眺める空に描くもの

高齢者女子のおひとりさま暮らしノート

最後の一票と最後の一皿とジブリと

2024-10-26 19:26:53 | 認知症の介護のお話
昨日は曇りで、今日が雨予報でしたが、今日は曇りで雨は降らず、
午後からは晴れて来ましたので、期日前投票に行って来ました。

60万人弱の市民がいる鹿児島市ですから、市役所の方は混んでいるし、
いつも支所の方で投票します。

支所は少ないかと言えば、そうでもなくて、土曜日なのでやっぱり、
人がいっぱい。投票待ちができていて平日に来た方がよかったかなとは
思いつつ、ただ、駐車場は42台分ほどあるので停めやすいのが助かります。

人が通らないすきに写真を撮るのが大変でした(笑)
一瞬後には人がわらわらわらわら。


支所の投票に来ると、母を連れて来たことをいつも思い出します。
母の病状がどんどん悪くなっていて、漢字も書けなくなってしまい、
連れて行くべきかどうか、とても悩んだことがありました。

前日、家で投票用紙に書く練習をさせてみると、漢字で書けたり書けなかったり。
「ひらがなでもいいのよ」とおしえて書かせてみたり、いろいろと試してみて、
最後まで迷いましたが、父が政治活動をしていましたので、亡くなった
父の一票だと思い、連れて行きました。無理なら無理で仕方ないなと。

投票所でまた、わからなくなって、「どうするの?」と投票用紙を持って
来たので、「ここに書くのよ」と教えながら書かせたら、なんと、漢字で
候補者名をきれいに書いてくれたのです。本番に強いというのか、母の
ポテンシャルに驚き、父の思いを一票に込めることができて、連れて
行ったことを「よかった」と思いました。

それが本当に最後の投票となりました。次の選挙のときはもう、悩む
レベルではなく、投票はできなくなっていました。

母が最後に料理をしてくれたのはサラダでした。マカロニサラダを作って
くれましたが、2人分のサラダに9皿もサラダが出て来ました。
卵がのせてあったり、トマトがのせてあったり、少しずつ違うサラダの
お皿のことを思い出すと、胸に迫るものがあります。

基本的に私が料理をしていましたので、自分で作ることはしなくなって
いた母でしたが、そのときは、何か「作ろう」という気持ちになった
様子でした。お皿の数はおかしくても、母が料理を作れたことがうれしくて、
私に食べさせようと思ったことがうれしくて。忘れられない一皿でした。

投票の帰りにお供え用の和菓子を買って帰りました。
ハロウィン用の和菓子がかわいいので、父も母も喜んでくれると思います。

ふたりとも、案外、かわいいものが好きで、そういえば、ジブリの映画
「となりのトトロ」の試写会には両親を連れて行ったのですが、ものすごく
感動してくれて、映像のきれいさや当時の時代感が「とてもよかった」と
言ってもらえたのも懐かしい思い出です。

試写会は映画紹介記事を書いていた関係で、特別に「ご家族にもぜひ」と
言っていただいたものでしたが、父もかつて、映画の記事を書いていて、
試写会に招待を受けて、子供も連れて行っていたことを覚えています。

私などは、まだ、幼稚園にも通う前のかなり幼いころだったので、映画の
意味などもわからず、つまらなくて泣いてしまい、母にトイレに連れて行かれて、
こっぴどく叱られたことをよく覚えています。たしかあれは、洋画の壮大な
歴史ものだったことは、目に焼きついています。宮殿の場面だった。

若い両親はそばに祖父母もいない、いわゆる核家族だったので、子供を預ける先も
なかったので、仕方なく、連れて行ったのでしょう。
泣いたら叱られることは身に染みたので、あとは大人しくしていたことも
よく覚えています。手のかからない聞き分けのよい子供ではあったようです。
帰りは母におんぶされていたので、かなり小さかったと思いますが、私は
結構、いろんなことを詳細に覚えていて、母に迷惑がられたものです(笑)
「まったくもう、忘れたらいいのに。いつまでもいつまでも!」

ハロウィン創作和菓子

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