by Gerardo Diego Ontiveros
確固たる証拠が残る男性と異なり、女性が夢でオーガズムを感じたという証拠は記憶しかないため、睡眠中の女性のオーガズムに対しては懐疑的な人も。しかし、これまでの研究によって、肉体的な接触が一切ないにも関わらず睡眠中の女性でもオーガズムを感じることが可能だということが明らかになっており、その仕組みについてFusionが解説しています。
Science explains why some women orgasm in their sleep | Fusion
http://fusion.net/story/152129/sleep-orgasms-are-real/
「女性は夢の中でオーガズムに達する」ということが発見されたのは1983年のこと。ある研究者らが睡眠中における女性の体の変化を観測していると、突如、女性の心拍が1分間に50回から100回にまで増え、1分間に12回だった呼吸は22回に増加する状態に。また、この時、膣部における血流の著しい上昇も観測されました。
これは当時まだ少なかった「睡眠時における女性のオーガズム」を測定した事例の1つとして知られています。ラトガーズ大学のバリー・コミサラク教授はこの「生殖器によらないオーガズム」、つまり「女性は思考によってオーガズムを迎えることができる」ということを調査しており、オーガズムの間に脳で何が起こっているかをマッピングすることで、無意識下の女性がどのように絶頂を迎えているかを解明しました。
コミサラク教授は「オーガズムを感じている時、脳の主要な部分は全て活性化します。まるで嵐のように」と説明。人は通常、性的なクライマックスにいる時以外に一度に脳全体が活性化する瞬間はなく、オーガズムを感じている瞬間のことを「体が浮いているみたいだった」や「意識がなくなった」と報告する人がいるのもこのためです。
では、誰も肉体的接触を行っていないにも関わらず、眠っている間にオーガズムが起きるのはなぜなのか。コミサラク教授によると、そのトリガーは「眠っている時に陰核付近の血流が多くなることを、脳が性的な刺激だと認識する」ことだそうです。
さらに、コミサラク教授が「思考によりオーガズムに達することができる」という女性10人を集めて、性器への接触なしにオーガズムが引き起こされる様子を観察したところ、性器への接触から引き起こされるオーガズムと思考のみで引き起こされるオーガズムがもたらす脳へ反応は、ほぼ同じだということが判明。つまり、睡眠中の女性は、陰核付近への血流の増加を性的刺激だと認識する共に、「思考」によって肉体的接触なしにオーガズムが引き起こしているわけです。なお、思考によるオーガズムも肉体的接触のオーガズムと同様に、血圧の上昇や心拍の増加、瞳孔の散大などが生じるとのこと。
by Robert Shiple
コミサラク教授が驚いたのは、思考によってオーガズムが引き起こされる時、脳のうち認識機能を担う前頭皮質が活性化するということ。つまり、実際には性的な接触がないにも関わらず、脳はまるで接触があるかのように反応を示すのです。
人間の脳には本人の体の地図を有する「感覚皮質」という部分があり、誰かと手を握ると感覚皮質の地図のうち手の部分が活性化するように、陰核に接触があれば地図のうち陰核の部分が活性化します。思考のみでオーガズムに達する女性は、実際には接触がなくとも考えるだけで地図のうち陰核の部分を活性化することが可能で、この働きにより前頭皮質に反応が起こるものと考えられています。
精神病学者でありセックス療法士であるマドレーン・カステヤノス氏によると、「夢ではオーガズムを感じられるのに現実では感じたことがない」という女性もいるそうなのですが、これは夢の中には不安や気が動転する要素がないため。夢の中では自分がオーガズムを感じられる最高の状況が作り出せるので、人によっては現実よりも夢の中の方がオーガズムに達しやすいこともあるそうです。