リツゲイ稽古場日誌

劇団立命芸術劇場の稽古場日誌です。日々演劇と向き合う団員たちの思いが垣間見える、かも...?

テセウスの船

2018-09-22 22:10:33 | 2018年度卒団公演

 こんばんは。

 

 音響兼卒団公演の守衛役の中村です。

 

 この日誌を書くのは初めてですね。読んで楽しい文章を書けるように頑張ります。

 

 先日までの異常な猛暑はだいぶマシになりましたがそれでもまだ日差しが強い日があるので油断できません。9月にもかかわらず気候的には秋の気配はまだ遠そうです。木々の色づきなどもまだ秋という感じはなく、私はコンビニの商品陳列やラジオのパーソナリティーが喋る内容から、そうか秋が来たのか、と気づかされました。平安貴族には目に見えずとも風の音色から秋の到来を察知することができたようですが、現代の庶民である私にはそんな高度な芸当はできません。日本文学専攻ですが、専門は近代なのでご容赦いただきたいところです。

 

 つい最近、リツゲイの哲学科の子が「テセウスの船」という言葉を教えてくれました。古代ギリシャのテセウスが、クレタ島から帰還した際に乗っていた船を保存したのですが、その船の腐って使えなくなった木材部品を全て取り替え、元どおりの形のまま復元した場合にもそれはテセウスが乗って帰還した船と言えるのか、という哲学命題です。アイディンティティに関わる問いですね。私は哲学の理解がからきしダメで、後でインターネットなどを使って調べてやっと理解できた次第です。しかし演劇サークルのメンバーの考える命題としてはとても面白いですよね。まず脚本があって、それを劇団が演じるわけですが、演出の方法や役者の個性によって脚本の解釈はいくらでも変えられるわけです。もはやそれは同じ脚本をやっていると言えるのか。

 

 講義で聞く哲学は小難しくわけわからんといった感じでしたが、こうやって触れるとやっぱり面白いのかなと興味を持ちたくなりました笑

 

 さて、今回のリツゲイがやる卒団公演は『Radio!Radio!Radio!』という、ラジオ局を舞台とした内容です。私も守衛役で出演させていただきます。守衛は初老らしく、話し方も初老らしさを出そうと試みています。いったい初老らしい話し方とはなんなのか。ただゆっくりと喋ればいいのか?声は低めがいいのか?思い切って老人らしい、しわがれた声を出すのが正解なのか?突き詰めていく必要がありそうです。いずれにせよ、私にしかできない演技を達成したいですね。

 

 実は、私が舞台に立つのはこれが最初です。役者として舞台に立つのは中学時代以来で緊張しかありませんが、手のひらに「人」という字を書いて飲み込んで臨もうと思います。

 

劇団立命芸術劇場2018年度卒団公演

「Radio!Radio!Radio!」

作:森崎啓介

演出:北田純也

 

【日時】

10月25日(木)     18:30~

10月26日(金) 13:00~ / 18:30~

10月27日(土) 13:00~ / 18:00~

※開場は開演の30分前です。

 

【料金】

無料

 

【場所】

立命館大学衣笠キャンパス

学生会館1F小ホール

 

【あらすじ】

「この番組、今月で放送終了になる。」

人気ラジオ番組『Radio!Radio!Radio!』は新人パーソナリティを迎え新たなスタートを切る矢先、パーソナリティの木場が原因で放送終了になってしまう。また、借金返済に機材を売り払ってしまい大ピンチに。木場たちは最終回をどう放送するのか!?