仁王様
昔、浅草の観音様に入った泥棒がございまして、賽銭箱を風呂敷でくるみますと、これ をしょいまして、野郎、裏から逃げればいいものを、表からどうどうと逃げようとしまし て、ところが、表には門番の仁王様がいらっしゃいますから、逃がす訳はございません、 この野郎ふてぇ野郎だ、なんてんで、泥棒の襟首をつかまえまして、目よりも高くつり上 げると、そのまま地面へ叩きつけまして、泥棒が四つん這いになると、上から、あの何文 あるか分からないような大きな足で、ぐぐぐぐぐっと踏み付けます、ってぇと、かの泥棒、 下腹へ力を入れて力みましたから、たまりません、さっそく大きなおならをぶーっ。 仁王様「むむむむむ、くせぇーものー。」
泥棒「はーあ、仁王かぁ(臭うかぁ)。」