・アルハサン・アリー・アルハサニー・アンナダウィー著、ダール・イブン・カスィール出版、P354~356)
そしてアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は一緒にいた人たちと共にアル=ジャアラーナに到着し、ハワーズィンがムスリムとなって彼の許にやってくるのを十数夜の間、待ちました。次に、戦利品をまず心が傾いている人たちに分け、アブースフヤーンとその息子たちのヤズィードとムアーウィヤに大目に与えました。またクライシュの大物であるハキーム・イブン・フザーム、アン=ナドル・イブン・アル=ハーリス、アル=アラーゥ・イブン・アル=ハーリサなどにも分配しました。そして残りを人々に分け与えました。
211.アンサールへの愛:
アンサールの若者たちは、アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)がクライシュの大物たちと信仰に心が傾いている人たちに定めた最も多い分け前について、アンサールにはわずかな分け前しかないことについて話し合いました。
そこでアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は彼らに集まるよう命じました。アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)による心を響かせる素晴らしい説教は、彼らの瞳からは涙が流させ、心から愛情を溢れさせました。アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は説教の中で次のようにおっしゃいました:わたしは迷っていたおまえたちのところに現れてアッラーがわたしを通じておまえたちを導いたのではなかったのか?また貧しかったおまえたちをアッラーがわたしを通じて豊かにしたのではなかったか?また敵同士でいたおまえたちだというのにアッラーがおまえたちの心を親しいものとし給うたのではなかったか?
アンサール一同は、アッラーとその使徒こそもっとも恩多く、もっとも徳があります、と言いました。
彼らが黙ったところで彼は言われました:さあ、アンサールの衆、わたしに応じてくれないのか?
アンサールは言いました:アッラーの使徒様、どう応ずればよいのでしょう!アッラーとその使徒にこそ恩と徳は属します。
彼は言われました:アッラーに誓うが、おまえたちが望めばおまえたちは次のように言ったことだろうし、その言うことは真実であろうし、わたしはおまえたちを信じるだろう:あなた様は嘘つき呼ばわりされていたけれどもわたしたちはあなた様を信じ、落胆していたあなた様を援助し、逃げていたあなた様を保護し、貧しかったあなた様を慰めました、と。
つづいてアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)が信頼、公正、戦利品分配における分け前の違いという英知について語った言葉が彼らの心に突き刺さりました:アンサールの衆よ、ある人たちをイスラームに帰依させるような現世の儚き美しさ(ここでは彼らに与えられた大量の分け前)のために不満に思っているのか。わたしはおまえたちのイスラームにおまえたちを託したというのに。
アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)がさらに続けておっしゃった言葉にアンサールの衆の心から信仰と愛情があふれてくるのでした:
アンサールの衆、おまえたちは人々が羊とラクダを連れて出かけて行ってしまうが、おまえたちはアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)と共にキャラバンに戻ってくることを満足しないのか。ムハンマドの魂をその御手の中にされる御方に誓って、おまえたちの行く末のほうが彼らの行く末にも勝っているのだ。ヒジュラがなかったとしたら、わたしはアンサールの一人であることを望んだだろうし、人々がある道と谷を選んでアンサールが別の道と谷を選んだら、わたしはアンサールの道と谷を選ぶだろう。アンサールは肌着であり、一般の人々は上着である。アッラーよ、アンサールに慈悲を。そしてアンサールの子孫に。そしてアンサールの子孫の子孫に。
人々はひげが濡れてしまうほど大いに泣いて、言いました:わたしたちはアッラーの使徒がお定めになった分け前に満足します。
(参考文献:①「預言者伝」、アブー・アルハサン・アリー・アルハサニー・アンナダウィー著、ダール・イブン・カスィール出版、P354~356)