台風一過、しかし俺は二日酔で昼過ぎまで寝ていた。
千紗は来なかったようだ。朝の段階で台風の警報が解除にならなかったのか。しかし、今は晴天。このあたりの高校は解除になりしだい登校することになっている。昼あたりにブツブツ言いながら高校へと向かったんだろうな。
梨央が昼過ぎに姿を見せる。嬉野中は2学期の中間試験が10月5日と滅法早い。焦らなくてはならない。クニもやって来る。中1もポツポツ姿を見せる。嬉野中1年の薫相手に数学をスッ飛ばす。
由子(津東3年)が代ゼミの模試の成績表を持ってくる。英語が学年順位1位、「やっと1位になったか」「ふふふ・・・やっと」
由子の志望大学は関西外語大。津高に進学後もウチの塾を続けるものの、津東の指定校推薦枠で関西外語への進学を試みていた。高校の教科書中心に勉強して、いかに内申を上げるかに腐心していた。塾では質問があれば俺が教科書や宿題を教えるていどで、古西の英語や大西君の現代文、大森の古典の授業には出席していなかった。
ところが今年度、津東から関西外語大への指定校推薦枠が抹消された。それまでの学校の授業中心の勉強から一転、実力だけが頼りの一般受験へとシフトすることに。これが5月の頃だ。それ以後、由子は積極的に塾の授業に出席し始めた。ターゲットの英単語試験にも毎晩のように臨むようになった。粘り続けた4か月だった。
3日ぶりに甚ちゃんが登場。
俺から拓也ネタを聞いた甚ちゃん、「公務員に現役で合格するためには、大学3年の5月連休明けから勉強するのが一番いいと思うんですけどね。5月の連休にもう死ぬほど遊んで後腐れなく受験生活に入れるようにする。拓也はまだ2年ですけど、一般就職を目指すのか、公務員を目指すのか、今年中には決めないと・・・」
その拓也、昨日帰省して明日滋賀へ戻るとか・・・。昨日は塾に顔を出したものの今日はご無沙汰。まあ、塾に来たら来たで就職がらみで説教されるんやから仕方ないか・・・。