海軍兵学校跡(第一術科学校)見学は
生徒館の後、教育参考館へと続いた。
ここはかつての生徒や卒業生(帝国海軍士官)に関わる
さまざまな展示がされている。
ただし、写真撮影は不可。
40分の見学の後、生徒館前の芝生に集まった。
ガイド氏(ベテラン現役自衛官)が振り向き教えてくれる。
「ここからが一番の撮影ポイントです。(↑)
赤レンガ(生徒館)と古鷹山が一緒に撮れますよ」と、
これが古鷹山!
・・・目の前にすることができ、感無量。
Wikipediaによると・・・
「海軍兵学校から海上自衛隊第1術科学校、幹部候補生学校に至るまで、
古今の海兵、海上自衛官が修練の場」としたと書かれている。
校歌にも歌われているそうだ。
実際、海軍兵学校を描くエッセイや小説にも、必ず登場する。
たとえば、須賀しのぶ「紺碧の果てを見よ」は
主人公・鷹志の横須賀での少年時代から海軍士官としての日々を描く
歴史青春小説だ。
兵学校入学を控えた鷹志に、海軍中佐である養父が言う。
「懐かしいと言えば古鷹山だ。苦労させられたが、そのぶん懐かしい。
おまえも厭というほど世話になる。卒業する頃には、目を瞑っても
頂上に行けるようになるさ」128頁
その言葉通り、鷹志も苦労させられる。
標高は394m(Wikipedia情報)なのだが・・・
以下は宮島の弥山競技を目指した、古鷹山で練習の一場面だ。
「(古鷹山は)普通に登るならばどうということのない山だが、
ずっと駆けて登るとなるとさすがに厳しい。
頂上では弥山係と伍長が、鬼の形相で時計を構え、
生徒達を待ち構える」179頁
この古鷹山に「駆けて登る」ことは、今でも日常的に行われている。
ガイド氏は、こともなげに言う。
「あの山の頂上まで走って、また戻ってくる。
どのくらい時間がかかると思いますか?
・・・20分ですね」
なんと、20分で、
今、仰ぎ見る、あの山へ走って行って帰ってくる!?
見学者一同・驚愕。
他にも、ガイド氏からは、今に続く海軍以来の訓練について伺った。
それが体力以外に、冷静沈着さなど精神面も
要求されることばかりで・・・
いや、すごいわぁ・・・
半端な気持ちじゃ、即、脱落だ。
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おつきあいいただき、どうもありがとうございます。
本日の記事は、私の記憶をもとにまとめましたが、
間違いや勘違いもあるかと存じます。
素人のことと、ご容赦下さい。
◆引用
須賀しのぶ『紺碧の果てを見よ』新潮文庫