稲敷資料館日々抄

稲敷市立歴史民俗資料館の活動を広く周知し、文化財保護や資料館活動への理解を深めてもらうことを目的にしています。

神屋遺跡の発掘現場を見学して来ました!

2012年11月16日 | 日記

11月16日(金)。

この日は、今現在、急ピッチで進む圏央道の建設工事に
関連して発掘調査がおこなわれている、稲敷市清水の
「神屋遺跡」の発掘現場を、稲敷市文化財保護審議会の
研修会といたしまして、見学させていただきました。



神屋遺跡の調査は、今年の4月からはじめられました。
調査は、茨城県教育財団が担当しています。

この日は、神屋遺跡の調査主任Sさんに、遺跡を案内していただき、
遺物の内容などを説明していただきました。



神屋遺跡の面積は、8,333㎡で、その南側の崖下には
神屋南遺跡があり、そちらの面積は1,492㎡です。

調査員さんは2名で担当していて、作業員さんは40名弱
ほどだということでした。



雨が降ったり、色々な諸条件で調査ができなかったりと、
発掘調査の進行管理は、とても大変です!

遺跡の発掘調査は、圏央道にかかる部分だけを調査します。
ですから限られた条件の中、限られた区域の調査の中から、
その地域の歴史や文化の特色を考えよう、というちょっと
難しい手続きをすることになります。

神屋遺跡では、古墳時代から近世までの遺物が確認されて
いるそうで、竪穴住居跡が110軒、掘立柱建物跡が8軒、
大型円形土坑が3基、土坑に至っては450基ほど確認
されているそうです。



この神屋遺跡、よほど生活するのに便利な場所だったのか、
一つの竪穴住居が使われなくなった後、ほぼ同じような
場所に重複して建てられているのが、いくつも重なって
います。



調査主任さんの言葉をお借りしますと…
「足の踏み場もないくらい…」
竪穴住居跡や土坑などがアチコチに見られ、重なっています。



大型円形土坑からは、大きな須恵器の甕と一緒に黒く炭化
したお米が出土しているとのことでした。時代は平安時代
くらい。大きな穴と、大きな須恵器の甕、そしてお米…。
何やら面白くなりそうですね!



また、土器の他に鉄器なども出土していましたよ!

神屋遺跡の現地説明会は、来年、平成25年の3月頃予定
とのことなので、みなさん楽しみにお待ちくださいね!


最後のおまけに、現在の圏央道の工事の様子をちょっとだけ!



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