『ファウストの悲劇』って、はじめて見る演目。
W.シェイクスピアと同時代に活躍したイギリスの劇作家クリストファー・マーロウの作品。
前々から、気になっていたものの、やっぱり話が暗いというか重いというか。。。
何となく、チャンス無く見るチャンスに恵まれない感じだったから。
今回のキャストと蜷川演出って事で、足を運んでみました。
“その”キャストの面々は、野村萬斎、勝村政信、若村麻由美、長塚圭史、たかお鷹、横田栄司、斎藤洋介、大門伍朗、マメ山田、日野利彦、大川ヒロキ、二反田雅澄、清家栄一、星智也、大林素子、時田光洋、木場勝己、白井晃 他 …と、豪華でしょ。
お話のあらすじは、学者ファウストが人間としての限界を超えた叡智や富、名声を得るために黒魔術に傾倒し、ルシファーの使いメフィストを呼び出し24年期限の『血の契約』を交わし人生を終えるまでのお話。
悪魔と契約したものの、『良心』を捨てきれない部分と、『欲深さ』に忠実な自分を24年の中でさまよい続けるファウスト博士を、野村萬斎さんが演じます。
声も通るし、重々しいセリフがピッタリ役柄にはまり込みます。
お話の流れは、単調なので少し疲れますが、セットや客席通路を入退場に使う手法、舞台も歌舞伎仕様。2階客席下にズラリと灯る赤い提灯、舞台には三色の定式幕。
これぞ、蜷川演出って感じでした。
また、物語の展開をサポートする口上役もいたりして。
この口上役、一番最後に片目傷を負い悪魔の羽を付けて出てきます。
私自身は、あまりこの作品を知らないのですが…作者クリストファー・マーロウ氏の死因ともなったものと重なるんだとか。
彼の“生活”や“死”にも謎が多いみたいで…ちょっと、意味深。
何だか、この話のファウスト博士と重なって見えたりして。
観たみなさんは、どう感じたのか?ちょっと、気になるところです。