~Words~

心に宿る言葉たち

弱者が立上がる時

2005-11-08 | essay
もう、随分 昔の話になるが、私は「わたぼうし」というボランティアで活動していた。
身体障害者の社会への参加を呼びかける団体だった。私はその中で、
障害者の詩に曲を付けて歌う「歌ボラ」というグループの中にいた。日曜日ともなると、街へ出かけては、出来た曲を何回も歌う・・・陽が傾くまで、歌っていた。                                              そうやって、休みごとに出かけて行った。何の為に歌っているのか、全くわからないままに。がむしゃらになって・・・
詩を書き始めて間もない仲間(障害者)は、なぜか弱々しい言葉を並べる。「死にたい」とか「生まれてきてごめんなさい」とかでも、そうやって自分の気持ちを正直に吐き出す事を続けていくことで彼等は確実に変わっていくのだ。自分のするべき事に気づき始めるそれはまるで、みにくいアヒルの子が白鳥になるように・・・そして、いつのまにか健常者をも上回る力を発揮するようになる。                  
年に一度大きなコンサートが開かれていた。「わたぼうし音楽祭」という大きな舞台で彼等は光輝いていた。それは短所を長所に変えるとか、そうゆう 消極的なものではなく、見る人の心を動かすほどの感動を与えてくれる存在になる。                    
なぜ、彼等が立ちあがったのか、最近、私は分かった。 それは、人は一人では生きていけないという事を感じたからだ。自分一人で生きてきたわけではないという事を思い出したからだ。そんな簡単な事が今までわからなかった。あれから、随分と時間が経って、障害者同士で幸せな家庭を築いた仲間、何処にいるのか音沙汰なしの仲間、
そして、もう亡くなってしまった仲間たち。                                                                            
彼等の“詞”があったから私も歌えた。もちろん今もそうだ。
私の中で輝き続けている。「ずっと笑って歩くんだよ」と私に言い聞かせるように―    

弱者が立上がる時

2005-11-08 | words

★:*:星の涙 ☆:*:・

 

昨日の雨はとても冷たく感じた 僕に何かを伝えるみたいに

一人の部屋で輝く星を見ながら 昨日の雨の事を考えてみた

それにしても よく見ると 星の数って思っているより多いんだなあ

 

命がとけて星になるのならば 父の話と歴史の本でしか

知らないけれど 戦争というものが

この世で起きてなかったら こんなにまで

星は増えてなかっただろう

「きれいだ」っていえば 涙がこぼれ落ちそうだ

 

昨日の雨の冷たさを ひとつ ひとつ 感じながら・・・

昨日の雨は「繰り返すな」と悲しみ伝える 星の涙だったんだろう

                A blind poet)井上 のりひろ                     

                   補作詞)らら楽 あんづ