私の夫はアルツハイマー。私は精神障害2級。こうなってから6年2人で暮らした。
近所に住む娘は、出産の時期に重なっていて、看護師の娘は遠くに住んでいた。
同居家族以外には分からない認知症介護。一見普通に見える認知症という病気。7年目に夫が身体の病気で倒れて、ケアマネから「奥さんに介護は無理です。施設介護にしましょう。」と言われた時には正直ホッとした。
だが、一見、在宅で介護できる程度に見える夫を施設に入れることに娘たちが反対した。私はパニックを起こして泣き叫んだ。自殺企図の危険もあったので、看護師の娘に抑え込まれて、私は失禁して暴れまくった。
かなり後になって看護師の娘に「なぜ、あの時、在宅って私に言ったの?」と聞いたら「お父さんがうちに帰りたいって言って可哀想だったから。」。。。精神病で苦しむ私は可哀想じゃないんだ。「あなたたちは、1日だって一緒に暮らしたことがないのに良くそんなことが言えたわね。」と私が言うと娘は黙っていた。
今、実母が認知症になっている。
昨日も妹から電話がかかってきて愚痴られた。介護認定は1。まず、デイケアをしながら施設の空きを待つ。今、母は昼間1人でいる。同居の弟は、ついに母の年金も手に入れて母のお昼ご飯の用意もしてあげない。見かねた妹が「お弁当」を作ってあげている。妹はシングルのワーキングマザーだ。忙しい時間の中で毎日母のお弁当を作っている。弟に「材料費は頂戴ね」と言ったら「うん」と言うだけで、お金は渡さない。その電話だった。
母はきっと施設に入っても洋服一枚買ってもらえないだろう。
弟にとって、母の洋服より、妹の好意の弁当作りの心より、フィギュアを増やすことが大事なのだ。
弟は本当に頭が悪い。都立の底辺高に定員割れで入れた。昭和に生まれ、終身雇用制に守られて会社にも行けている。どんな資格を受けても全部落ちる。会社から取るように補助してもらった資格も一つも受からない。
でも、頭が悪くても人間の優しさを感じる心があれば、もう少しマシなんだと思う。その教育をしてこなかったのは、母だ。母の置かれた状況は自業自得、因果応報。
妹はケアマネとの話し合いに弟に付き添っていたが、そうすると弟は人ごとで聞いてないらしい。だから、もう同席しないとも言っていた。
かき集めた貯蓄型保険(全部弟名義)400万。弟の現金貯蓄50万弱。もうすぐ退職金。おそらく多くて1500万。それで、今、家がある借地を買おうと思っていたらしい。東京23区内、買える訳ないじゃん。もし、買えても「自分の老後はどうする気?」
そして、家は劣化する。私の家は築30年。外壁3回。内部1回のリフォームでトータル1350万かかっている。そのこともメールに書いて「今までのフィギュアに使い放題」はできないと宣告したら、逆ギレしてシティホテルで大げんか。
妹にお金を出さないでお弁当を作ってもらって、甘えているのに、妹の娘25歳にプレゼントと言って1個5000円もするフィギュアを渡してくる。姪も「もう、こんなの要らない。お金の方がありがたい」と影で言っている。
流石に妹も「もう、こういうのもらっても嬉しくない歳なのよ」と弟に言った。
お正月に母に「弟は優しい?」と私たち姉妹が尋ねたら「うん。優しい。あのこは優しい」と言うので「じゃあ、私たちは?」と尋ねたら「。。。。」。妹と顔を見合わせて呆れた。
特殊詐欺にお金を盗られて、残ったのは貯蓄型の生命保険のみ。4通。全部弟が受取人だった。家の名義が弟なのは、昨日まで妹は知らなかった。つまり、私には何も無し。私のことは、どう思っていたのだろう。だから、私は介護には一切かかわらない。子供の頃から、いいように家事をさせられ、お茶を入れなかっただけで殴られ、暴言と暴力は当たり前。母は、自分が暴力を受けてないので守ってもくれなかった。
そんな母親もいるんです。私には、介護の義務はない。
認知症の介護は、介護する人のストレスも半端ない。外からは分かりにくいから、周囲の理解も受けにくい。わかってくれるのは介護士、看護師などのプロしかいない。でも、娘も私の苦しみは理解できなかった。認知症と精神障害の二人暮らしの大変さは。