９月１３日

奥さんともども病院へ。１年に１度の健康診断である。塾の駐車場まで二人で歩いて来ると、下の美容室のマッツンが客をほっぽらかしてドアを開けて出てくる。「先生！奥さん！産まれた！産まれた！」「いつ！」と奥さん。「奥さんが言ってた通りや、昨日の晩！」

マッツン、子供の出産予定日が過ぎて不安な日々を過ごしていた。奥さんがそんなマッツンに言ったとか、「子どもは親のことをよく考えてくれているから、店の定休日に産まれてくれるわよ」
ホンマかいな・・・と思った俺。しかしホンマに定休日の月曜日に産まれちゃったよ。

「血圧は不思議なくらい順調ですな」と荒岡センセ。「でもここ数日、タール便が出てるんですけどね」「そりゃアカンな、酒や、酒、絶対にお酒飲んだらアカンよ。潰瘍が癖になるかどうかの瀬戸際やな、しばらく禁酒ですな」「どうのくらいせなあきませんか」「せめて一週間」

あげく背中を痛めたようで、ぎっくり腰の按配で廊下を上がり下がりしていると、二重苦の俺に神様が同情してくれたのか、ささやかな悪戯をしてくれるわ・・・７期生の正知の登場。

今年の春から高田高校で教鞭を取っているとか。「昔俺とした約束覚えてる？」「何ですか」「まだ龍谷の院にいた頃や。ウチの塾で『日本人にとって宗教とは何か』っていうテーマで話してくれって頼んでいただろが！」「ははは、そんな約束ハナッからすっぽかしてますよ」

同期の話題が続く。「竹中がさ、結婚するんやって」「へえ、ユタちゃんが結婚か・・・。そういや、富永がこの秋からユタちゃんのＭ銀行に就職が内定したんですよ」

正知からはご丁寧にもビールを頂いた。しかし十二指腸潰瘍の俺、そのビールにありつける日はいつになるねん！

夜になり斎藤から電話。「マッツンの子供産まれたやって」「えらい情報速いやん」「でさ、病院どこやった」「・・・知らん」「頼りにならんオッサンやな」「すんませんね。でも、さすが社会人、そんなところにまで目が届くなんて立派に更正しはったやん」「何言うとるねん」

梨央を送って塾に戻ると森下と甚ちゃんと古市、プロジェクターを持ち出して映画上映会の準備に余念がない。聞けば酒が飲めない俺にあてつけるかのようにバーを２軒ハシゴしてのご帰還とか。「ところで今夜の出し物は何でっか」と俺。「グッド・フェロー」と森下。「誰が出てるねん」「ロバート・デ・ニーロ」「そりゃありがたい」
背中が軋みを立てている。ベッドに身体を横たえて塾のホワイドボードを見やる。明日も背中の痛みが退かないようならば、ここは征希にすがるしかない。

ある時はれいめい塾の総務部長、ある時は企画部長でもある森下、明日は午前５時に京都に向けて出発。すかさず関西新空港から一路台湾へ飛ぶことになっている