リツゲイ稽古場日誌

劇団立命芸術劇場の稽古場日誌です。日々演劇と向き合う団員たちの思いが垣間見える、かも...?

花の名前は

2016-09-28 21:15:56 | 2016年度秋公演
ついにこの回が来ました。
我々3回生は今公演をもって卒団となります。
今更過去を振り返ってもどうというわけではないのですが、1回生の時の実直さも2回生の時の熱量も、見返せば若かったなぁと思うばかりなのです。
いまの後輩たちの向こうにかつての自分を見るようで、感慨深いです。
こんなことばっかり言ってると老いが加速しそうなので止めたいものなのですが、それはさておき。


タイトルは別に最近大ヒットした映画に触発されたというわけでなく、高校時代、初めて演劇部に入ったときのことを思い出したことからきています。ちょっと返りすぎました。
その時もらった名前を、一部変更して今も芸名に使わせてもらっているのですが(今更というか、チラシに普段掲載されている私の名前は芸名です。芝居に関わる際は本名を使いたくないという個人的なものです。)

芝居を打つことはある種現実逃避に近い、という考えは今も変わらず持っています。
ただ、自分はそれだけでなく、単純に演劇というものが持つ非日常性に触れるのが楽しかったのだと思うのです。
それこそお客さんが1人の公演でも、文化祭などで友人が見に来てくれる公演でも、私は「面白かった」と言ってもらえることが嬉しかった。初心にかえってみると、それが今まで舞台に立ち続けた理由なのかもしれません。
役者としてだけでなく、自分たちが作り上げたものの成果を見ていただける機会があるのは、今でも嬉しいことなのだと思います。その気持ちを少しでも味わっていたいから、入団後行われてきた全ての公演に参加してきたのかもしれません。

芸名だけでなく、役としても色々な名前をもらいました。
実際にも色々な名前の人々と出会ってきました。花や植物の名前を持つ人、変わった読み方の名前の人、地元では見かけないような名前の人…。名前というか、その名前を持つ人の数だけ考え方や、生き方があったのだなと思うのです。
その考え方に触れることは、自分1人分の人生では到底得られない何人分もの経験を得られたように思うので、それも感慨深いものです。


そろそろ現実と向き合う時期と3回生という立場が思わせるのか、最近演劇に対する思いの置き所が変化してきていました。でも、何にせよきっとこの公演が一区切りです。もう舞台に立つことも、関わることもないのかもしれません。
なので、私は初心にかえって、最後の舞台を楽しむことにしようと思います。
多くの方に見に来て頂きたいです。友人でも先輩でも後輩でも、家族でも通りすがりの方にも。
そして色々な人に関わり、多くのことに触れられれば、それでいいのかなと思います。

こんな私情ばかりを連ねたブログで、呼んでくださっている方々は面白いのでしょうか。そこからすでに不安ではありますが(読者が身内ばかりかもしれないという疑惑は考えずにいきます)、こうなればもうせめてその場に居てくれる人たちに恥じない舞台になるよう、あとは精一杯努めるのみです。
どうぞ、お時間あれば是非お越しください。お待ちしております。


3回生 舞台装置・音響効果・役者
小川萩帆



追伸
触発されてないとはいったけど、「君の名は」はいいぞ。
それでは。
コメント
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