隼人が高3相手に日本史の授業をしてくれたギャラ代わりにメシを奢るのが恒例となっている。今日の店は「かつ屋」
時間帯もあっただろうが、えらく活気がある店に変貌してた。女性スタッフのフットワークも軽く、自分のスペースを堅持するだけでなく臨機応変に他のスタッフのスペースにフォローに入る。厨房ではあすかのお母さんが揚げ担当で獅子奮迅の活躍、これじゃ挨拶する暇もないようだ。
育伸社主催の全国模試を発送した。
今回は瞭が自己採点で424点と気を吐いたが、なにしろ自己採点。前回の全県模試でも慎也が250点中224点と申告してきたが、成績表が返却れたら198点だった。瞭の424点、受験者6万余の母集団でどの程度にいることやら・・・。
瞭の親父さんとは小学校の運動会で偶然出会った。瞭が夏休みの模試で得意技の理科でこけたことを謝ると、「今のうちにたくさんこけてくれたほうがいいでしょ」とサラリ。
瞭の親父さんは中学での成績はともかく、いかに高校で実力を伸ばすかということに腐心している。中学時代に優秀な成績をとっていても高校時代につまずく生徒がいかに多いことか。そのツテを瞭には踏ませたくないとの希望、俺もまた同感。
久居高校の森岡が塾に入った。森岡の英語は今までたった一人で苦しんできた英語である。難度の高い単語を知っている反面、必須の単語を知らなかったりする。与えられた英語の教材をひたすらに覚えてきた匂いがする、熱さがある。頻度の高い英単語から順次覚えるほうが無駄はないが、そこには熱さがない。森岡の英語には古西も気に入ったようで、「沙耶加や荒井の津高連中より遥かに上やな」と。
進学校即有名大学進学という幻影にだまされてはいけない。何度もしつこく言ってはいるものの、ウチの塾内ですらその幻影に包まれて慰安を感じている生徒がいる。
「今から必死になって頑張ったら立命館に合格するでしょうか」
覚悟が顔に出ていた。受験生らしいいい顔つきだった。