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悔い戻る者たちの道しるべ【6】-(2)

2015年06月25日 | 悔い戻る者たちの道しるべ
しかし、罪を小さく見るのではなく、大きめに見るべきです。私たちが罪を小さく捉えると、それはアッラーの御許で大きくなり、私たちが罪を大きく捉えると、それはアッラーの御許で小さくなるのです。

真正アル=ブハーリーの中で、教友アナス(アッラーの御満悦あれ)は、次のように言いました:

《まことにおまえたちは、われわれが預言者様(アッラーの祝福と平安あれ)の時代には重罪とみなしていた、おまえたちの目にとって髪の毛よりも細い行動(些細な行為)をしている。アブーアブドゥッラー曰く:つまり(身の)破滅を指している。》(アル=ブハーリー)

そのため、イーマーン(信仰)の各ステージには、「罪の格付け」があるかのようです。尊い教友たちが犯す罪は、私たちが善行だと思うものであるかもしれないのに、彼らにとっては、罪なのです。

教友ハンザラ・アル=アサディーが次のように言いました:

《私を見かけたアブーバクルが言いました:ハンザラよ、君の調子はどうだ?私は、:ハンザラは偽信仰に陥ってしまった、と言いました。アブーバクル:スブハーナッラー!なんということを君は言うのだ?私は。:われわれは、アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)が火獄や楽園について想起させてくださるあまり、まるでそれらを目の前に見ているかのように思うのに、アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)の許を出て、妻や子供達や金儲けに急ぐと、たくさん忘れてしまうのです、と言いました。アブーバクルは言いました:アッラーにかけて、私も同じことが起きる。そこで、私とアブーバクルは、アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)を訪れました。私は:アッラーの使徒様、ハンザラは偽信仰者になってしまいました、と言いました。アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は:どういうことか?と言われ、私は:アッラーの使徒様、あなた様が火獄や楽園について想起させてくださるあまり、まるでそれらを目の前に見ているかのように思うのに、あなた様の許を出て、妻や子供達や金儲けに急ぐと、たくさん忘れてしまうのです、と言いました。するとアッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)は次のように言われました:私の魂をその御手の内にされる御方にかけて。おまえたちが、私のそばにいるときのような状態を保って、思い起こし続けているようなことがあれば、必ずや天使が、おまえたちの寝床でも道すがらでも握手してきたことであろう。しかし、ハンザラ。一時、一時なのだ。と、三度、言われました。》(ムスリム)

司会:

己が偽信仰に染まっているのではと恐れていたのですね。

先生:

その通りです。

司会:

アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)の回答はどのようなものだったのでしょうか?

《おまえたちが、私のそばにいるときのような状態を保って、思い起こし続けているようなことがあれば、必ずや天使が、おまえたちの寝床でも道すがらでも握手してきたことであろう。しかし、ハンザラ。一時、一時なのだ。と、三度、言われました。》

一時は服従の期間、一時は背く期間であると捉える人がいますが、けっしてそのような理解が求められているのではありません。ある時は煌めき、ある時は無気力になるということです。アッラーの御命令に常にまっすぐな信徒であっても、煌めく期間の到来に喜んだ次に、無気力な期間が来たために萎縮することもあるのです。なぜなら、その時の彼には、高いところにおわすアッラーが不在だったためで、このことが彼を苦しめるのです。

教友アリー(アッラーの御満悦あれ)は次のように言っています:”自我には前進と後進がある”。彼は、自我には服従と罪がある、とは言いませんでした。前進と後進。自我が前進しているときは、自発的行為を成就できるように働きかけ、後進しているときは、義務行為を成せるように働きかけてあげてください。預言者(アッラーの祝福と平安あれ)の教友たちは、自分たちの情熱が緩んだり、前進が弱まったりすると、それを大きな罪と捉えていたのです。一方、後世の信仰者の一部には、はっきりしている確実な罪を犯しながら、「アッラーはたびたび赦し給う、慈悲深き御方」と言っています。これは、信仰が弱い証拠です。

アブーフライラは言いました:私は、アッラーの使徒(アッラーの祝福と平安あれ)が次にように言われるのを聞きました:

《アッラーにかけて、1日に70回以上、私はアッラーに罪の赦しを乞い求め、彼に悔悟する。》(アル=ブハーリー)

他の伝承には、100回以上、とあります。

アッラーの使徒の罪の赦し乞いとは何でしょうか?アッラーの使徒はどういったことの赦しを乞われていたのでしょうか?過去の罪だけでなく、未来にわたる罪もあらかじめ赦されたお方だったのではなかったのでしょうか?

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